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神様へのお願い
世界は人間によって支配されていた。
海や川はゴミで汚され、森の木々たちはビルを建てるために次々と切られていった。
私たちはそれを止めることも、叱ることもできず、ただ見ていることしかできなかった。
ああ、私たちが言葉を話せたらどんなに自由だろう。
人間のいない世界になったらこんなことにはならないのに。
私や、その仲間たちは毎日悲しんだ。
そして、私は毎日強く願った。
「神様、お願いです。自然を壊してゆく人間という存在をこの世からすべて消してください」
もちろんそんな願いなど叶うはずはない。
寝ても冷めても人間の存在はたしかに世界に存在している。
私は、生きていることに絶望しかけていた。