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完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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50:愛する妃に捧げる

夕暮れ時の空は、いつも郷愁を誘う。

水色と茜色が混じり合い、そこを飛んでいる鳥たち。

家へ向かっているのかしら。


そんなことを思いながら外へ出る。

そしてスノーハウスがある方を見ると……。


「……! とても幻想的で素敵だわ!」


スノーキャンドルには、既に火が灯っており、思いがけず強い光で周囲を照らしている。


「セシル嬢、気に入っていただけましたか?」


「はい! ウッド王国の王都では、ここまで雪は降らないので……。とても綺麗で感動しました!」


「ではスノーハウスに入りましょうか」


そう言って私に手を差し出すクラウスは。


う~ん! やっぱり素敵。


着替えはしているが、白系のコーデは日中と同じで、上衣もズボンもシルバーホワイト。まとっている毛皮のマントはシルバーブルー。


アイスシルバーの髪と、彼の透き通るような肌に、このコーデはよくあう!


一方の私は、日中と同じ、キルティングのドレスを着ている。でも今回の色はオフホワイト。襟と袖、裾だけ切り替えで濃い紫色になっている。ローブはライラック色。


「あ……!」


もう、クラウスは!

なんて素敵なサプライズをしてくれるのだろう。


スノーハウスの中は、日中から一転、とても美しい空間に変貌を遂げていた。


ちゃんとテーブルが用意されていて、白いテーブルクロスが敷かれている。そして薔薇の花が飾られたキャンドルが灯されていた。


ランタンが吊るされ、中はとても明るい。


「「クラウス様~、セシル様~」」


「マリ、エラ!」


二人はいつものメイド服にお揃いの白いローブを着て、私達のところへ来ると、バーニャカウダーを届けてくれた。


「今日はここで夕食です」


上品ににっこり笑ったクラウスに、抱きつきたくなるのをこらえる。

なんて、なんて魅力的なプラン!


喜んで食事を始める。

ここまで料理を運ぶのは大変だと思うけど、マリとエラは頑張ってくれていた。

届けられるのはアツアツのビーフシチューと焼き立てパン。野菜と一緒に煮こまれた魚料理。これは骨がなく食べやすかった。


食後に出されたのは出来立てのパイ! その場でクラウスが切り分けてくれたが、ほくほくと湯気が立っている。中に入っているのはスライスされた林檎とベリー。味の異なる二種類のフルーツの風味が、サクサクのパイ生地ととても合う。ジャム入り紅茶と共に、堪能できた。


「セシル嬢、実は今日、届いた郵便に嬉しい知らせがありました」


クラウスはそう言うと、懐から封筒を取り出した。


上質な紙で作られた封筒から出した手紙を広げると、そこには「申請のあった鉱石MPS1~5の鑑定結果」というタイトルと共に、パッと読んだだけでは分からない内容が記載されている。ただ右下には書かれている文字は――アイス皇国の宝石研究機関GCA(Gemstone Certification Agency)「宝石鑑定認証機関」――つまりこれは……。


「クラウス様、これは紫のマーブル模様の鉱石の鑑定結果ですね?」


私の問いにクラウスは「ええ、そうです」と美麗な笑顔と共に頷く。


「ここにはいろいろ細かな鑑定結果が書かれていますが、言えることは一つ。宝石として認定されました」


「……! そうなのですね!」


「しかもアイス皇国のネーロイ河でしか産出できないことから、その希少性が高く評価され、最高レーティングのAAA+となりました」


それはカラー、カット、クラリティ(透明度)の評価に加え、希少性(cachet)が加味された結果で、同じレーティングだと、例えばダイヤモンドが挙げられるという。つまり、クラウスが発見したこの紫のマーブル模様の鉱石は、ダイヤモンドと同価値と認められたということだ!


「おめでとうございます、クラウス様! これは……大発見ですよね。きっとこの鉱石がアイス皇国を代表する宝石となり、きっと交易で大きな利益をもらすのではないですか?」


「ええ、わたしもそう思っています。GCAは国際的にも認可されている機関ですから。……アイス皇国は国土が広くても永久凍土が大半を占めています。これが輸出品の要になってくれる可能性は、高いと思います」


自分が嫁いだ国なのだ。そこに暮らす多くの人々が豊になり、幸せになって欲しいと願うのは、自然な心情。だからこの結果には、本当に嬉しくなってしまう。


「それでこの鉱石は仮の名称をMPSとしていたのですが、命名権は私に与えられたのです」


「それもすごいことですね!」


クラウスの瞳が宝石のようにキラキラしている。


「ええ、それでセシル嬢の名前を」


「待ってくださいクラウス様! これはクラウス様が発見された宝石です。私の名前をつけるなんて、恐れ多いですから!」


「そうなのですか? わたしはセシル嬢に捧げたいので、それで構わないのですが……」


それは嬉しいことだが、あくまでクラウスの功績。名前について、しばし二人で思案した結果……。


愛情を現す造語「アモリティア」で名前を申請することにした。そして宝石の説明文に「アイス皇国の第二皇子クラウスが発見し、妃セシルに捧げた愛の宝石」と加えてもらうことで話はまとまる。


「ではこれはわたしの方からGCAへ申請を提出しておきます。命名権はわたしにありますから。他の宝石と名称が被っているなどがなければ、これで決定するでしょう」


そう言ってクラウスは手紙を封筒に戻し、懐に戻したと思ったら……。

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