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平和勅語

作者: 山野佐月

平和勅語




日本国民の皆さま、此度の平和勅語推進活動にご協力いただき、ありがとうございます……ありがとうございます……

平和勅語は全国民の皆さまに共通して知っておいてもらいたい、非常に素晴らしい考えでございます……ございます……

ぜひ皆さま、ご一読ください……ください……


「あれが今はやりの平和勅語か。どれ、無料配布してるし、いっちょ読んでみるとするか」






はじめに


皆さんは、日常生活の中で、友達や家族と考え方の違いによって、喧嘩をしてしまったりしたことはありませんか。それはとても悲しいことですね。


しかし、全ての人間が納得することも、中にはあります。この平和勅語では、そういった、普段忘れてしまいそうな大切なことに触れて行きます。


全国民の力を合わせて世の中を平和にするための、一つのきっかけになれば幸いです。






平和勅語


日本国民は下記の三条を守ること。



一つ。『人は人を殺してはならない』。

命とは尊き物であり、奪ってはならない。何故なら人は、生まれながらに人権を持つためである。

自らの命を絶つことも許されない。

貴き命に対する侮辱の行為にあたる為である。


一つ。『人の嫌がることをしてはならない』。

人には安心と安全の下に暮らす権利があり、如何なるものもそれを阻害してはならない。これは憲法・法律にも記されてある事柄である。


一つ。『人は皆平等でなければならない』。

特定の人物だけが損を被ったり、もしくは周りに迷惑をかけてまで得をすることはよろしい事ではない。












それでは、平和勅語の問題性について簡潔にまとめたいと思います。違和感を覚えた人もスッキリしてもらえるはずです。



そもそも勅語というのは、偉い人が上から言ってくる言葉のことです。つまり命令と同じなんです。

書かれている内容がたとえ万人が納得するものであっても、それじゃあダメですよね。


そして勅語などという物が登場するのは、国のお偉いさんが『来たるべき時』に備えて国民の思想を統一しようとしている証拠なのです。思想を統一するというのはつまり、洗脳教育のことですね。


さらにこれの怖いところは、いくら常識的なことが書かれていても、文章は拡大解釈出来てしまう、というところにあります。


内容を見ていきましょう。

『みんなが納得する内容』というのは、かなりアバウトな物になるというのはお分かりになりましたよね。

しかし本来はそれでいいんです。

みんなが納得する事とは、ここでは人の良心のことです。しかし人によって、許せるラインが違ったりしますよね。だから凄く基本的なことしか言えない。

それはいいんです。


しかしどうでしょう。

もし平和勅語が日本のスタンダードになったら?

本来は人の良心をそのまま写したような文章でも、違和感を覚える人が出てきますよね。

QoLはどうなるんだとか、

死刑制度はどうなんだとか。

それは、本来はそれで構わないのです。議論して、妥協点を見つけることが大切なのです。


なのに、平和勅語のような絶対的規律があると、それに文句があるように捉えられてしまう。そして社会のコミュニティから弾き出されてしまうことになるんです。

「『平和』が気に入らないなら日本から出て行けこの非国民め」という風にね。


そしてそもそも、それは誰が考えた文章なんだ……という話になりますよね。

文章に従ってばかりいると、いつかそれを考えた人に逆らえなくなるので気をつけましょう。


さて、平和勅語の危険さは分かっていただけましたでしょうか。こういう物が出てきたら、戦争が起こるサインです。皆さん、気をつけましょうね。

ボンヤリしてると徴兵されて、爆薬をトラックで運ばされて、それを狙い撃ちにされて死ぬことになりますよ。

そんなに惨めな死に方、あります?

嫌でしょ。

なら、平和は自分の心で決めるのです。

本や新聞を読んで勉強して決めるのです。

良い時代にしようじゃないですか。

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