甘い誘惑
語彙が全然足りません。勉強します。
「湊さんて、何でもできるんですね。」
つむぎの目が湊を熱く見つめる。
「お兄ちゃんも私の友達に頼まれて家庭教師をやっていたことがあるんですけど、全然上手く教えられてなかったですよ。」
また勉強を教えてほしいとつむぎから連絡がきた時、凪の妹だし、めんどくさいことになったら困ると一瞬迷った。
だがエマに拒絶されイライラしていた湊はかわいい女の子の誘いを断ることはしなかった。
つむぎの部屋で勉強を終え、入れてくれた甘い香りの紅茶を飲む。
湊は自分をうっとり見つめる視線に快感を感じ満たされていた。もっともっと自分を好きにさせたくなる。
いままでも同じような事をたまにしていた。悪い癖と言われればそうなのかもしれないが、自分が言い寄ってるわけじゃないからと自分自身をごまかしてきた。
「何でもじゃないよ。苦手なこともあるし、失敗したこともあるよ。」
「そうなんですか?たとえばどんな?」
「そうだな…キスとか?」
「…!」
「好きな子に逃げられちゃったりしたよ。キスが上手くないのかも。」
「…。」
顔をまっかにしてうつむくつむぎ。
「…わたしなら……逃げたりしないです。」
つむぎの甘く見つめる瞳に湊は頭が痺れるような感覚を覚える。
「…じゃあ試してみる?」
目を強くつぶって震えながら顔をあげたつむぎのほほに湊は手をそえる。
「かわいいね…」
そう囁いて優しくゆっくりとキスをする。
飲んだ紅茶の甘い香りが口に広がった。
「エマー!?俺の部屋は一番奥だよ!?」
一階から凪の声がして湊とつむぎは跳ねるように離れた。
声のした方を振り返ると開いたドアの隙間から氷のような眼差しでエマがこちらを見ている。
湊と目が合ったエマはすぐさま階段を走り降りて行った。
「エマ!?」
湊は急いで立ち上がりドアを開ける。
「エマ!」
振り返る事なくエマは玄関から走り出て行った。
湊も急いで階段を駆け降りる。
階段下にはタオルと着替えを持ち茫然と立ちすくむ凪。
「湊…?」
凪に名前を呼ばれ気まずくて湊は目をそらす。
「なにしてんだよ!」
「つっ……。」
殴られるかもしれないと感じた湊は奥歯をかみしめた。
「早くいけよ!」
まさかの言葉に湊は凪を見た。
「早く追いかけろよ!」
普段の穏やかな凪とは違う真剣な表情にハッとした湊は玄関を走り出て行った。
外は先ほどよりさらに激しく雨が降っていた。
毎日コツコツ