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時戻り  作者: 河埜和茂
一章「ハジマリ」
6/29

─1─5

俺は家族の中で、腫れ物扱いだ。



──中学生までの俺は自分で言うのは変だが、優等生だった。


学力、運動、全て並より上。



その頃までは、親も俺を見ていてくれた。



ただ、それも中学生までだった。



自分自身を過信し過ぎた俺は、とある有名高校に受験した。



結果は合格。



それだけだ。



世の中には上には上がいる。


たかだか普通の中学校で秀才ぶっていた俺は、入学早々に現実を叩き付けられた。


当たり前の現実だった。


頭が良い人間同士が揃えば、当然、怠け者が出遅れる。


元より勉強が好きでもない俺が、叩き落とされるのは至極当たり前だ。



身の丈にあった高校に行けば、それなりに出来ていた筈だった。



だが、俺は傲ってしまった。



自らの中身のない自信に。



褒められていた言葉は、毎回最下位に近い点数を取る俺への罵声に変わる。



──またこんな順位か?


──少しは真面目にやりなさいよ。あんたのせいで母さん恥ずかしい思いしてるんだから。


──お金の無駄遣いだったわね。


──情けない奴だな。お前は。


両親からの言葉は俺を、俺の全てを、否定し踏みにじっていく。



「……ふざけんな。」



そこからは堕落の日々。


高校を卒業しても、職も大学も取らずバイト生活。


ギャンブルにハマって、気がつけば今。



本当、何したいんだ…俺は。

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