表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世恋は、夢の中で……  作者: おうないがー!
過去と体育祭と
69/242

アジトでの戦闘

 這い上がってきた男たちをバッタバッタと倒していく悟。一人の男の胸倉を掴むと、アジトにつながる穴に、自分ごと男を頬り投げ、下で機をうかがっていた男が下敷きになり、当然胸倉を掴まれた男も、「うぅ~……」と、声にならないような唸り声をあげ気を失った。


 悟の周囲は、当然のことながらざわめき、悟のことを一点に見ていた。悟はそんな動揺するアギトのメンバーを一瞥すると、いつまでも上にのったままだとかわいそうとでも思ったのか、ゆっくりのんびりと下敷きになった二人から降りる。


「何もんだごらぁぁ!!」

「はぁ……、元気だな……」


 ヤクザのような剣幕で突っ込んでくる男。それを見てようやっと戦闘態勢に入ると、何人ものメンバーの攻撃をのらりくらりとよけながら、刀の柄で軽く腹のあたりを突いていく。


 周囲に居た奴らを全員気絶させると、梯子の方に近付き、地上に向かって呼びかけた。


「オッケー!終わったよー!」

「はーい!了解でーす!」


 元気満々、有り余る体力をふんだんに使用したような返事で、副団長が地上から飛び降り、ステラは恐る恐る梯子を使って降りてきた。


「大丈夫か?ステラ。俺の後ろにいてくれ」

「はい。……足手まといにならないようにします!」

「頼りにしてる」

「……イチャイチャしてないで行きますよ!」

「してねぇよ……」


 そして、三人はアジトの奥へとだんだん進んでいく。その間も十数人のメンバーが待ち構えていたが、副団長と悟の猛攻、ステラによる手厚い支援によって、楽々進んでいく。


 ただ、悟は一抹の疑問を抱いていた。というのも、妙に近代的な基地なのだ。まるでSFの世界というか、ひどくこの世界とミスマッチした内装に、若干の戸惑いを感じていたし、ワクワクも感じていた。


 二人は疑問に思ってはいないのだろうか?


 ふと気になり、二人の様子をうかがうも、このアジトについて触れるような様子もなく、ただ前へ前へと進んでいくだけだった。


「……結構進んだけど、あれで全員だったのだろうか?」

「どうでしょう……。また扉ですよ?」

「しかも……」


 三人の前には、三つの扉があった。その扉というのも、近代的で、俺達の世界にもまだ存在してないような扉だ。


 恐る恐る扉に近付いて、扉の横についている看板を確認すると、左の扉は研究室と書かれており、真ん中の扉には会議室と書かれており、右の扉には、居住区と書かれた看板があった。


「居住区……。いや、研究室とか言うのも不思議だが、これはちょっと異質な感じだな……。地下で居住区か……」

「ホントですね……。どこに行きましょうか?」

「じゃあ、適当に居住区で。ちょっと気になる」

「では、私たちは会議室に行きますね!」


 二手に分かれて、調査を開始した三人。


 悟は扉が開くと唖然としてしまった。なぜなら、特に何もなかったからだ。あるのは奥の方に扉があるだけで特に何もなかった。とはいえ、扉があるなら進む。それがルールみたいなところある。


 そう思って、改めて気を引き締め、恐る恐る足を進めると、天井から偉くごつい人が現れて身を退いてしまった。


「ナニモノだ?なにやら上が騒がしいと思って見てきたら、妙な奴がいるじゃねえか」


 声は低く、スキンヘッドのその男は、すでに臨戦態勢で、俺に対する質問も、形式的なものでしかないという事が感じられた。


「……まぁ、ちょっと用事があったんだ。今回の一件について聞きたいことが……」

 

 悟がそう言いながら一歩スキンヘッドの男に近付くと、男は急接近し、アッパーをお見舞い。すんでのところで避けた悟は、「ふへぇ……、結構鋭いな。折角なら、もうちょっと実力が見たいな」。


 悟は指をくいくいっと曲げ、挑発した。これは、男と完全な肉弾戦に持ち込むためだ。なぜなら、先ほど天井から男やってきたというのに、天井には通気口どころか、穴一つないのだ。


 それを奇妙に思った悟は、少しでも能力以外の先頭に持ち込み、自分の能力を隠し通すつもりでいるのだ。


「ふん。まともにやっても勝てないのは、見たらわかる。魔力強化をしても、勝てるか勝てないか……。だが、魔術を使えば別だ。俺に与えられた魔術があればな」


 スキンヘッドの男がそう言うと、悟の前からパッと姿を消した。


「……姿を消す能力?」


 だが、それなら天井から現れた理由が分からない。見たところぶら下がるようなものもない。


 悟が行動できないでいると、突然足元からスキンヘッドの男が現れ、それと同時にストレートを喰らわせた。


「!?」


 よろけた悟が前を向きなおすと、またも姿が無い。また足元や天井から現れると思った悟は、上下に視線を動かすが、見当たらない。


 戸惑っていると、今度は右から拳が飛んできた。


「……っツ!イッテェな!どこに居やがる!?」


 悟はその場にとどまることを危険と思ったのか、がむしゃらに動き始める。


 分かっていることは、どこからやってくるのかは、何とか出現する前に確認できる点だ。反射神経でなんとか避けられる範囲で理解できる。そして、攻撃の時には姿が現れることだ。


 だが、避けられるといっても、それはある程度攻撃の方角が分かる場合だけだ。


 そうこう考えていると、今度は脚で首をからめとられてしまう。そして、スキンヘッドの男が、体重を後ろにのけぞり、悟を自分ごと倒そうとするも、ビクともしない。


「嘘だろ!?」

「捕まえた!」


 悟は、片手で絡めている足を掴み、もう片方の腕で、足に一発お見舞いした。


 スキンヘッドの男の足の骨は粉々に砕けてしまい、たまらず男が絡めていた足を解いた。


「……ちょっとだけ分かってきたぞ」

ミステリーだと思ったら、アクションになってました。が、安心してください、ミステリーも進行中です!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ