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プロローグ

魔王のお話、始めました。

戦闘嫌いの魔王です!

 ギルドが乱立しているこの世界。


 そのギルドに所属する冒険者や鍛冶士、錬金術士、鑑定士、様々な力を持つ者が多数存在する程、そのギルドの力、立場、権力は大きくなっている。

 残念ながら、冒険者として活動する場合には、各個人が個別に活動する事はこの世界では許されていないので、ギルドに所属する事は義務となっている。


 ギルドの力が大きい程受ける依頼のレベルは上がるが、それをこなせる実力があると判断されたギルドは、貴族や王族から直接依頼を受ける名誉を得られる事もある。


 そうなると、その実績がさらに噂を呼んで繁盛し、そのギルドに所属する事を希望する人材も増える。

 結果、優秀な人材を得る事が容易くなると言うループに入るのだ。


 もちろん依頼を失敗したり、貴族王族の目に留まらなかったりと、このループに入るまでには相当な幸運も求められる。

 ギルド自体にもランクがあり、冒険者、魔獣のランクと同じく、F~Sまでのランク分けがなされているので、幸運を掴めばSランクも夢ではない。


 そんな中、特にここ数年はギルドに対する依頼が全体的に増加しているので、上を目指すギルドは死に物狂いで依頼を達成しようと行動している。

 その理由は、魔獣やら、ダンジョンやらの活性化。


 魔獣やダンジョンを統べると言われる魔王が、数年前に最強と言われるギルドに所属している冒険者一行、強大な悪に立ち向かう人物への尊敬の念を込めて<勇者>と呼ばれるようになった一行が、魔王を始末したからだ。


 そのせいで魔獣とダンジョンの制御が無くなって活性化したと言われているのだが、数年経過した今、更なる混乱が起きた。

 そう、新たな魔王の誕生が噂されていた。


 その噂が真実であると裏付けるように強大な魔獣を引き連れて真の魔王と宣言する男は、自らをゴクドと名乗り、旧魔王国と人族との国境付近に現れたのだ。


 再び<勇者>と称えられていた冒険者達の一人が所属するギルドに、魔王の討伐依頼が舞い降りる。


 このギルド、わかりやすく名前を【勇者の館】としていたのだが、正に王道を行くギルドで、直接王族から依頼を受ける程の実力と権力を持っていた。


 そこに所属している人々は、戦闘や戦闘補助、サポート職など幅広いのだが、一人だけ特異な人物が数年前から務めていた。

 そう、事務を一手に引き受けている男、クオウだ。


 最近は魔王の再出現によって魔獣達の活性化が一段と顕著になっており、【勇者の館】でも魔王領に攻め込むどころか、防衛に力を割かざるを得ない状況になっていた。


 その防衛も正式な依頼であり、所属する戦闘員が多い【勇者の館】では事後処理や、その戦闘職に渡す準備品の手配、武具等のメンテナンス、その準備品を作り上げる鍛冶士や錬金術士への対応、更には魔獣の買い取りの際の鑑定士等への対応などで、クオウはてんてこ舞いになっていた。


 事務が忙しいという事は、不始末でなければギルドが依頼を達成している証拠であり、もちろんギルドは大いに潤う。


 【勇者の館】のギルドマスターであり<勇者>として魔王を直接始末したと公言しているルーカスは、この状況に嬉しさを抑えきれずにいる。

 この男は相当な実力者であり、同行していて共闘した他の<勇者>パーティーメンバーも、ルーカスの言葉、魔王を始末したと言う言葉を肯定していたのだ。


 実際は、二度とあのような過酷な戦闘に駆り出されないように、他のメンバーが手柄を押し付けたとも言える。そのギルドマスターであるルーカスの部屋に、事務職のクオウが入る。


「ギルドマスター。以前からお願いしている事務職の増員、何時頃になりそうでしょうか?正直今の業務量は自分の処理能力を遥かに超えています。もう数か月ギルドに泊まり込んでいる状況ですので、なるべく早めに対応頂きたいのですが」


 もう何度目になるか分からない要求。

 しかしルーカスは嫌そうな顔をするだけで、真面に取り合う事は無い。


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