今日も美しき世の中
今日もまた始まる
なんの変わり映えのない日常
美しいと謳われる世の中が
今日も回っていく
幸せは平然と舞い降りて
絶望は必然に生まれおちる
生きとし生けるものの
感情の全てが歌になって
この街には溢れている
誰かの幸せを
歌った歌は
時に誰かの絶望を叫ぶ
美しい
ゆえにそれは
永遠じゃなく
刻々と変わり枯れゆく世界に誰かが謳う
今日もなんて美しいんだと
誰かが謳う
刻々と変わり枯れゆく世界に誰かが謳う
今日も何故こんなに醜いんだと
誰かが謳う
散りゆく美しさを
美しいと感じる
迫りゆく老いを
醜いと感じる
今日も対立する人々をいとも容易く抱き抱え
平然と回り行く世界に
綺麗な綺麗な唄を添えて
枯れゆく美しさを謳う世界に
刹那を添えて
消えゆく永遠の中で
今日も息をしていこう
消えゆく美しさの中で
美しい歌を謳おう