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白い家  作者: 詩音
10/22

二階堂つむぎ

今日もタイピング練習がんばるぞ。


湊がつむぎの部屋に入ると甘い匂いがした。


女の子の部屋はどうして甘い匂いがするのだろう。湊は問題を解くつむぎの横顔を見つめていた。


つむぎが自分に対して好意があると湊はわかっていた。


たぶん玄関で初めて会った時からだろう。湊も同じくつむぎに対して瞬時に好意をもった。

つむぎは純粋そうでかわいかった。


凪は男からみてもまぁ整った顔立ちだけど、ワイルド感はなく繊細な、すこし甘い顔だが、それが女の子だとちょうどよく可愛くなるもんなんだなと思った。

「ダメです。わかりません…」

つむぎがため息をついてシュンとした顔でみつめる。


「かわいい…」


「えっ?」

つむぎは耳を赤くしてうつむいた。

つい口からポロリと本音が出て湊自身も驚いたが照れるほど湊はウブではない。

つむぎの頭をポンポンとなで

「図形のここに補助線をいれてごらん。」

顔を寄せ耳元で甘く囁く湊。うしろから抱きかかえるように腕を回しノートに線を引いた。

つむぎはさらに耳を赤くそめコクコク頷き問題を解き始めた。


エマと凪も今二人きりだ。

自分のように凪がエマにちょっかいを出していたら困るなと少し気になったが、エマはつむぎのような簡単な女じゃないから大丈夫だと思った。


中学の入学式で湊はエマに一目惚れだった。


中学の時は告白する勇気がなかったが、高校で同じクラスになり付き合うことができて自分に自信がついたのを覚えている。


エマの魅力は何と言っても美貌と品格だ。頭脳明晰で才能豊かだが、生まれ持ったものだからか本人はわりと自覚がない。家庭が複雑で愛情に飢えている感じはするが、寂しげにするだけで、好かれようと相手にこびることもなかった。湊はそこがおもしろくなかった。

女の子はみんな自分に好かれるために必死なのに、エマは何もしないでただ寂しげにするのだ。

だからと言ってエマと別れて違う女と付き合うなんて絶対に考えられない。エマと付き合っているという事実が湊に自信を与えてくれるのだから。


「解けました!」

湊はつむぎの声でわれにかえる。

「すごいわかりやすかったです。あの……また教えてもらえますか?」

つむぎが上目遣いで湊を見上げる。

「もちろんいいよ。」

女の子が、自分に好かれるために努力するのは本当にかわいいし、満たされる。

エマもこのくらい必死になれば少しは可愛げがあるのにと湊は思った。


毎日コツコツ

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