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死にたい。
何度目の死の覚悟だろうか。
否、実際は死にたいと言った所で、ならば、此処で死ねと言われても死を選べないだろう。
ただ自分が不幸だと、
世界中見渡して一番の不幸は俺だと、
誰に認めて欲しいわけじゃない。
ただ、ただ、そんな自分は悲劇の主人公だと考えたいだけなのだ。
甘い考え、
その不幸への選択をしたのは自分自身でありながら、自分自身へ理由付ける様に俺はそう思い込んでいた。
皆は幸せだ。
俺の様に不幸じゃないと。
だけど、
いつか俺だって物語の主人公の様に凄い奴になんて、頭の隅で考えていた。
──…オレニハサイノウガアルンダ。
──…イマハフコウダケド。
──…イツカカナラズ──