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よくある、タイムリープもの

作者: 樹亜希

 古今東西、タイムスリップや時空を越える話はあまたあれど、飽きることなく

今も繰り返されるモチーフの一つではある。


 「なあ、そろそろ狐坂だな」

 「そうですね、あのヘアピンカーブはいったい誰が作ったのでしょうね」

 「ここは山道だからしょうがないな」

 「元々ただの山に無理矢理に道路を作り、舗装路にして、住宅を作り、

 ホテルやレストラン、果てはゴルフ場までつくり、大学なんかもある」

 「こんな山のなかにねえ」

 「そう、こんな山の中に……」

 「冬の雪が舞えば、車の運転なんか危なくてしょうがない」

 この寒いときにスピード違反の取り締まりに出た二人の警察官、

 仮に伊藤と佐川にしておこう。


 そのその先にトンネルがあり、あまりにも短いのでライトもない。

 向こうが見えているのだから、良いだろうと誰が思ったのか。

 早くライトを付けるべきだと佐川は思うが、一向に誰もそれを実行しない。


 大文字の妙法の文字を見ながらハンドルを切るとそこは、運転技術の見せ所。

 伊藤は難なく息をするようにハンドルを自在に操り、誰が付けたか、狐坂を

 過ぎ去る。

 そしてキツい上り坂をアクセル踏みこんだまま、トンネルへと

 入るまえに、佐川は遅い紅葉をちらっと左に見た。


 暗いが短いトンネルの向こうに明るい穴が見えて、そのうちいつもの

 風景となる。


 緑の木々がその向こうに見える。

 「みどり?」

 「なんだ? なんかおかしいか」

 「11月の終わりにこんな緑の葉だったかな」

 佐川は隣の伊藤を見る。

 そこには美しい黒髪の女性警官が運転している。

 「おい、おまえはだれだ?」

 「はあ? おまえこそ」

 声は女のそれで、話方は男言葉。

 トンネルを出て、パトカーを左に寄せて停める。


 お互いに指を指して大笑いをする。

「おまえ、女じゃねーか」


 え? 時空を超えてない?

 そんなの、どこにでもあるので趣向を変えて見ました。

 そこのあなた、京都には不思議な場所やパワースポットは

 たくさんあるのですよ。

 私はこのトンネルを何度も通りましたが、あるとき自分一人が

 バイクで走行中に赤ちゃんの泣き声を聞いたことがあります。

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