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少女との出会い

「綺麗なもんだな…」

 そう呟きながら、少年は海沿いの丘を歩いて行く。

 年は、高校生くらいの少年は今さっき〃綺麗なもんだな〃と言った海を、見る瞳は余りにも無関心に見える。

 少年が、目指している先はこの海沿いの丘にある通称、猫屋敷である。

 そこの猫屋敷の主は、少年の叔母さんに当たる人で今度、家を大掃除するらしく、一人暮らしの

 叔母さんには辛いものがあり。

 それで、元々仲の良かった母が夏休みを利用して少年を手伝いに寄こしたのだった。

 海沿いを歩きながら、目的地に向かっていると、少年は絶句した。

 恐らく猫屋敷であろう家が見えてきた、しかし、そこに立っていたのは良くわからない植物に覆われた一軒家だった。

 少年は、恐る恐る扉の前までやって来ると、インターフォンらしき物が見当たらなかったので扉を叩く。

「コンコンコン」

 ガチャリと扉が開くと、そこには大柄の筋肉質な女性が立っていた。

「いらっしゃい!!君が姉さんの息子の木ノ島零(きのしまれい)君だね、私は西沢里美(にしざわさとみ)さあ入って入って」

 そう言うと、里美は零に有無を言わせず家へと招き入れた。


 中へ入ると、外観とは違いとても広々とした清潔感のある家だった。

 玄関からすぐの部屋は、ダイニングキッチンにオープンテラスがくっ付いているて、広々としていた。

 オープンテラスには、外観を覆っていた植物が育ててあり、外は海が一望できる用になっていた、

 テラスには2匹の猫は居たが、猫屋敷言うほどの数は居ないようだった。

「如何だい、中々いい家だろ」

 そういいながら、里美は手慣れた動きで紅茶運んできた。

「とてもきれいな景色ですね、紅茶はアールグレイですか?」

 そういいながら、零は出された紅茶を口に運ぶ。

 里美は少しビックリした様子を見せた。

「知ってるのかい?君ぐらいの子は紅茶なんかに興味ないと思ってたけど、やっぱり紅茶はいいよ

 葉の風味が心を落ち着けてくれる。」

 そう言いながら女性は流調に紅茶の話をしていく。

 零は、里美の話に笑みを浮かべながら聞き、紅茶を口に運ぶ。

「そうそう、この家ね、昔カフェをやってたんだよ、この景色と猫が売りの猫屋敷ってカフェだったんだけど、夫が死んでからは辞めちゃってねぇ…」

「そうですか…」

 少しの沈黙が流れた後、女性は話を切り替える様にまた話し始める。

「そういえば、夏休みの一ヶ月泊まって掃除手伝ってくれるんだろ、まあ何もない所だけど一ヶ月ゆっくりしていきなよ。二階の右側の部屋が空いてるからそこを使ってくれたらいいからさ。」

「はい、ありがとうございます。一ヶ月お世話になります。」

 そう言うと、零は深々と頭を下げた。

「そうだ、言うのを忘れてたもう一人預かってる子がいるんだよ。桜、桜~。」

 そういうと、二階から一人の少女が下りてきた。

 その少女は、太陽に当たれば透けてしまいそうなぐらい色白で、年は少年と同い年くらい位だが、16歳の少女にしても、余にも華奢な体だった。

 髪は肩まで伸びたロングヘアーに、少し釣り目の整った顔立ちと無表情が、少し威圧感を醸し出している。

島峰桜(しまみねさくら)です。」

それだけ言うと、少女は無表情のまま、テラスへ行き椅子に座ると潮風にロングヘアーの髪をなびかせながら、地平線の彼方を只々眺めるばかりだった。



 しかし、邪魔だな…





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