表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終焉世界  作者: ころずし
1/2

ep,1 榛摺の世界

‐終わりの始まり‐


 時は西暦2150年。地球は壊滅の危機に瀕していた。

地球温暖化による気温の上昇。北朝鮮との核戦争。森林伐採。砂漠化など、人類が解決できないレベルまで、地球の環境は悪くなっていた。

赤道直下の国は全滅。緯度が高い国も平均気温35度という、異常気象に見舞われている。

地表は常に放射線で汚染されているので、人類は地下に暮らすしかなかった。 


 地下では自然の食糧が採れない。水もほんのわずかしか残っていなかった。人類全滅までは時間の問題ということになる。

そこで世界の首脳たちは会談し、カナダの地下に地下帝国を造ることが決定した。


 地球に残された資材と技術のすべてを使い、人工食糧プラントや地下水浄化槽、巨大居住区が含まれた、“アース・ホープ”の建設が始まる。

しかし、重要な問題があった。“革命派”と呼ばれる力を使い食糧や居住区を奪う集団が現れたのだ。その集団がアースホープの計画を知れば、妨害をしてくるに違いない。

奴らは科学者を買収し、最新鋭の防護服や汚染兵器の研究をしている。数も把握できてない。総攻撃を受ければ政府軍は壊滅だ。

 地球が終わる。その前に人類は自滅しかねないのだ。


‐第一特務隊‐

 

 空は一面茶色い絵の具を塗ったかのような、汚い色をしている。そんな景色を、一人眺める男がいた。


 …ま.さ… なか..まさん…


 「中山さん!!軍の所属公表始まりますよ!」 

 もうそんな時間か…さすがに緊張するな… 時刻は午後1:00。これから政府軍の所属公表が始まるのである。


そもそも政府軍とは、全世界から地球のために動きたい。そういう想いを持った人が所属する政府側の軍隊である。

希望者の中から選ばれた者だけが入隊を認められる。全世界で入隊できるのは2000人。中山は日本人45人の中の1人だ。

そして、いまから行われるのは所属発表。軍には、技術班、衛星班、戦闘第一部隊、第二部隊、第三部隊、開発班、情報班など、たくさんの役割がある。

ほとんどが希望する班に入るのだが、一部の人はランダムで選ばれる。中山はランダムに部隊に配属されることになっていた。これは、中山の希望からである。中山はどの部隊でもいいと、あえてランダム組になったのだ。だたひとつの部隊に関しては、嫌悪していたのだか…


「えぇ今から軍の所属を発表する。各国ごとに別れて着席せよ。各国の発表担当官は準備でき次第、はじめてくれ。」

そう言って説明しだしたのはアースホープ建設計画の責任者兼、政府軍大将のハッタ シューテル オリシンスだ。

正直言って、俺はあの人のことが嫌いだ。権力を見せつけるかのような高級腕時計。オーダーメイドスーツ。そして、自宅に帰れば美女たちのお出迎え。どうせ夜も盛り上がってるにちがいない。あんな奴が代表で大丈夫なのか?


考えているうちに日本の発表室まできていた。掃除もろくにされてない居住区に比べて、ここはずいぶんと綺麗だ。

部屋の広さは学校の教室と同じくらいだろうか。まあ、俺が学校に通っていたのは15年も前の話だ。あのころの地球は綺麗だったなぁ。おっと、余計なことを思い出しちまった。

この部屋の床や天井や壁は見慣れない光沢素材でできている。正面には大きなモニターが一つ。そして、木製の長机がいくつも並んでいる。


厳しい試験に合格した同士たちが席についていた。自分の席を見つけて、俺も腰をおろす。

ほとんどのやつは希望した班に配属される。だが俺は違う…戦闘班かもしれないし、技術班かもしれない。もしくは…


ウィーーン 自動ドアが開いて政府軍の制服をきた人が入ってくる。おそらくこいつが担当官なのだろう。年は俺よりかなり若い。華奢な体格で背も低いように見える。防衛大学でよほど勉強していたのだろう。俺の目には、はっきりと中佐を示すバッチが見えている。

「い、いまから諸君らの所属を発表する!」

こういう仕事には慣れてないのか、緊張した口ぶりで話している。担当官はファイルを開いて、こう言った。

「えー、ま、まず、第一戦闘部隊!有村 瞬、石田 淳平、奥田 正敏、...

俺は思った。本当にランダムにして良かったのか?まさかとは思うが例の部隊に配属されたらどうする。おとなしく、戦闘部隊に入っておけば良かったんじゃないか? 俺は戦闘するのが一番向いていると思う。昔住んでいた町では、俺にケンカで勝てるやつはいなかった。

「えー、最後は無希望グループの所属を発表する。」

ふぅー。俺は深呼吸をする。心拍数が上がっているのを感じる。落ち着け。きっと大丈夫だ。

「川谷 勤、第一戦闘部隊。 栗田 佳祐、技術班。 小林 巧、情報班。田口 涼介、衛生班。 中山 奏司…」

きた。心拍数が一気に上昇する。名前を呼ばれてここまで緊張したのは初めてだ。

「中山 奏司、だっ、第一…特務隊…。」


部屋全体に重い空気が流れる。


「えぇ…」 「かわいそうに…」 「あ、あいつなら大丈夫だろ…」


「みんな静かに!これにて所属発表を終了する。30分後に部署ごとに集まって会議がある。分かってると思うが、日本人だけで集まるのはこれが最後だ。みんなの健闘を祈る。」では、解散!


俺はまだ分かっていなかった。第一特務隊の本当の恐ろしさに…


初めまして。ころずしです。分かりづらいところもあると思いますが、暖かい目で見てください。

暇潰しのネタにでもなれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ