全ては渋谷から始まった!!
ってことで、一話目投下―!!
そろそろ目を覚ましなさい。
皆待ってるでしょ!!
あ、ちょっとお待ちくださいねー!
この子、寝るのが趣味みたいな所あるので―wwww
はよ起きぃ!何時やと思っとるの!学校遅刻するわよおお!
あれ?なんで?なんで?おんし、そんなところで突っ立ってんの?(どういう状況!?)
僕は一人、見知らぬ街で立ち尽くしていた
見たことの無い大きな建物(え、これ、建物なの?)
大勢の人は僕に目をくれることも無く、必死に板のような物を見つめてる(なんか光ってるし)
馬ではなく、鉄の塊(?)が行き交い(ぶおおおんとか言うコワイ。)
皆、赤と緑にチカチカ光るものに従って止まったり歩き出したりしてる(なんかすごい)
情報量が多すぎて頭が破裂しそうだ。
僕は立ち上がる。
そして初めて今自分の服装を見た。
ボロボロの軍服。
血が付いてるし、所々破けていて泥まみれだ。
季節は春なのだろうか。鼻がムズムズするし、目が痒い。
取り合えず、歩こう。そうしたら何かが分かる気がした。
僕は人の波に流されるがまま歩き出した。
心無しか、空気が汚い気がする。
フラフラと白と黒のシマシマ模様の道を歩き出した。
上を見ればチカチカと大音量の音声と共に流れる何か不思議な景色があった。
人々の身なりに少し不思議な気持ちを抱いていると、一人の少年が目に入った。
彼は、周りの人とは変わらないように見えたが、何か懐かしい思いが溢れる、
それに、彼の身なりは特別整っているように見えた。
彼は、人の波に逆らうようにずっとその場に立ち尽くしていた。
(・・・なんだぁ?)
不思議に思っていると、少年と目が合う
僕は思わず足を止めてしまった。
「わぁっ!」
突然、後ろから人に押され倒れそうになる。
(人ごみは・・・嫌いだ・・・)
そう思い、目をつむったその瞬間。
誰かが手を掴む感触があった。
(助かった・・・)
目を開けると、そこには、あの少年が居た。
「駄目だよ。ちゃんと人の波に従いな」
(いや、道のど真ん中で止まってたのはアンタだろ。)
心の中でツッコミながらも僕は少年に引っ張られながら歩く。
(何処に連れて行かれるんだろう。)
なかなか手を放してもらえない。
「えっと・・・貴方は・・・誰ですか?」
口を突いて出た言葉に、少年はピタリと動きを止めた。
「え・・・?」
少年は、驚きながらも僕の顔を見る。
「俺の事・・・忘れちゃった?」
(忘れちゃった・・・?)
急いで記憶の中を探るも、脳が記憶を拒絶しているかのように、何も思い出せない。
僕は初めて少年の顔をしっかりと見た。
色白の肌に、クリクリの緑色の目と元気に白い歯を見せて笑う大きな口、綺麗に整えられ、後ろでチョコンと結んでいる緑色の髪
(んん・・・そもそも、緑色の目と緑色の髪の人物なんて、生まれて初めて見た気がするぞ)
「ごめん、記憶が無いんだ。」
僕は俯く。
少年は笑って
「そっか、そうだよね。」
って、寂しそうに小さく呟いた。
でも、直ぐに笑顔になって僕の腕を引いた。
「でも、やっと見つけたんだ!おいでよ、君の行くべき場所教えてあげる。」
(うん?やっと見つけた?僕の行くべき場所?)
色々引っかかるが、取り合えず付いて行くことにした。
着いたのは、
独特な形の大きな建物だった。
建物の入り口には「誠」の紋章と、「東京都守護渋谷区本町屯所」と書かれていた。
(・・・誠・・・もしかして・・・)
僕の胸が高鳴った。
「驚いた?新選組の屯所だよ!」
「新選組・・・」
心臓がうるさくなる。
「お帰り。相棒!」
少年は明るく笑った。
その笑顔と、少年の後ろの誠の文字・・・・
(あの、無邪気な性格・・・僕の事を・・・相棒って言った・・・もしかして・・・こいつは・・・)
「お、沖田?沖田なのか?」
少年は笑った、あの時と同じ笑顔で
「なぁ、蓮ー。今日もサボる気無い?」
真夏の縁側、僕の隣でダルそうに寝転がる沖田総司。
「あるー。見回りとかめんどい。眠いしー。暑いしー」
でも、今日サボったら流石に怒られる・・・
「じゃぁ、見回りのフリして甘味処巡りしねー?」
お、それなら
「行くわー・・・おい。起きろ、踏むぞ。」
セミの声がうるさい夏。
「・・・いやいやいやいや・・・僕の記憶上新選組もう解散したでしょ・・・。僕の記憶は・・・あー・・・なんだろ。頭が思い出すことを拒絶している。少なくとも僕はあの時死んだ。うん。それは確かでしょ。え、じゃぁなんで生きてるか?それは此処が天国だからでしょ。ああ!そうだ。ここは天国だ!」
「蓮、何言ってんの。ここは天国じゃないよ、まぁでも、蓮の知ってる時代でもない。」
沖田の言葉で我に返る僕。
「時代?おい、時代ってなんだよ。」
沖田はぺろりと舌を出す。
「はい、ここがオフィスね。」
なに?おふぃす?ナニソレ
沖田が指さした向こうには、机と椅子と機械(?)が沢山置いてある。
「見ての通り、ここは俺らの実際に生きてた時代の遥か向こうの未来。」
み、未来だと!?
まぁ、そうだ。
そうしたら、全て説明がつくかもしれぬ。
鉄の塊といい、まるで異世界のような光景。
それに、沖田の顔に付いてるソレもね。
「ああ、これ?伊達眼鏡?」
だて?まさむね?
「伊達眼鏡!!!レンズの入ってないおしゃれ用の眼鏡!」
ちょっとなにいってるかわかんない。
「・・・。次、蓮の部屋案内するね。」
・・・ちょっと待て。
「此処が新選組だというのなら、近藤さんは?副長は?皆は?」
沖田は何処からともなく光る板を取り出した。
「あー、まだ帰ってこないねー。サプライズにするか。取り合えず蓮の部屋案内するから来て。」
「わぁぁ。なにこれ。綺麗」
僕の部屋は見たことの無いもので溢れていた。
「この部屋にある物全部蓮のね、これ、スマホ。スマホ無いと話にならないから。あ、使い方は源ちゃんに聞いてね」
沖田から板(※スマホです)を受け取る
「電源のつけ方ぐらいは教える。ここ押せばいいんだよ!」
僕は、ポチっと電源を付ける。
すると、光った。
「・・・なんか・・・目が痛いんだけど・・・」
僕が苦情を言うと
「そう言うもんさ」
と、沖田は笑った。
そして、僕に服を差し出した。
「これ、制服。そこに更衣室あるでしょ。着替えておいで。」
僕は、言われたまま更衣室に入った。
更衣室に入ると、さっそく全身を写せる鏡が待ち構えて居た・・・
って・・・あり?
ここに来て初めて自分の顔を見たんだけど・・・
「ぎゃあああああああああああああああああ!!」
僕は思わず沖田に抱き着いた。
「ね、ね、僕の髪が!青い!なんで!」
沖田は僕の髪をいじりながら
「あー、そうだよ。気づかなかったの?www」
って笑ってきた。ムカつくな。
「史人は皆髪色がお洒落なんだー☆」
史人・・・?
「まぁ、とりま、早く着替えて来て!!皆帰ってきちゃう!!」
更衣室を出ると、沖田は「おおー!」と歓声を漏らした
「いいじゃんいいじゃん!キマッてるねぇぇ!」
嬉しそうにする沖田と・・・えっと・・・隣の薄緑髪で短髪の大男は・・・
「蓮、久しぶりだな。」
その喋り声、思わず「お父さん!」と呼びたくなるその優しいまなざしは・・・!
「近藤さん!!!」
「蓮、無事で何よりだ。」
ええ!変わりすぎて分かんない!未来ってコワイ!
「蓮、まだ何も知らないんだな?」
うん。ここが未来だということぐらいしか・・・
近藤さんは僕を椅子に座らせ、口を開いた
「今から長い話をするぞ」
時をさかのぼる事202?人類は過去の人物を現代に蘇らせる技術を手に入れた。
詳細は俺らも知らない。
だけれど、一つだけ確かな事は。
過去から呼び出した人物達、いわゆる「史人」は、どんなウィルスにも、どんな環境にも耐えられるという実験結果が出ている。
政府はそれを聞き、大変な状況下、何が起こるかもわからない中、普通の人間が国の為に尽くす時代は終わったと表明した。
総理大臣は史人に総理の座を譲り、その上に女王を立て、新しい政策を行い、新しい元号を定めた
「大江戸時代」と。
現代人はとことん怠けたがりだ。
政治を史人に任せ、店や商売だけをやった。
そのうち、国の治安も悪くなってきた。
俺らは所詮ロボットのようにしか扱われていない。
そのうち、何か大きなことが起こりうるやもしれない。
俺たちは警察庁から引き継がれた「東京守護」というお役目に付き、新選組を再結成した
というわけだ。
「難しい話だ。この時代で生きていく内にだんだん理解できるさ。」
近藤さんは立ち上がった。
沖田は笑う
「食堂行こう、皆が待ってる。」
僕は頷いた。
未来・・・か・・・
慣れない世界にブチ込まれたが、新選組の皆と暮らせるのならそれでいいだろう。
「全てはここから始まるのか。」
机の上に置いてある紙に書かれた「渋谷」の文字。
大江戸時代。再び新選組が駆け抜ける。!
ってことで!やーっと再会できたし、記憶もちょっと戻ってきたね!
おめでとう!
現代楽しんで!!
あり、沖田くんとオデェトするの?蓮ちゃん?
相変わらず仲いいねぇ。
次回!
蓮と沖田のお買い物!!