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妹と結婚したいので毎日愛を囁いてます

作者: 妹萌え紳士

「我が妹は寝顔も最高だな」


現在の時刻は朝5時。

朝起きた俺はさも当然のように妹の部屋に侵入していた。

そんな行動に変態じみた発言。

完全にヤバイ奴だと自覚しているが、やめるつもりはない。

なぜなら俺は.....


「やっぱり好きだなぁ」


そう、俺はこの妹のことが大好きなんだ。

もちろん家族としてではなく、一人の女性として妹に恋している。

明確な理由があるわけではないけど、長い時間を共に過ごし、少しずつ女としての魅力が増していくことに気づいてからずっと好きなのだ。

この気持ちが抑えられるわけもなく、毎日妹の部屋に侵入しては妹の寝顔を眺めている次第。

だから俺の行動を見てきもいと思った奴。

俺はただ、好きな相手の寝顔が見たくて侵入しているだけであって、決してヤバイやつではないから通報はしないでほしい。

いや、ふりとかじゃないから!まじでッ!!


「んむぅ.....」


俺の存在に気付いたのか、マイエンジェルが目を覚ましたようだ。


「おはようマイハニー。今日もまるで天使のような可愛さだね」

「ふぁぁ.....。おはようお兄ちゃん。でもね?毎朝私の部屋に無断で侵入するのはどうかと思うの」


妹の言うことはもっともだが、この日課だけはやめるわけにはいかない。


「朝お前の寝顔を見ないと、どうもやる気が出ないんだ。だから俺のためと思って大人しく侵入されてくれ」

「訳が分からないよ」


呆れたように言ってくるが、なんやかんや俺との会話を楽しそうにしてくれる。

そんなところも好きだなぁと思うのと同時に、困ったような顔が可愛すぎるのでもっと困らせたくなった。


「俺と結婚してくれたら、もっとやる気が出るんだけどなぁ」

「....!」

「どこかの妹さんが俺と結婚してくれたらなぁ」

「な、何言ってるのお兄ちゃんッ!私たち兄妹なんだし、し、したくてもできないんだよッ!?」


テンパりながら涙目でそう訴えてくる妹。

つまり結婚が許されるならしてもいいということかなと思ったが、これ以上何か言うと機嫌を損ねそうなのでやめておく。


「ごめんって。9.9割くらい本気だったけどね」

「それもうほとんどだよね?」

「そうとも言う」

「そうとしか言えないよッ!?」


こんな感じで俺たちの朝は過ぎていくのであった。





「今帰ったぞ、マイエンジェルよ」

「おかえりお兄ちゃん。あとマイエンジェルはやめてね?恥ずかしいから」


放課後になり、俺は家に帰ってきた。

どうやら妹の方が早く帰っていたみたいで俺を出迎えてくれる。

そのことがうれしくて、俺は妹に抱き着く。


「お、お兄ちゃん!?だ、だきしめてくれるのはうれしいけど、ここ玄関だから。ね?」

「おっとすまない。お前が可愛くてつい....」

「.....すぐそうやってうれしいこと言う」


かなり小さい声だったが、別に鈍感系主人公ではないのでばっちり聞こえている。

だが、俺はできる兄なのであえてスルーしておく。


「まあ立ち話もなんだから部屋行こうぜ。今日は少し冷えるからな」

「そうだね。誰かさんが恥ずかしいこと言うから私は熱いけど」


そんな嫌味を言われるが、それも俺にとってはご褒美である。

そんなことを考えながらリビングに行く。


「今日のご飯は何がいい?」


すると、妹が今日の献立について聞いてきた。

正直、妹の作るものなら何でもおいしく感じる。

しかし、ここで何でもいいって言っても、逆に妹を悩ませてしまう。

悩みに悩んだ結果、


「お前がいい」


と言って妹を赤面させたのは言うまでもないだろう。






あの後妹とご飯(卵かけごはん)を食べ、今は妹がお風呂に入っている。

俺はというと、リビングで「千里眼使えないかなぁ」と馬鹿なことを考えながら筋トレをしていた。


「197、198、199、200ゥゥゥゥッ!!」


腕立て伏せを200回やり、さすがに疲れたのでその場に倒れこむ。

毎日していることだが、未だに200回は慣れない。

まだ腕が痙攣している。


「お兄ちゃん、上がったよー」

「マイエンジェルッ!!!」


そう叫びながら、声がした方に視線を向ける。



そこには、本物の天使がいた。



程よく火照った体に、微かに水気を残した滑らかな黒髪。

肌もしっとりしていて、とても触り心地がよさそうだ。

パジャマなのか、かなりラフな格好をしているのでわずかに谷間がこんにちはしている。


「俺の妹がガチの天使だった件」

「恥ずかしいからやめてよぅ//」


無意識に発した俺の言葉に、妹は恥ずかしそうに顔をそむけた。

本当に天使みたいだから仕方ないだろうと思いながら、妹の姿を目に焼き付けておく。


「お兄ちゃんもお風呂入りなよ。筋トレしてるから汗もかいてるし」

「そうだな」


妹に入るよう言われたら断ることなどできない。

というわけでお風呂に入ることにした。

そうそう、これだけは言っとかないとな。


「妹よ。覗きたければ覗けばいいぞ。てか覗いてくださいお願いします」

「の、覗くわけないでしょバカお兄ちゃんッ!!」

「知ってるか?お前の罵倒は俺にとってご褒美なんだぜ?」

「そんな変態発言はいいから早く入ってきなさいッ!!」


というわけで俺氏、お風呂に入ってまいります。







「ふぅ、妹が入った後のお風呂は最高だったぜ」


そんな変態発言をしながら、俺は妹が待っているリビングに向かう。


「愛しのマイエンジェルよ、今戻ったぞ」


妹の隣に腰をかけながら言う。


「あ、お兄ちゃん。湯加減どうだった?」

「ああ、最高だったぞ。お前が入った後だったから余計に神がかっていた」

「さすがに引くよ、お兄ちゃん」

「お前に嫌われたその瞬間、俺はこの世にいなくなる」

「その脅し方はどうかと思うよ」


そんな言葉を交わしていると、不意に妹が俺に寄りかかってくる。


「....本当はこんなことしちゃだめなのに、こんな感情になったらいけないのに、愛を囁かれると、どうしてもお兄ちゃんのこと意識しちゃうの」

「だったら、俺みたいに素直になればいいのに」

「お兄ちゃんは素直すぎるの」


そうだろうか。

俺はただ、本当に妹のことが好きだから思ったことを口に出しているだけなのだ。

素直すぎると言われてもいまいち実感がわかない。


「お兄ちゃんは私が素直になったら、嬉しい?」

「そりゃ嬉しいに決まってるよ。自分の好きな人が好きって言ってくれるんだ。きっと幸せなことなんだろうな」


実際、妹が俺のことを好きと言ってくれてるところを想像して、幸せな気持ちになった。

別に妹に強制するわけではないが、好きと言ってくれた方が、俺としては嬉しいものだ。


「お兄ちゃんが私のこと好きと言ってくれると、胸がフワフワするの。それに体も熱くなって、幸せな気持ちになる。これって、好きってことなのかな?」

「それを決めるのは俺じゃない。自分で考えて初めてその人が好きということを実感するんだ」


キザなことを言ってるのはわかっている。

でもその人が好きという気持ちは、他人から教えてもらうのではなく、自分で気づくものだと俺は思う。

俺もそうだったしな。


「お兄ちゃんが初めてまともなこと言った気がする」

「お前は普段俺のことをなんだと思ってるんだ」

「妹のことが好きな変態さん」

「事実そうだから反論できねぇ」


俺がそう言うと、妹はクスリと笑った。

やっぱり妹には悩んでる顔は似合わない。

どんな顔の妹も好きだけど、笑ってる顔の方が一番好きだな。





そのあと、しばらく妹と談笑していると、



「お兄ちゃん。キス、する?」



突然のことで驚いたが、どうやらキスをしたいそうだ。

まさか妹の方からしたがるだなんてな。


「俺は大歓迎だ。でも、いきなりどうしたんだよ?自分からしたいだなんて」

「キスしたら自分の気持ちに気づけると思ったの。唇同士のキスって好きな人同士ですることなんでしょ?だからキスをして、自分の気持ちをはっきりさせたいの。」

「なるほどな」


納得したようなしてないような。

確かにその気持ちは嬉しい。

でもキスをして、もし俺のことが好きではないと分かったらどうしよう、と情けない気持ちが出てくる。

だけど、このまま何もしなければ、次のステップに進めないのではという気持ちもある。

なので、覚悟を決めることにした。


「いいよ」

「いいの?このことがきっかけで私たちの今後が決まっちゃうんだよ?」

「妹の頼みだしな、無碍にはできない。でも、もし嫌だったらすぐに離れるんだぞ?」

「.......分かった」


そう言うと妹は、覚悟を決めたようにこちらに顔を近づけてくる。

その顔も可愛いなぁと悠長なことを考えているが、内心俺もめちゃくちゃ緊張している。

でも、俺も男だ、覚悟も決めている。

そっと、俺も顔を近づけた。



チュッと。



そんな音が静かなリビングに響き渡る。

風呂上がりだからだろうか。

妹の方から甘くて芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。

お互いはじめてのキス。

あまりにも辿々しくて、お世辞にも上手いとは言えないキス。

それでも、これまでに感じたことのない幸福感と興奮が、全身を駆け巡った。


「…チュ…ンッ……チュ…ンハァ…チュ…チュ…」


唇をくっつけるだけのキスが、どんどん貪るようなキスになっていく。

口を開けさせ、その中を蹂躙していく。


「.......ンハァ.....レロッ.....チュッ......ハムッ......チュ.....ンンッ......」


いったい、どれだけの時が経っただろうか。

口の周りもお互いの唾液でベトベトになり、口の中の唾液を交換したのではないかと思うくらい長い時間キスをしていた気がする。


一度唇を離す。

妹の顔は蕩けきっており、おそらく俺もそうだろう。

愛おしすぎて、つい抱きしめてしまう。

妹は嫌な顔一つせず、俺に体を預けてくれた。





「詩乃、大好きだ」





「私も、大好きだよ。翔」





そして、俺たちは再び唇を重ねた。














ここまで読んでいただきありがとうございます。


楽しめましたでしょうか?


今後も何卒よろしくお願いします。

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