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復仇者達は黒き月を見て嗤う~Ultor Risus~  作者: 兎狩 禮
1章 復仇の始まり~Ulciscere, foetus motus est
1/8

プロローグ 復仇の芽

初めまして。兎狩 禮です。

これは初投稿になります。

至らぬ点も多いですが、応援よろしくお願いします。


......嗚呼、今日も空は快晴だ。


いや、僕にとっては()()といったほうが正しいか?


まあ、そんな些細なことはどうでもいいのだ。


それよりも大事なのは......


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということにある。












申し遅れたが、僕は甲斐かい 戀十れんと、私立萱喇原(かやらはら)学院に通うごく普通の......どこにでもいる男子高校生だ。


だがしかし、それはあくまで外面だけの話だ。





「おい、甲斐!てめぇなんで昨日とっとと帰りやがった!!俺が許可するまで帰るなっていったよなぁ!?」


......この五月蠅い男は葦原あしはら。この学院の理事長の孫でとても外面のいい男だ。

そして僕はこの葦原に目を付けられ、所謂いじめを受けていた。




それが始まったのは中等部2年の秋。

夏休みが終わり、クラスの席替えのとき僕はこの男の横の席になった。


葦原は最初こそ優しい態度をとっていたが、途中から手下を見るような視線に代わっていた。

僕がそれに気付いたのは校舎裏の体育倉庫に呼び出されボコボコにされたときであった。


そこから4年。いまだに僕に対する葦原の態度は変わらず、僕の心はとうの昔に荒み切っていた。


だからこそ僕の目に映るのは色が褪せ灰色になった世界だけだった。







もう嫌だった。


一方的に殴られることが。好機と侮蔑の視線で見られることが


......そして、生きていることが。

もう既に身体が、精神(こころ)が拒絶しているくらいに。








だから僕は死のうと思った。

何度も何度も何度も。


しかし、まだ死ねなかった。


僕を痛めつけ、無様に転げるさまを笑い、自分の玩具のようにしてきたこの男を。

傍観し時には陰で嘲笑していた級友たちを。

そして、気付いていたにもかかわらず保身に走った先生方を。


このくそったれどもを道連れにしなければ死ぬに死にきれなかったのだ。






だから、そう、覚悟を決める時を探していた。


そしてそれは今なのだろう。




大きく深呼吸をして、僕はそのボダンを押した。


これは起爆用の遠隔ボタンだ。


押すと支えになっている柱とこの高等部2年A組の教室の真下に設置したプラスチック爆弾に着火しこの中にいる全員が瓦礫に埋もれ死ぬか、爆発に巻き込まれて死ぬ手はずになっている。


これで兼ねてより計画していたこの自爆テロは意味を成すのだ。


これでやっと報われる......。

そう思うと少しは心に斜光が入った。




あと10秒で理論的には導火線が焼ききれる。そうなればこの世界ともおさらばだ。




あと9



































......0、グッバイ世界。


白くなる視界と遠くなる意識の中で僕はセカイに向かって手を振っていた。









そしてその日、僕らの行っていた学校は灰塵と化し、200名近い死者を出した大事件となった。



しかし、とある教室には一番酷い焼け跡が残っているのだが、焼死体が一体も出ないという奇妙なことがあったそうだ。


検察や専門家が焼け残った灰を調べても人体の反応は出ず、この事件は「萱喇原の悲劇」と呼ばれ大々的にメディアに取り上げられていたという......





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