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時戻り  作者: 河埜和茂
一章「ハジマリ」
8/29

─1─7

「──…フフ。いつ見ても、面白いわね。人は。」



高層ビルの屋上から眺めた景色。


そこから見える人波は、面白い。


歩く人々の顔は見ていて飽く事はない。



意気がって我が物顔で歩く者。


絶望的な表情で俯きながら歩く者。


何が楽しいのか笑みを浮かべて歩く者。



「長くて百年位。短い時間、ね。──…フフ。だからこそ、色々あって面白いのだけれど。」



女は笑む。



歩む人々を眺めて、不敵に。



「──…永遠を求める事も許されず、生まれ、老いて、死して、朽ちる。その限られた時の中で、成長、退化、繁栄、衰退を繰り返す。…未完成なモノだからこそ、ね。」



女は立ち上がると背中まで伸びる黒髪に触れ、黒のドレスを翻して人波へ背を向けた。



「ン、とは言え、変化が無ければ飽きてしまうわ。──…そろそろ見つけるとしましょうか。」



歩き出した女は楽しげに笑む。


これから始まるであろう事を思い浮かべ、楽しげに。



「"鐘"の持ち手を。」



女は呟き、姿を消した。

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