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本物

作者: 聖魔光闇

ジャンルはエッセイになるのかな?

 生まれた時から蓄積され、創造されてきたおれという人格。普段の俺は俺と名乗り、争い事を極力避け、なるべく平穏に過ごしたい人格なのだが、いざ、自分に(自分達に)不利益な状況になると、性格は豹変しとても荒々しくなる。上司や先輩でも関係ない。自分こそ正義。これが第一の人格。俺が俺だと思っていた人格だった。

 【小説家になろう】をはじめとするネット上の人格、わたし。基本、敬語を重視し争いを好まないが、一度火が着くと自分では鎮火出来ない。なるべく、誰にも嫌われないように接する反面、嫌われるとすぐにブロックしてしまう。嫌いな人を作りたくないくせに、性格や相性が合わない人は嫌いになりブロックする。これが第二の人格。私と名乗る事で中立的になろうとする人格。

 仕事を行う上で、上司に媚びへつらうようにして出来た人格。ぼく。基本、逆らう事を知らず、ストレスを溜め込むタイプ。ストレスの自己処理が出来ず、職場内だけでの人格として形成しているが、プライベートでの電話等で困惑する事がある。これが第三の人格。気弱でネガティブなくせに、プライドだけは高いという厄介者。

 これまでが、私が主に使用してきた人格ですが、更に一つ忘れてました。鬱病になる前の人格。俺様おれさま。完全な自由人。完全な無法者。己以外を見下し、生まれてくる時代を間違えたとほざいた馬鹿者。第一人格に似た性格を持っているが、第三の人格のように媚びへつらう事を嫌う。上司でも馬鹿にする大馬鹿者。これが第四の人格。一応、第一と第二の人格の間に位置する存在。だが、その性格故に孤高。


 これで全てだと思っていた。でも、この四つの人格の記憶には曖昧な部分がある。そして記憶の無い部分に着目した。そして甦った記憶。

「やめて! やめてよ! それ以上やったら死んじゃうよ!」

 悲痛な叫びと恐怖に歪んだ少女。ニタニタと笑いながら、男の顔面をコンクリートに叩き付ける私の顔。

「テメェ、人の女に手ぇ出したら殺すからな!」

 それと妻からの一言。携帯電話を投げて壊そうとした瞬間「殺すぞ」と言ったらしい。

 そこからいろいろと記憶の無い部分を考えて、私は第五、いや実際には第一の人格の裏側の人格に気が付いた。一人称、オレおれオレの違い。それは残虐性。残忍で狡猾。女を平気で蹴り飛ばし、母親の顔面目掛けて金属バットを振る人格。しかし、この人格が形成されたのには理由があった。小学五年から中学三年迄続いたイジメ。このイジメから解放される為に、この残虐な人格は生まれたのだ。

 教室の真ん中で

「殺せるものなら殺してみろよ」

 そう挑発する生徒の首を掴むと、壁に押し付け、片手で持ち上げたまま微動もしない。たちまち、その生徒は泡を吹き、チアノーゼが出て、失禁していた。それでも離さない俺に周りの生徒が数人掛かりで引き離したが、俺はキチガイ扱いされた。

 友達の家で遊んでいて、塾の時間だから帰ろうとすると、

「帰りたければ俺を倒していきな」

 みたいな事を言われ、スリーパーホールドで完全におとしてから、このまま死なれてはいけないので、蘇生法だけ施して塾に行った。

 基本、売られた喧嘩は買うが、喧嘩を売らないタイプ。でも手加減を知らないのが玉に瑕。

 この人格は、結婚して暫くして姿を消したみたいだが、私の記憶が無いだけかもしれない。

 さて、本物はどれだ? おれか? 私か? 僕か? 俺様か? オレか?

 自分でもわからなくなってしまった。

本物はどれでしょう。裏人格も、いないとは言えないのが恐ろしい現状です。

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