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時戻り  作者: 河埜和茂
一章「ハジマリ」
7/29

─1─6

──どうする、か。


だらけてベッドに寝転がったまま、煙草の紫煙を見つめた。


全て限度額オーバー。


両親に言えば、家から追い出される。


悩みに悩めど答えはない。


そんな俺の脳裏に、ぼんやりと一つ浮かび上がる。



「──…死んじゃうか。」



最低な選択肢。


然し、俺の心は既に全てを放棄していた。


どうせ生きていても、俺は。



俺は。



「──………はあ。」



──自分で自分の首を絞めてみる。


少し力を込めた瞬間、俺は込み上げる感覚に噎せ返った。



「…っ、けほ…。」



そりゃ、そうか。



今更だ。


本当、今更。



俺は漸く自分自身が置かれている身を理解し始めていた。



手詰まり。


行き止まり。


終わり。



俺はベッドに横たわったまま、天井を眺めていた。



家族のせいにした所で、それはただの言い訳。


ギャンブルに注ぎ込んだのは俺。



「──…畜生。畜生畜生…!」



危機感が、僅かながら芽生えた所で、幾らベッドを叩いた所で現実は変わらない。



ただ時が過ぎるだけ。


ただ猶予が消えていくだけ。


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