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完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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45:背負って投げた?

乾杯の後、クラウスは宮殿に戻り、私は寝るための準備を始めた。丁度、その頃、兄と弟も屋敷に戻ってきたが、私の婚約の話は明朝、父親がするはず。


「セシルさま、手は染みるでしょうから、濡れないようにお気をつけて入浴くださいね。お背中は私が流しますから」


今日からしばらくは、マリに入浴を手伝ってもらうことになる。


「ありがとう。ね、マリ。私はマリに話したいことがあるの」


「なんでしょうか、セシルお嬢様」


私はそこでクラウスのプロポーズを受けたことを、マリに話した。使用人には父親から一斉に話があると思うのだけど、マリには先に話しておきたいと思ったのだ。


何より、アイス皇国に嫁ぐことになれば、私の専属メイドとして共に付き添うことをお願いすることになる。だからこそ、誰よりも早く、この話を聞いてほしいと思ったのだ。


ということで背中を流してもらいながら話したところ……。


「セシルお嬢様、おめでとうございます!」


そう言いながらマリは泣いている。


「えっ、マリ、どうしたのかしら!? もしかしてアイス皇国に行くのが、泣くほど嫌なのかしら?」


私の言葉にマリは爆笑する。


「違いますよ! これは嬉し泣きですよ、セシルお嬢様」


「えっ、そうなの?」


「そうですよ。だってセシルお嬢様、ここずーっと、幸せそうでしたから。クラウス様とお出かけになるため、お着替えする時、笑顔が絶えませんでした。変な話、アンドリュー様に会うため、着替えをするセシルお嬢様は……死んだ魚のような目をしていました」


「……!」


マリは……よく私を見ている。専属メイドなのだから、当然だといえば、当然なのだろうけど。


「セシルお嬢様の幸せそうな顔を、ここ最近ずっと見ていましたから。絶対にクラウス様のプロポーズを受けると、私は思っていましたよ。もうそれからは時間がある時に、アイス皇国について書かれた本、読んでいましたから!」


「そうなのね! ありがとう、マリ! 一緒にアイス皇国へ行ってくれるのね」


「勿論ですよ! アイス皇国は名物料理が多いので、もう楽しみです。珍しいお料理ですと、凍らせた魚を薄~くスライスしたものを、塩・胡椒でいただくようですよ。なんでも強いお酒にあうそうで。シャリシャリ食感がたまらないと書かれていました」


その後はもう、マリが調べたアイス皇国の料理の話で盛り上がり、眠りにつくことになった。



翌日。


朝食の席で私がクラウスのプロポーズを受けたと両親が兄弟に話すと、もう二人は大喜びだった。その一方でボニーの殺傷未遂事件について知ると、兄はこう言っていた。


「昨晩、舞踏会の会場で、一部の人が噂話をしているのは少し耳に入ってきたんだ。なんでも禁止されている剣を会場に持ち込み、女性を刺そうとした女がいて、逮捕されたって。でもその時に聞いた話だと、刺されそうになった女性は、相手の女を背負って投げ飛ばして返り討ちにしたって」


「な……! お兄様、背負って投げるなんて、さすがに無理ですわ」


「まあそうだろうよ。でもまさかそれがセシルのことだとは思わなかった。どうして背負って投げたことになったかは知らないが、現場を見た人が、勇猛果敢な女性を称賛したくて、話が誇張されたのだろうな」


そうだとしても私は一体どんな怪力女になっているのか。


「というかセシルお姉様、ニュースペーパーでも紹介されていますよ!」


弟が見せてくれたニュースペーパーには……。


『国王陛下主催のウッド王国一大イベントに短剣女乱入

 美女の令嬢が背負って投げて撃退!』


とんでもない見出しと共に、傷害未遂容疑でボニーが捕まり、コートニー監獄へ収監されたことが紹介されている。彼女の逮捕劇に活躍したのは、謎の美貌の令嬢で、細く痩せた女性であったが、ボニーを背負って投げ、撃退……と、兄が言う通り内容が書かれていた。さらにボニーを養女にした伯爵家が保釈金の支払いを拒み、簡易裁判が今日にも行われ、刑が確定するという異例のスピードで事態が進んでいるという。


このスピード感は、国王陛下主催の舞踏会に泥を塗ったということは勿論、そこにクラウスがいたことも間違いなく影響している。そう思いながらニュースペーパーを閉じた。


こうして家族と共に、クラウスとの婚約とこのボニーの一件で盛り上がった朝食の後、クラウスから花束と手紙が届いた。手紙には、私の手の怪我を気遣うのは勿論、プロポーズを受けてくれたことへの御礼の言葉が書かれている。


さらに私がプロポーズを受けたことは、昨晩、早馬を出したので、今日の午後にはアイス皇国に知らせが届くはずとも書かれていた。


よかった。これでクラウスは89歳の未亡人女王と結婚しないで済む。


クラウスは、今日はお茶の時間に会いに来てくれることになっていた。それまでの時間、マリが貸してくれたアイス皇国に関する本を読むことにしようと思っていたのだけど。


とんでもない情報が舞い込んでくる。


それは……。

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