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また明日  作者: 蛍華 美句
1/2

~真っ白な世界~

「うん…じゃあまた明日ね」


まばゆい光に向かって手を振った。

遠い記憶。頭の片隅にうっすら輝いていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ん…」


目が覚めたら知らないところにいた。

なにもかもが真っ白な世界だった。

床も真っ白で、冷たくも、温かくもない。

空は少し霞がかってる。それでも真っ白だった。

そんな光景がずっと続いていた。


「ここ…どこだろう」


辺り一面真っ白な世界なんて、見たことない。

いつからここにいたんだろう。

そしてここはどんな所なんだろう。

しばらく考えてみたけれど、全く分からなかった。

というか、頭が上手く回らなかった。

寝ぼけているせいなのだろうか。


「ひとまず、歩こうかな」


きっと、ここに座っているだけではなにも分からない。

そう思った私は、ここを探索することにした。




本当に真っ白だな。

大して歩いていないけど、相変わらず真っ白だ。

どこを見ても、ずっと真っ白。

殺風景すぎて、自分が真っ直ぐ歩いているのか

分からなくなってくる。

それに、足がふわってしているような感覚がある。

夢でもみているのかな。そんな感じがした。

それでも、歩いている感覚はあった。

自分の勘を頼りに、真っ直ぐに歩いていった。





どのくらい歩いたんだろう…

もはや今自分が本当に歩いているのかという錯覚まで

陥ってしまいはじめたけれど、結構な時間歩いてきた気がする

まあ、結構歩いたってこの世界はなにも変わらないけど。


「夢にしては長い夢だな…」


独り言を呟きながら歩いていた

ループする夢でも見てんのかなと思った時


「あっ!」


すごく、とっっっっってもすごく遠くに

なにかいた気がする。正直、

目を凝らさないとよく見えないけど。

遠いけど、それでも光だ。

人間じゃなくてもいい、なにかが居てくれるだけで

気が変わりそうだから。

私は全速力で走った。

小4になりたての私の足じゃ、到底追いつけないけど。

でも、謎に息が切れたり疲れることはなかった。

数十分くらいでようやくついた。

そこに居たのは…


小さい男の子だった


「こ…こんにちは!あの、ここがどこだかわかる?」


「あう?」


そりゃそうだよね。こんな小さな子に聞いても

困っちゃうだけか。ざっと2~3歳の子だもん。

うーん…どうしよう。

でもこんな小さな男の子がこんなところにいるのも

だいぶ不思議。

それに妙に落ち着いてるし。

そう悩んでるときだった。


「あっ!」


男の子がなにかハッとした顔をして


「あうっ!」


急に向こう側に走り出した。


「あっちょっと」


急に走ってどこいったんだろう…

ってかあの子がどこかに行ったらまずい!

早く追いかけないと!


「ま…まって!」


私はあの子を追いかけてった。

あの子は先に言ってしまったけど、2~3歳の子にはさすがに

追いつける。案の定、すぐに追いつけた。


「捕まえたっ!」


私は男の子の手を掴んだ。

男の子はびっくりしてこっちを振り向き、止まった。

びっくりはしているけど、泣きはしなかった。

ずいぶん落ち着いてる子なんだな。


「急に掴んでごめんね…?そ、その

君がどこかに行って迷子になったら大変だから、

わ…私と一緒に歩こ?」


男の子の手を握る腕が震える。

きっと、年下の扱いに慣れてないからなのかな。

それとは裏腹に、男の子は落ち着いていて、

なんとなく理解した顔をみせて、


「うん!」


と笑ってくれた。

よかったぁ。怖がってなかった。

男の子は私の手を握り返してきた。

可愛いな。小さい子って。

扱いには未だに慣れないけど…笑

癒されていると、手を引っ張ってきて


「あうっ!」


真っ直ぐ、向こう側を指さした。




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