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どらごん☆めいど ――ドラゴンとメイドと どらごんめいどへ――  作者: あてな
【第一章】ドラゴンと少女と慌ただしい最初の日
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閑話休題 ~魔術に関して1~

 この部は本文中に登場する専門用語をスムーズに理解するための説明であり、読まないと必ずしも意味が理解できないというほどでもないが、知っていればより楽しめるものである。

 あなたはこの章を熟読してもよいし、そのまま読み飛ばしてもよい。

 この部では魔術に関しての説明をしておく。


 ☆マジックポーションについて☆


 まず(くだん)の魔術道具「マジックポーション」だが、元々は小瓶に魔術道具の触媒の液体(ポーション)が入れられていた事から呼ばれた名前であった。

 それが長い年月をかけてどんどん進化をして、レッタの持っていたような木片や鉄球・石などの様々な形になった現在でも、当時の呼称がそのまま残っているものだ。

 ちなみにエアリアーナたち一般人では「マジポ」と略される事が多く、店の看板などではMPと書かれる場合も多い。


 「触媒(しょくばい)」とは、魔術を使う際に、人間の持つ魔力をより増幅させるための素材で、その種類は多岐にわたる。

 また世界に存在する物であれば、なんでも触媒になりうるという訳でもなく、魔力を封印するのに向いている物と向いていない物質がある。

 たとえば非常に魔力蓄積耐性(キャパシティ)が高い金属は「魔鉱石」と呼ばれ、非常に高値で取引されるために、そのほとんどは軍用として使われている。

 レッタの持っていた木片は火炎樹と呼ばれ、主に大陸北東部の寒い地方に育つ木を木片にして、魔力を封入しているマジックポーションであり比較的安価に流通している。


 そしてこのマジックポーションの使い方だが、触媒に触れて特定の言葉を発すれば魔力が解放される仕組みになっている。

 また、微かな魔力でも発動できるために、人間の八割ほどの人たちは普通に使う事が出来るが、残りの二割の人々は何らかの理由で発動ができず、若干不便な生活を強いられている事が多い。

 それは先天性・後天性で魔力が失われた人や、一応魔力は微かにはあるのだが、発動可能になるレベルの魔力にならない人である。

 またその人の資質に左右される部分もあり、水系のマジックポーションは得意だが、火系のマジックポーションは発動が苦手などの属性による向き不向きもある。

 余談だがエアリアーナもレッタも、どちらも発動可能な魔力は持っている。



 ☆マジシャンについて☆


 「マジシャン」とは魔術=マジックを使う事が出来る人の総称であり、本文の中では魔術師と書く場合もある。

 ただアルビにいる人間たちの多くは、マジックポーションを使用できる程度の魔力を持っているために、マジシャンとは「マジックポーションに頼らずに、自力で魔術を顕在化(けんざいか)させるだけの魔力と技術を持っている人」という意味になる。

 ただし後述の「ウィザード」でも触れるが、アルビでは慣例的に「低レベルの魔術師」を指す言葉になっている。

 マジシャンは社会への貢献により、社会全体の生活レベルの底上げに役に立っている。

 彼女たちは日常生活の中で使ったり、自分の職業の中で有利に働いたり、マジックポーションの作成を生業(なりわい)としている者も多い。

 また、ある程度のレベルのマジシャンは、その村や町で重宝される存在である。

 エアリアーナとレッタが言っていた「タタカナルの村にはマジシャンがいない」という言葉はそういう意味であり、その分マジックポーションは外の行商人からの輸入に頼っている事は、第六部分に書かれている行商の様子からも(うかが)い知ることが出来る。



 ☆ウィザードについて☆


 「ウィザード」とはもともと軍隊での魔術軍の専門用語であり、一般的なものではなかったが、長年の知名度により広まったものである。

 本文中に置いては「魔導師」と書く場合もある。

 ウィザードは軍の試験に合格できる実力を持っている者への称号でもあり、その存在は畏怖と敬意をもって呼ばれる。

 一般的には軍属の高レベルマジシャンに対して使われるが、軍属でなくても高レベルの魔術が使える者をウィザードと呼ぶ場合もある。

 どの国でもウィザードは重宝されて、海戦軍・陸戦軍よりも給料が良いために、高い魔力を持っているものはとりあえず入隊試験を受ける場合が多い。

 あと(まれ)にだが、本人が入隊を望まなくても噂を聞きつけてスカウトが来る場合もある。

 またソーサラーなど別の呼称を使っている国もあるが、基本的にはどちらも同じ内容であると思ってくれて構わない。

 余談であるがキルトランスが王都に飛来した際に、彼の迎撃を担当したのもウィザード軍であるが、彼にとっては「ペチペチと鬱陶(うっとう)しい魔術」としか認識されなかった。



 ☆エンチャントについて☆


 まだ本文では登場してこない用語。

 本来は魔術道具を作るために、魔力を封入する行為そのものを指すための用語であったが、現在では魔術道具そのものを指す言葉になっている。

 ではマジックポーションとの違いは何かと言うと「軍用レベルか否か」という部分である。

 古代アルビではエンチャントアイテムは、国の特権所有物として大切にされており、民生品は無かった。

 しかしそれが次第に普及して、一般化するにつれてエンチャントを入れている小瓶(ポーション)が呼称となってしまったのは前述のとおり。

 だが本来は誤用であるマジックポーションという言葉を嫌って、王宮お抱えのウィザードたちはエンチャントという言葉を堅持していたために、いつの間にかエンチャント=軍用、マジックポーション=民間用という認識が一般的になってしまった。

 また国家ごとに法律は異なるが、軍人以外がエンチャントの所持・使用を禁止している国がほとんどである。

 呼称としてはエンチャントだが、表記される場合はエンチャンテッド・アイテム=「EI」とされる場合が多い。



 ☆キャスターについて☆


 こちらも本文には未登場の用語。

 正式には「エンチャントアイテムキャスター」だが、省略してキャスターと言われている。

 こちらも軍事用語に近く、魔道軍専属以外で武器以外にもエンチャントを駆使して闘う兵士たちの事を指すものだ。

 中には大量の種類のエンチャントを駆使して、ウィザードと対等に渡り合える達人キャスターもおり、全国各地でその武勇伝には事欠かない。

 だが用心棒・旅人・賞金稼ぎなどの職業の一般人でも、マジックポーションを駆使して生き延びる人も多く、こちらもキャスターと呼ばれることが多い。

 しかしエンチャントアイテムを使う人は一般人に限られる事ではなく、ウィザードたちも有効に使っている場合がほとんどである。

 理由としては

 ・魔力消費が少ない

 ・瞬時に発動が可能である

 ・異なる種類の魔法を同時に使うことが出来る

 などのメリットが多いためだ。

 それゆえに有能な魔導師たちは、戦争に備えて各自オリジナルのEIを大量に生成して備蓄している。



 以上が解説となるが、これ以外にも様々な魔術用語が存在するので、その辺は折を見て「魔術に関して2」で説明するだろう。

 話の腰を折るような堅苦しい文章に付き合っていただいて感謝するとともに、今後のお話もぜひお付き合いいただきたい。

 設定資料的な説明文を呼んでいただきありがとうございます。

 ちなみにこの小説の世界観として、TYPE-MOON様の世界観をリスペクトした上で、魔術と魔法という単語を使い分けております。

 厳密には同じではないのですが、使い分けているという事だけはご了承ください。

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