聴覚障害者の日常 〜怖いもの その2〜編
こわいものは暗闇だと、前編で書いた。結婚して夫と一緒にいることで克服できた(?)ということだが、まだある。
子供たちがまだ小さい頃、おっかなびっくりの育児で、夜の寝る時が一番つらかった。
なにしろ、初めての育児なのにいきなり三つ子で、一人でやっているのだ。
ただ、寝るだけなんだから、気を使わなくても…と言われた。
でも、家(借り上げの賃貸)はベビーベットが3つはいるような大きな部屋がなかったので、布団を敷きつめて5人並んで寝ていたのだ。そのうえ、3人ともアタシに引っ付いていないとダメだったのだ。
当時、夫はほとんど午前様で、1人育児だった。だからなのか、たまに夫がいても、3人ともアタシに寄ってくる。
特に♂2号(次男)は鼻が利くのか、暗闇の中でも正確にアタシを見つけ引っ付いてくる。もしもいないとわかると、泣きわめいていた。一人が泣くと、連鎖反応で次々と泣かれることもあった。
ともかく、両手に一人ずつ、もう一人はお腹の上に。3人ともアタシの体にひっついていれば、あら不思議、すんなり寝てくれるのだ。
3人が寝付いてしまうまで身動きできず、踏み潰さないように気を使わなくてはいけなかった。
声が聞こえないのだから、手探りで確認して、ひたすら寝てしまうのを待った。
そんなこんなで、暗闇を怖がるどころではなかった。
気がついたら、子供たちはすでに中学生になってしまっているし…、それぞれの部屋で寝るようになった。
だんだんと離れていくのを頼もしく思う反面、3人一緒に離れていくのはより喪失感が大きいような気がする。
まぁ、喪失感は、夫にひっついて構ってもらうことで埋め合わせをしよう。