正反対の夏樹君と真夏ちゃん
「あ、夏樹ー!」
派手な女子、尊と小林があらかさまに大人しそうな男子、一条夏樹を呼び止める。
「今日の掃除当番代わってくんない?てか代わって」
尊が夏樹の肩を揺さぶりながら流す、夏樹は小さな声で
「え…で、でも…昨日も僕が…」
と反論する、しかし小林が大声で
「別にいーじゃん、どうせあんたなんもする事ないんでしょ?やってよ」
と夏樹を脅す、夏樹は顔を曇らせながら承諾しようとした、その時
「人になんでもなんでも押し付けんじゃねーよブス!」
一条真夏が機嫌が悪いのか怒鳴りちらしながら夏樹達に近づいてくる
真夏を見た瞬間尊と小林の顔がサッと青くなる。
容赦無く真夏は尊と小林に近寄り耳元で
「一度埋められてみるか?海の奥底に…」
と囁く、尊と小林は夏樹を人睨みして、足早に去って行った。
夏樹が焦りながら真夏に
「えと…ありがと一条さん」
とお礼をすると真夏は眉間にシワを寄せ、
「テメェも一条だろ、一条って呼ぶの辞めろって言ったよなぁ?」
かなりドスの聞いた声で夏樹を睨む。
夏樹は「ひっ」と悲鳴を上げ、赤面しながら
「え…と…ま、真夏さん…」
真夏の名前を呼ぶ、真夏は照れている夏樹を見てニヤッと笑い
「夏樹は本当女なれしてねぇな」
そう言ってからどこかに歩いて行った。