1・街の真ん中で
やっと本編スタートです。
ヘンな言い回しや誤字脱字がありましたら、こっそりとお教えください。
では、どうぞ。
この世界は、たくさんの伝説の動物や想像上の動物が棲む世界。
ここは、廻柳国と呼ばれている豊かな国。
特に賑わっているのは、この首都である柳清という街。
その街は、廻柳国の皇帝が暮らしているだけでなく、この国とそれに接する隣国の物は全て揃うとまで言われている、巨大な市場の街でもあるのだ。
がやがやと賑わうその街をずんずん進んでいく女の子と、その後をてくてく付いていく男の子の姿があった。
女の子は、濃い緑の混ざった黒い髪を下の方で束ねてあって、歩くたびにその髪が揺れる。
深い海のような色合いをした瞳は、ぶれもせずにまっすぐ前に向けられていた。
後ろを行く男の子の腰には、やや幅の広い刀が差してあった。
男の子の腰には刃物が下がっている上に、どう見ても女の子の方が歩調は早いのだが、2人の差が広まる様子は全くない。
男の子は琥珀色をした瞳で、ただじっと女の子の背中を見ながら、その後を付いていくだけだった。
一軒目の店を過ぎ、二軒目の店を過ぎ、三軒目、四軒目、五軒目を過ぎたその時、女の子は急に止まって、濃い緑の混じった黒髪を靡かせながら振り向き男の子に叫ぶ。
「ちょっと紗介!!いい加減キビキビ歩きなさいよ!!」
「歩いて良いのか?そしたら俺、お前のこと抜かしちまうぜ?澪那。」
「~~っ!!うっさいわね!!紗介のくせに生意気よっ!!」
軽くいなした紗介に、澪那は地団駄を踏みながら口惜しがった。
ヘッと鼻を鳴らしながら紗介が言う。
「そんなに口惜しかったらもっと背を伸ばすんだな、チ・ビ。」
「お~の~れ~・・・天誅っ!!」
叫びながら、人さし指と中指を揃えて握る刀印を結び、下から上へと振り上げる。
瞬間、紗介の足元から水柱が立った。
「・・・・ったくよ~、街中でその術使うんじゃねぇよ!!他人様にも迷惑だろうが!!」
「う・・・ごめん・・・。」
水を被った、ふわふわだったはずの紗介の灰色をした髪は、今はぺちゃんこになっている。
ずぶ濡れな彼は、原因である澪那にずい、と詰め寄って、道の真ん中で説教を始めた。
そんな2人の周りには、「あ~あ。」と言いながら水気を拭き取る人たちが、何人か見受けられた。
その後、2人の子どもは道行く人たちに頭を下げたのであった。
「で?今日はどこへ向かうんだ?」
「この街の郊外よ。そこで、依頼された仕事をするの。」
一通り謝罪し終わった2人が、茶屋でひと息つきながら話をしている。
澪那は先程からお茶を2、3杯お代わりしているし、紗介はみたらし団子を皿2、3枚お代わりしていた。
食べ過ぎよ、と言う澪那に、お前は飲み過ぎだ、と紗介が返した。
「さて、と。もうそろそろ行かないと、約束の時間過ぎちゃうわ。女将さ~ん。お勘定お願いしま~す。」
「え・・?なっ?!ちょっと待てよ!!まだ食い終わってねぇよ!!」
女将を呼ぶべく手を挙げた澪那に、紗介は団子を口に詰めながら叫んだのだった。
はい。1話目終了です。
私、まとまっている文を長く書くのが苦手なもので、こんな感じになりました…。
すみません…。
感想の他、皆さんの思う改善点なども書き込んでくださると嬉しいです。
これからの連載、がんばります。
次回、話の続きを書くか、主要人物の設定を書くか。
たぶん、前者になるとは思いますが、まだわかりません。
ここまででも読んでくださって、ありがとうございました。