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完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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8:さすがエドワード様!

アイス皇国の第二皇子がウッド王国で見つけた婚約者を連れ、帰国する。


それをクラウスが大のお気に入りの国王陛下が「そうか」だけで終わらせるはずがない。舞踏会シーズンは夏。冬は皆、領地にいるのに。宮殿で盛大な送別舞踏会が開催されることになった。


クラウスがウッド王国に滞在していることは、私の婚約と共に、大々的に発表された。でも本人の意向で静かに過ごしたいということも表明している。しかも約一年前のその時期は、舞踏会シーズンが終わったタイミング。


つまりウッド王国の多くの貴族が、クラウスとの接点がゼロのまま一年が過ぎ、送別舞踏会となった。みんな、クラウスが気になる。


結果、舞踏会の会場となった「鉄槌王の間」は、もう人・人・人!

その人々が、クラウスと私に向け、なだれ込んでくる。


今日のクラウスは背中にアイス皇国の紋章――雪の結晶に剣――が銀糸で刺繍された葡萄色のマント、自身の髪色のアイスシルバーのテールコート、瞳の色と同じ浅紫色のシャツに葡萄色のタイ、暗紅色のサテン生地のベストと、その色合いは実に秀麗。さらに彼自身の持つ高貴なオーラにより、もうみんな一輪のオーキッド(蘭)に群がる蝶のようだ。


ちなみに私は身頃からスカートの裾まで、アイスシルバー~浅紫色~葡萄色~暗紅色とグラデーションしているドレスを着ている。スカート部分に重ねられたチュールには、ビジューが飾られ、シャンデリアの光を受け煌めきを放っていた。


このドレスはクラウスの装いにあわせ、仕立てたドレスであり、私のお気に入り。アイス皇国にも勿論持参するつもりだった。


ということで目いっぱいオシャレをして舞踏会に来たわけだが、クラウスと私と話そうとする貴族達が作った大行列に、夜明けまでにみんなと話し終えることができるかしら?と不安になっていると……。


「これは……。さすがに大変でしょう。私が少し受け持ちましょうか」


見かねたエドワード様が、クラウスに声をかけてくれた。


「……もしそうしていただけるなら、助かります」


殺到する人の多さに、さすがにクラウスがエドワード様の申し出を快諾すると、彼は「勿論。友人の有事に駆け付けるのは、当然のこと」と答え、自身の近衛騎士隊長の名を呼ぶ。


呼ばれたセオは、そのよく通る声をホールに響かせる。


「これより、ウッド王国王太子であるエドワード・チャールズ・アトウッド殿下が、来場している皆様のご挨拶を受け付けます。殿下は現在、婚約者がいない身なので、お一人でのご挨拶となりますが……」


これに妙齢の令嬢がざわつく。

クラウスと私の前に行列を作っていた貴族にも動きが出た。


婚約者のいる隣国の第二皇子と自国の婚約者のいない王太子を天秤にかけた時。挨拶をしておきたい相手は……。妙齢の令嬢は勿論、未婚の適齢期のご息女を持つ上流貴族であれば……エドワード様へと向かう。


おかげで私達の前の行列が半分に減ってくれた。


「エドワード殿下、いい方ですね。言い方が少し乱暴ですが、自らが餌になってくれたわけですよね」


私達の護衛についているトニーが、そうしみじみと言うが、まさにその通り。

この気遣いと優しさ。エドワード様はやっぱり、私の推しだ!

とついまた推し根性が出てしまう。


そのエドワード様は、確かにいまだに婚約者がいない状態が続いている。


本来であれば「すぐにでも婚約者を!」となるのだろうが、国王陛下は「25歳になるまでに決めるように。そこで決まらなければ、わたしが決める」と宣言し、臣下たちを黙らせたのだ。


こうなった背景には、二つの理由があると思っている。


まずエドワード様は婚約者を作らないつもりはなく、去年の舞踏会シーズンも頑張っていた。ちゃんと舞踏会に顔を出し、晩餐会の招待も受けている。舞踏会シーズンが終わった後は、お見合いにもちゃんと応じていた。


でも……決まらないのだ。


そこできっとエドワード様は、自身の胸のうちを国王陛下に話したと思う。さらにクラウスも国王陛下に呼ばれ、ナイン・メンズ・モリスで対戦相手を務めている時、ナスターシャ姫とエドワード様がどれだけ想い合っていたかを伝えたと思うのだ。


そこで国王陛下は、エドワード様の気持ちを汲み「25歳まで」という猶予をつけた。


関税の撤廃を隣国との間で通そうとした時。


アイス皇国の暗躍を牽制するため、クラウスを人質にとるような、冷徹な一面を見せた国王陛下だった。目的達成のためには、手段を選ばない恐ろしい人物……かと思いきや。


物分かりが悪い人物ではない。話せば分かる相手だった。


ともかくエドワード様が半分、行列を受け持ってくれたおかげで、クラウスと私は一旦休憩をとることもできた。立ちっぱなしで話っぱなしで、喉もからから。クラウスは「飲み物をとってきます、セシル嬢」とトニーを連れ、隣室に向かう。私は用意されていた椅子に座り、そばに黒騎士ことジョセフが待機してくれた。

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