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時戻り  作者: 河埜和茂
一章「ハジマリ」
4/29

─1─3

「……。」



「お、千円で当たりかよ。良いなぁ。」



「いやいや、前に座ってた奴が何か良いラインで止めてくれてさ。マジ楽勝だよ。素人って、止め時も適当だし、ちゃんとした知識も無いのによ。良いカモだ良いカモ。」



俺が座っていた台は無情にも、他人が座って当たっていた。


俺よりも若いであろう青年達が、笑っている光景に当たり所の無い憤りを覚えるも、退いた時点で俺の台では無いし何も言えなかった。



「…チッ。ガキが、ふざけてんじゃ──」



「ん?」



恨めしそうに睨む視線に気が付いたのか、打っていた青年の一人が俺を睨み返してきた。


無意識に視線を逸らしていた。


さっきまで悪口を紡ぐ俺とは対照的に、視線から逃れる様にその場を後にした。



「何だよ、あの馬鹿が。俺が金を使ったから当たったんだってんだ!糞ッ!」



客観的に見れば、自業自得、賭け事のデメリットを認め切れずに苛立ち、騒いでいるダメな人間。



頭に血が上った状態で俺は更に軍資金を手に入れるべく、近くのコンビニATMに向かった。



──残高不足。


──利用限度額を超過しています。


──利用になれません。



「──…え?あれ。なんだよ、それ。いや、マジかよ。」



厳しい現実。


当たり前の現実。


キャッシングカードは魔法のカードじゃない。


限界はあるし、必ず返さなければならない。


ただ今の事態は絶望的。


支払い前に所持金は八百円。


──…どーしよ。

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