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美少女神を助けた勇者だけど、感謝してもらえない件〜実は絆されてた

作者: 夜に咲くZero
掲載日:2021/06/04

「あら、いいですね」


白髪の、造物主の使いであると宣言した天使の羽がある少女が言った。


「良くない!というか俺は彼女がいないんじゃなくて、作らないだけだ!」


黒髪の、剣を持った日本人顔の青年が言った。   よく見れば服の上からでも鍛えられているという体つきがわかる。


「チェリー君は大抵そう言いますよ。」


「だーかーらー!」


「…いいかげん帰って。

私の時間…奪ってること忘れてる?」


銀髪に黒色の瞳の美しい少女が無表情の中にも、冷たいものを感じる声を出す。服はいわゆるゴスロリだ。


「とにかく、その造物主ってやつは如何やったら倒せるんだよ!」



「ムリよ。だから早く帰って」


「お前の話だろ!」


「私のことは気にしなくていい。それよりも造物主様の機嫌を損ねるほうがまずい。天使でさえ言っていたのに」


「天使じゃなくて、リリアンナと言ってるじゃないですか〜ぷんぷん!」


「そんなに造物主って、強いのか?」


「無視ですか!!」


「強い。勝てる可能性は本気を出されたらまずあり得ない。そして、造物主様は殺せない。そもそも、何で私を助けようとする?殴ったらすぐ帰るって言ってなかった?」


「えぇ〜!女の子のフィール様を殴ったんですか!?」


「あぁ!もうお前は喋るな、色々ややこしくなる!」


「もぉー!10分だけ絶交してやります!」


「そもそも、なんで天使なんかがやって来るんだよ。そんなに強いんなら監視役なんていらないだろ?」


「それは、貴方が道を外れないため」


「道を外れないため?何だよそれ」


「造物主様の暇つぶしを手伝うこと。」


「暇つぶし?どういう事だよ」


「そのままの意味、造物主様は暇を持て余している。」


「じゃあ、俺を不遇に転生させたのも暇つぶしのためにってか!?」


「そう」


「…っクソ!………で、道を外れないようにってのは結局何なんだ?」


「自分好みの物語に矯正するため」


「趣味が悪いな」


「貴方は、このまま下界に戻ればいい。それが一番安全だから」


「嫌だね」


「なぜ?」


「苦しんでる女の子を見捨てるなんて俺には出来ねぇ、例えそれが神だろうがな。」


「私が苦しんでる?」


「ああ、辛いんだろ?神である事が。」


「…そうかもしれない、でも、

何度も言うようだけどあなたには関係ない。」



ピピピーーー!


「十分経ちましたー!」


天使は手にタイマーを持っていた。


「別に構いませんよ。好きな様にすれば。本当にこの展開が嫌なら、造物主様はすぐにでも思考誘導をしています。それがないというのはつまり、オッケーっと言う意味です。ドヤぁ…」


「じゃ、そういうことで。」


「…本当に仕事をしないと駄目だから、出ていって」














「追い出されたな」


「そうですね。ちなみにここは?」


「見ての通り」


「聖女様のお部屋ですか…」


部屋には沢山のプレゼントが並べてあり、開けられてない物には聖女様へと書かれてあった。


「あの…ユウト様、そちらの方は?」


青い髪に金色の瞳の美しい少女が言った。


「あー…リリアンナだ。」


「どうもリリアンナです。

ユウトくんの恋人候補でーす!」


「な、何でだよ!!」


「だってユウトくん恋人いないでしょ?なら、お姉さんが成ってあげようと思って。」


「というか敬語どうした!?」


「やだなぁ〜恋人がそんな口調じゃ変でしょ!」


「では、私はそろそろお暇します。」


聖女は暗い顔で言った。


「いろいろすいません、聖女様」


私も、名前で読んで欲しかった。なんて言ったら図々しいかな?聖女はそう思いながらも部屋を出たあとは、凛々しい表情で民間人の治癒へ向かった。


「はぁ…」


「溜息ついちゃあ、幸運が逃げちゃいますよ?」


「お前の存在自体が、幸運を逃してるんだ。」


「ひ、酷いのです!うう…」


「っお、おい泣くなよ。」


「わ、私なんていらないんでしょ!!

どうせ私はどこでも厄介者、前に合った勇者様だって私のこと、嫌ってた……私、わた…し…ぷふふッ…クスクス…ぷふふッ!あははっ!騙さた!流石生粋のチェリー君ですね!」


「チェリー君は関係ないだろ!こっちは真剣に考えてたのに、こいつぅうゔ!」


ユウトは両手の人差し指の第二関節を天使のこめかみにグリクリする。


「いた!いたたた!痛いです!あっっ頭もげるからぁああー!!」


「天使なら大丈夫だ。」


「えっ確信してる!?というか天使にこんなことする人間なんて、初めてじゃないですか!?」


「ああ、この調子で初めて造物主を倒してやるよ」


「…流石に無理ですよ、ユウトでも」


調子に乗った感じから一転し、暗い声で言う。


「造物主には勝てないってか?」


「はい。造物主様はこの世界の法則、それこそ、本当に勝ちたいなら、勝手に勝った!って自己満足しないといけない、それくらいの次元ですから」


「なら、そうしよう。」


「へ?」


「俺がしたいのは、フィールをあの辛い仕事から開放すること。何も物理的に勝たなくていい。むしろそんなに暇なら快く代わってくれるかもしれないだろ?」


「……バカじゃなかったんですか」


「俺を一体何だとと思ってたんだ!!」


「魔王倒して調子に乗ってるバカ勇者ですね」


「うぬぬっ……あながち調子に乗ってたことは否定できん」


「ぷふふッあはは!!案外、造物主様はユウトに負けるかもしれませんね。」


「だろ?…ところで、造物主って、どこにいるんだ?」


「さあ?」


「さあ?って、お前…」


勇者は天使がふざけたのかと思い、睨む。


「だって、本当にわかんないんですよ!

造物主様か、どうかは分かりますけど、造物主様は常に世界のどこかに移動してるから、造物主様から呼び出すならまだしも、こっちから呼び出すことは出来ないんです」


「じゃあ、如何すんだよ?」


「方法は3つあります。


一つ目、冒険しながら注目を集めて向こうから接触してくるのを待つこと。

これは可能性が最も低いですね


2つ目、どうにか鉢合わせるために移動すること。これは運が良ければ会えます。

一番可能性では高いですね。

でも、一番危険性も高いです。


3つ目、お供え物をする。

たまにとても良いものを献上すると降臨するので、一番可能性は低い分、安全ではあります。」


「なら、2つ目だ。」


「でも、危険ですよ」


「今までだって十分危険だったさ。俺なら大丈夫。」


「なら………














私を守ってください、戦えないので。」


「…マジで?」


「マジです!」


勇者は項垂れた、未来の苦労米に浮かぶようだった。














勇者は旅をした。あるときは猿の星、あるときは毒ガスの星、またあるときは恐竜の星…





そして、とある世界に行ったときだった。


「よし!毒ガスなし!猿も恐竜もいない!そして、人がいる!っいよっしゃぁああー!!当たりだぁああー!」


「ユウト、注目されてますよ」


「そんなの構ってられっか!」


「?…あっ造物主様が居ます!!」

 

「マジか!何処だよ!絶対とっちめて殺る!」


「そこの茶髪の少年です!」

 

「おとなしくお縄につけやぁあー!」


「っうわぁあー!!」


大人しそうな12歳くらいの少年ほ無事捕まった。


「ぼ、僕が一体何したっていうんだ!」


「如何したもこうしたもねぇよ!さっさとフィールと仕事変われやっ!!」


「…もしかして、貴方転生者ですか?」


「っは、はぁあ!?そ、そんなわけ、無いだろぉお?」


「あー…そういうパターンですか」


「どういう事だよ?」


「造物主様は記憶に制限をかけています。そうして遊んでるのはよく見てたので…でも、今回がその時なんて、なんて運が無いんですか!」


「な、なぁ、そろそろ縄を解いてくれないか?」


「「やだ!」」


「はぁあ!?なんでだよ!」


「急に記憶が戻るかもだろ!」


「…ったく。参ったなあ…」


少年は目を瞑ってそういった途端、空間が変わった。あたりは真っ黒に…いや、宇宙空間になった。ちなみに、勇者や天使は呼吸しなくても大丈夫なよう、造物主を探す間に成長していた。


「あぁ~あ。フィールだっけ?如何でもいいよそんなの…」


先ほどまでは無かった、逆らいがたい威圧感がある。

 

「如何でもよくなんか、ないだろ…フィールは…苦しんでる…」


勇者は、苦しそうな表情で言う。

立っているのもやっとのことなのは、天使がなんとか立っている事からも分かる。


「ふ〜ん。まあ、いいけど。

それならまとめて処理しちゃおう。」


「いいのか?それで。」


「なんで?」


「神の目の前までたどり着いたやつなんて………

いない、だろう?」


勇者は神が珍しい物や新しいものをコレクションする趣味を持っていることを天使から聞いていた。



「まさか僕と交渉するつもりかい?」


「ああ…」


「ふふっ、確かにここまで辿りたいてきた奴なんていなかった。そうだね、そう考えてみると、面白い。良いだろう。君がフィールの苦痛を肩代わりすなら、君の提案を受け入れよう。フィールは、そうだね。人間に降格させようか、そうしよう。」


「…わかった、それでいい。」


「ユ、ウト…」


「おや、いたのかい。そうだね、君はこの勇者の補佐天使となればいい。それじゃあ、機会があればまた会おう……後輩君」














「ウォおおー!!オオォォォ!フォおおー!」


「っうるさぁああーい!!」


「っうわぁあー!な、何だよリリアンナ!?って、あ゛っまずい!オオォォォ!フォおおー!」


「はぁー…」


リリアンナはため息をつく。かれこれユウトが神になってから数百年。毎日のように聞こえる奇声に飽き飽きとしていた。一向に降格されたフィール様の転生体も見つからず、私は憂鬱だった。まぁ、ユウト様のほうが大量の仕事のせいで憂鬱かもしれないが…フィール様に帰ってきて欲しい。私はこのところずっとそう考えていた。フィール様ならこの大量の仕事も何も言わずに、そつなくしてくれるのに…


「はぁあ…」


私はもう一度ため息をついた。仕事がひと段落するまでは天使の役目として離れることはできないのだ。ミスしない様に見る必要も。


「あっ!ユウト様、それ違いますよ!その人若いんだから誤魔化せませんよ!」


「まじかよー!!うわァああー!!仕事がぁああー!!」


「うるさぁああーいっ!」


「お前こそ、うっっせ゛ぇえええーー!!」


「あ、今うざいって言いましたね?うざいって言ってきました!こんなか弱くて可愛い天使にうざいって!」


「マジでしばらくだまっとけ!こっちはほぼ、ノイローゼなんだよぉ!」


「むうっ!んんんっ!!ムーんっ!」


天使の口には、赤ペンでバツと書かれたガムテープが貼られた。神の力で貼られたものなので神自身以外が外すことは難しい。天使はしばらく除けようと奮闘したが、やがて諦めてしまった。














「…どこだ?」


「あーくそっ…何でこうなるんだよ」


「…。」


ここからそうは離れない位置に、日本人顔の憂鬱そうな男と、翼の生えた天使のようなきれいな女の子が何故か口にバツと書かれたガムテープをつけていた。あぁ…また何かの召喚に巻き込まれたとか?それなら、軽く〆てやらないと…と、黒髪赤目の少年は思った。


「なあ、呼び出しておいて相手にしないって、

どういう事だよ」


「ああ゛っ!こっちはこっちで手一杯なんだよ!」


僕は聖剣に手を伸ばす。こいつを切ることにした。神なら生命力はゴキブリ並みだから、このくらいは大丈夫だ。


「おりゃあ!」


振りかぶる直前、関係ないとばかりに無視していた天使がこちらの動作を阻止してきた。この天使、強いな…ついでに可愛い、でもガムテープのせいで残念臭が漂う。


「ムー…」


天使が睨んでくる。


「なぁ、僕は如何なるの?」


天使が片手を掴んできた。悪意や敵意は感じないため、途端に反応し遅れた。


手のひらを、すー、すー、と指でなぞってくる。

それは、


て ん せ い 


となっていた。次に


ご め ん


とも。つまり、誤って殺してしまった?

もしくは、それに近い状況ってわけか、とにかく突然拉致された事には変わりない…こいつら…絶対一発入れてやる。そう思ったら天使が、飛び退いて距離を取った。思考がバレてる?

いや、そんな天使は今までいなかったから、感が良いだけか。



「お前…どこ行きたい?転生なら…

産まれも配慮できる。好きなところを言うといい…元の世界に戻るのは、できない、が…パラレルワールド、とかなら、大丈夫だ…それなら、転移でもいける。お前は、こちらが死なせて、しまった。可能な限り、配慮する…」


どうやら、問答無用な神とは違うらしい。

とはいえ、もうチートほコリゴリだ。

なら、地球に近いパラレルワールドがいいと、

僕は思った。


「できるだけ、地球に近いパラレルワールドがいい。平穏に生きれればな。あと、一回殴らせろ」


「あー…」


神は目を瞑って、何かに集中していたが、こちらを背中越しに、振り返る。


「んー…お前、俺の補佐神になれ。なったら、お前の思うとおりに…殴らせて、やれる。俺もな、一回殴ろうとしたんだ…人間のとき…でも、手応えがなかった…同じ神なら、十分に殴れる。」


「は?」


混乱したまま、僕のは意識を失う直前思った。


ーなんて厄日だ!














「はぁあ…終わった…」


補佐神は大の字に寝転がる。


「ああ、ありがとう。お前は俺の救世主だよ。」


「そもそも、僕は神になる承諾はした覚えが無いんだが…」


「あー…すまっ、ゴフォッー!!」


「はぁ、はぁ…一発入った。」


僕は手を握りしめる、かなり痛いが…あとは、天使だけだ。


「ムムー!!」


「まてぇえー!!」


「ムムー!!」


「まてぇえー!!」


「ほぉーらっ、いけ!」


ユウトはそう言うと、補佐神は消えてた。

ついでに、天使のガムテープも一緒に消えた。


「ぷはぁあー!こんなか弱い美少女にずっとガムテープで放置プレイして切りかかるなんて酷すぎますよ!」


「あぁすまん、すまん。切りかかるはしてないが…でもまぁ、これで数千年は仕事が無くなるな。」


「そんなに片付けたんですか?」


「見てなかったのか?一応補佐天使だろうに。」


「というか、あの男返しても良かったんですか?神としての力の鱗片はくっついちゃってますよ」


「いいんじゃないか?餞別だよ、餞別」


「でも、平穏に暮らしたいって言ってましたよね」


「…きっと、方便だ」


「そうですかねぇ、恨まれないといいですけど。」


「ああっ!よし、フィールに会いに行くぞ!」


「ついに見つけたんですね!」


「…ああ、でも記憶はないだろうがな。

もう、何度も転生を繰り返している」


「確かに、そうですね。

まさか過去を変えるわけにもいきませんし。」


「…いや、それなら補佐神がいたら修正が出来そうだ。」


「ユウト様…」


「は、はははっ……………………














あいつをまた補佐神にしよう」


「ユウト様、ほんっっとうに!自分勝手な性格になりましたね。」


「まあ、神だからな」


「まあ、私は反対しません。天使ですから」





「はははっ」


「ふふふっ」


「ふふふっじゃねえよ!

転生させてからわざわざ呼び戻しやがって!」


「っす、すみません!!」


「す、すまない!」


「土下座」


「「ははー!」」


「切らせろ。」


「「へ?」」


僕は転生前と同じ姿で、聖剣をクソな奴らに向けた。


「ま、まじかよ。逃げるが勝だ!」


「ま、待ってくださいよ!」


「つ、ついてくるな!二手に別れろ!」


「嫌です!ユウト様のせいでしょ!

どうせ殺られるなら道連れです!」


「元後いえば、お前が補佐の癖によく見てなかったからだろ!」


「酷い!私のせいにしないで下さい!」


「切らせろぉおおー!!」


「「ギヤー!!」」












ーそれから数分後



「「おねがいいたしますぅ…神様ぁあー!!」」


「っち、しょうがねぇなぁあ!」


「本当か!」


「やった!これでフィール様にまた会える!」


「ただし!条件がある」


「「何なりと!」」


「そのフィールって人が見つかったら、

補佐神をさせろ。そして、俺を転生させて、もう二度と関わるな。」


(あれ?力につにいてはまだ気づいていないんですかね?)


(ああ、おそらくな。転生させてすぐ引き上げたのもあるし、記憶が戻るまでブランクが発生するから、力を使えるのはそれからだ。)


(なるほど…)


「何コソコソ喋ってんだ!」


「「ははー!仰せのままに!」」


「だったら、早く行くぞ!」


「「ははー!」」














「んで、フィールって人はどんな人なんだよ?」


「位置はわかるんですが、転生体の人となりとなると不確定なところが多くて…それに、神界、あの真っ白な空間じゃないと、思うように情報が集められないんです。本来なら、下調べする予定だったんですが…」


「俺のせいか…まあ、場所は分るんだろ?」


「はい!もちろんです!」


一度神になった者はその身に神の力を宿しますから…とは言えなかった。


「これで最後の大仕事が終わるのか…

これからは好きな時間に寝て、起きて、食事だって、あの空間の模様替えだって出来るのかぁああ………夢が広がるなぁあ…」


ユウトはとても浮かれた顔をしていた。



「ここです」


「占い屋?」


「みたいだな」


天使、補佐神、ユウトの順で話す。


「というか、何で分るんだ?」


ユウトが聞く。


「それはですねーーーーー









ジャジャーン!捜し人探知機ぃいー!!」


某、猫型ロボットを思わせる声で、天使は言った。


「これは、捜し人の情報を入力すると、

自動で探してくれるんです!便利でしょ!?」


そう言って、変哲もないコンパスを見せる。


「これは特別仕様で、どんな人でもコンパスを気にする事がないんです!この赤い針の指す方向に行けば会えるんですよ!」


「早く入ろう」


コンパスの特別効果の説明を店の周りをグルグルして思い出す天使に知らずに付いて行った神と補佐神は非常に恥ずかしかったのだ。


「ですね!」


「だな」




何だか、嫌な予感がするなぁ、と思うユウトであったが、その予感は当たっていた。




「いらっしゃい、何を占いますか?それとも、お薬のご注文?」


フードを被った少女らしき人物が言う。らしき、というのは声が中性的で、性別がわかりにくいからだ。フードもダブついているため、体型がわかりにくい。


「この人が、フィール?」


「…いや、違うと思います。」


「ああ、多分だが、奥にいると思う。」


「あの…お客さん?」


「すみません、このお店はあなた一人ですか?」


「いえ、これはレーベ先生のお店ですから。」


「レーベ先生という人は、この奥に?」


「はい。そうですね」


「会わせていただいても?」


「構いませんが、その…レーベ先生は個性的な人なので…」



「「お願いします。」」


神と天使は深く頭を下げる。補佐神だけは、軽く下げただけだが。


「あ、いえいえ、そんな…ちょっと呼んできます!」














「あら?いい男たちねぇ…特に、黒目のお兄さん。」


「お、俺?」


ユウトは顔色が悪い。


「そうそう、あたしを呼び出したって事は

…そういうこと?」


大男は女性物のドレスを着てウィンクする。



「いえいえ、滅相もない!」


ユウトはさらに顔を青くする。


「あら…残念ね」


「じゃあ、連れて帰りましょうか。

身代わりをおいていく準備は出来ていないので、残念ですが、初めからいなかったことにしておきましょう」


「まじで連れて帰るのかよ!」



その瞬間、真っ白い光に世界中が包まれた。















「そうなのね、私がいない間にそんなことが…」


「な、なぁ…何で姿が変わらないんだ?」


「この姿で神としての連れてきたものですから…

定着してしまったのかも、しれません」


可怪しいなぁ、一度神になったものの姿は殆ど変わらない筈なのに、と天使は思った。



「まじかよ!」


「そんなにあたしのことが嫌い?寂しいわ…」


「うぅ…記憶は戻ってるのに!ああ!フィール、

すまん!俺には、その姿は無理だぁああー!!」


ユウトは逃げた。





「おい、流石に酷くないか?」


補佐神は言った。


「だ、だって…」


「天使に話は聞いたけど……勝手に助けようとして、その上勝手に連れてきて…お前何様だよ!!」


「神様だよぉおおー!って、痛っってぇええーー!!」


補佐神はユートを殴った。


「勝手に連れて来られた、フィールさんの心の方が痛いだろぉおおー!!」


「…それは」


「一度助けると決めたやつを、姿がが変わっただけで、知らんぷりすんのかよ!見損なったぞ!」


「そ、そんなわけ…そんなわけあるか!

お、俺は…俺は、フィールを助けたかったんだ!

一人で苦しんでたフィールを!!」


「なら、手前勝手に突き合わせた詫びをしてこい!!」


「っああっ!!ありがとう!」


いつからか、神になった俺は身勝手に自分の欲求を他者に押しつけるようになっていた。でも、それでも以前の俺はそれを理解して、相手に寄り添い接していた。それがどうだ今は!?自分の都合しか考えないで、行動している今の俺は!?こんなの、こんなのっ、あのクソッタレの造物主と同レベルじゃねぇかぁああーー!!


「フィール、すまなかった!俺が悪かった!!
















…………あれ?」


「なに?」


フィールが聞いてくる。


「神の姿は決して変わらないんですよ?

可笑しいと思ったんです。舐められないよう魔導具を使ってたらしいですよ」


「フィールが…ちっちゃい。」 


そこには、12歳ほどのフィールの姿があった。



こうして、フィールは俺を手伝う補佐神に、

元補佐神は無事に転生した。



ーめでたし、めでたし














「おいっ!何だよこの力!!」


元補佐神が、転生してそんなことを言った事があったとか、無かったとか…



                  ーEND

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