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完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【本編】

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9:今日の午後だ!

推しであるエドワード様からのお茶会の招待。


前世において。アクリルスタンドのエドワード様とは、何度もお茶をしている。転生後は姿絵を相手に、お茶飲んだことがある。


まさか、リアルでお茶をできるなんて……。


夢のよう。


ということでその提案を聞いた私は遂に意識を失い、カールに屋敷まで送り届けてもらうことになった。その後はマリをはじめとした優秀なメイド達の手で寝る準備が整えられ……。


そして今朝、ようやく私は目覚めた。


アーリーモーニングティーを楽しむ私のところへ、両親がやってくる。二人の兄弟は、既に仕事や学校へ向かっていた。


「セシル、まずは確認だ。体調は問題ないかね!?」


「はい、大丈夫です、お父様」


「それは何より」


そこで父親は母親と共に、マリ達メイドが用意した椅子に腰かけ、ベッドで紅茶を飲む私と向き合った。


「聞いたよ、カールから。セシル、お前は王太子様からのお茶会の招待が、気絶するほど嬉しかったのだね」


それは事実なので頷く。何せ推しから誘われたのだから!


「そんなセシルを見て、王太子様も感動なさった。お茶会へ誘ったぐらいで気絶するなんて、と。それまで冷静に会話をして、落ち着いていたから、なおのこと驚いたと」


恥ずかし過ぎて穴があったら入りたい。

推しの前で何をしているのだろう、私は……。


「感動した王太子様は、早速、お茶会に招待してくれたよ。今日の午後だ」


これには驚き、昨晩に続き、紅茶を吹き出すところだった。公爵令嬢として、そう何度も吹き出すわけにはいかない。慌てて自分を律した。


父親によると、エドワード様は私が馬車で帰るのをエントランスで見送り、そのまま筆頭公爵家のマダムに声をかけた。彼女は貴族社会における社交界の女王。王族を除き、彼女とその夫に逆らう者は皆無に等しい。


だからと言って怖い方であるかというと、その真逆で大変穏やかな貴婦人。それだけに万一怒らせたらどうなるか……というのはある。


ともかく彼女、ルイズ公爵夫人が、エドワード様のお茶会に参加することに同意した。そこに私が招待される……というのが表向き。実際は父親の予想では、良きタイミングでルイズ公爵夫人は退席し、エドワード様と私の二人でお茶を楽しめるだろうということだった。


ルイズ公爵夫人が同席するのは言わば噂対策。

婚約破棄したばかりの私が、エドワード様を狙っているのではないか。そんな噂が立たないよう、ルイズ公爵夫人が同席するわけだ。


彼女が同席しているのに、私がエドワード様狙いなどという噂を流す貴族はいないだろう。社交界で生きて行きたいのなら。


ちなみにルイズ公爵夫人の娘はまだ4歳。エドワード様の婚約者にするつもりはない。むしろ、エドワード様が結婚し、男子が誕生したら、そちらに嫁がせたいと思っている可能性はある。


ルイズ公爵夫人のことはここまでとして。

推しが私のために、迅速かつ念入りで動いてくれたことに、もう感動してしまう。


何より、こんな展開になると思わず、頭の中は午後のお茶会のことでいっぱいになりかけたが……。


あの謎の貴公子クラウスのことを思い出してしまう。


幼い少女だった頃。

顔も名前も性別も年齢も分からない相手と樹洞を通じて文通をした。羊皮紙に書かれた文字は美しく丁寧だった。そしてあの珍しい鉱石……私にとっては宝石をプレゼントしてくれた。クレヨンで描いた私の絵と交換に。


もしあれがクラウスであるならば。


いろいろと謎が深まる。どう見たって高貴な生まれなのに、いとこの伯爵家で使用人をやっていたのだろうか? でも今は再び貴公子に戻った? 謎過ぎる。


いとこに会いに行き、話を聞くことができれば……。


でもエドワード様のお茶会に行かねばならない。

きちんと身支度を整える必要もある。

伯爵家は往復の時間を考えると、ギリギリ訪問できないことはないが、リスキー。


仕方ない。

明日、いとこに会いに行こう。


謎の貴公子クラウスのことは一旦忘れ、自分がすべきことを考えようとした。


「それでセシル」


両親がまだ部屋にいることを失念していた。


「はい、何でしょうか、お父様」

「アンドリューの件だが」


それこそすっかり忘れていた。

この屋敷に来たアンドリューは、両親や兄弟からどんなもてなしを受けたのだろう?


「アンドリュー様の件。お父様におまかせしてしまいましたが、大丈夫でしたか?」


「私達にまかせたことに問題はない。しかしアンドリューはかなり粘ったぞ」


父親によると、アンドリューは自身の浮気を認めた上で「そこをなんとか」とかなり引き下がったという。


「でもカールによると、我が家へ謝罪しつつ、許してもらえなかった場合に備え、浮気相手のボニーには内緒で動いているようですよ」


「何!? そこまでの奴とは思わなかった。うぬぬぬ、もっと文句を言ってやればよかった」


父親の怒りをなんとか宥め、その後、私は午後のエドワード様のお茶会に向け、準備を行うことになった。

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