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冬野つぐみのオモイカタ ―女子大生二人。トコロニヨリ、ヒトリ。行方不明―  作者: とは


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番外編その2 人出品子の楽しい料理教室

このお話は、白日のメンバーがつぐみと会う前のお話です。

番外編ということで、品子+α視点にてお届けいたします!

 皆様こんにちは。

 人出品子です。

 本日は、朝の木津家からお送りしております。


 さて、今日はですね。

 なんか周りの皆がこぞって、『私が料理が出来ない』という思いこみをしている。

 この誤解を解かねばならないと、私は考えております。

 いざ身内に料理を振舞おうとしてもやれ。


「俺が作る! うまい和食作ってやるから、お前は座ってろ」


 だの。


「私は、出前が食べたいです」


 だの何だかバスケでも始めそうな、失礼な感じで終わっていくわけなんですよ。

 これはいけないと、私は考えました。


『殺られる前に殺る』


 ……間違えました。


『止められる前にやる』


 実行は今からです。

 なぜなら今日の午前中に、ヒイラギの学用品を惟之とシヤの三人で、一緒に買いに行っているからなんですね。

 もちろん促したのは私です。

 買い物疲れ&空腹で帰って来るであろう皆を、サプライズで喜ばせるために!

 あぁ、私はなんて素敵な従姉なのでしょう。


 先程、スーパーで今回つくる料理の材料も買ってまいりました。

 和食にしようと思ったのですが、今日はシーフードカレーにします。

 だって私、人出カレー研究所の職員でもありますし。

 さぁ、レッツクッキング。


 えーと、まずは野菜を炒めまーす。

 料理は強火が命。

 この間テレビでやってた中華料理の名人も、「中華は火力が命」って言ってましたよ。

 私、ちゃんと覚えていましたからね。

 こうですね、野菜にしっかりと火を通してっと。


 ……黒いですね。

 まぁ多少、黒くみえないこともない。

 でも黒い焦げは胃薬になるって、死んだおばあちゃんがよく言ってた気がします。

 きっと、大丈夫。


 さて、次に、……ってやばい!

 野菜に時間かけ過ぎた!

 このままでは、皆が帰って来る時間になってしまう!


 ……仕方がない、時短でいきましょう。

 買ってきたエビとアサリを、そのまま鍋にドーン!

 だって煮るから、火は通るでしょ?

 そしてさっきの野菜も鍋にドーン。

 水入れて~、カレールー入れて~。

 お、なかなかいい色になって来たではないですか!

 では味見をしてみましょう!


 ……なぜでしょう?

 何だか生臭いし、ついでに焦げ臭いです。

 あとアサリの砂でしょうか?

 口の中がじゃりじゃりしますね。

 さては、あのスーパー!

 私が素人だからって、あまり新しくない魚介を売りつけたのだろうか?


 いやいや、スーパーのせいと決めつけてはいけない。

 ここは私の、リカバリーの実力が試される場面。

 ピンチをチャンスにってやつですね。


 あ、そうだ!

 この間カレーにク〇ープ入れるとまろやかになるって、ネットで見た!

 これだよ! これしかないよ!

 あ、でもうちに〇リープ無いや。

 だったら家に今ある、クリー〇っぽいやつで何とかするしかない。

 冷蔵庫を覗く。

 ついでに冷凍庫も覗きます。


 そして、私は見つけました。

 果てしなくクリ〇プに近い存在のものを。

 (おごそ)かに私は、それを鍋に入れます。

 ついでに少しそのまま食べておきましょう。

 ……美味しいですね。

 やはりチョコアイスは、パリパリの入ったやつに限ります。

 後は混ぜれば。

 はい! 出来上がりましたね。

 あとはこれを皆が笑顔で食べるのを眺めれば、私の料理は完成です。

 あぁ、自分の才能が怖いですね。


 さっきしたカレーの味見と、追加で食べた二本のアイス。

 これらにより、私はそんなにお腹が空いていません。

 なのでこれは是非、皆に食べてもらいましょう。


 あ、帰って来た。

 さてと、皆に素晴らしい私の食事で、素晴らしいランチタイムをっ!



◇◇◇◇◇



 皆様こんにちは。

 木津シヤです。

 その日、木津家の昼食は出前になりました。

 品子姉さんは泣きながら、何か得体のしれないカレーみたいなものを食べていました。


 翌日。

 お腹を壊して、品子姉さんはまた泣いていました。

 無理やりカレーもどきを食べさせられていた惟之さんは、今日はうちに来ませんでした。

 兄さんが怒っているような、泣いてしまいそうな顔で胃薬を飲んでいます。


 今日は、私以外の二人はおかゆを食べるそうです。

 はっきり断るのは大事だな。

 私は改めて、そう思うのでした。

お読みいただきありがとうございました。


このお話、あるお方からアイデアを頂いて書いたものです。

人からの刺激を受けて書くお話と言うものは楽しいものだと知ることが出来た、自分にとって大切な大切な作品でもあったりします。


さて、本編の話を。


とりあえずこの「黒い水編」が、自分にとって初めての作品という区切りを付けたい。

そういったわけで、こちらは完結という事になります。


続編は「冬野つぐみのオコシカタ」

眠っている人や何かを起こそうとしたり、新しい事を引きおこそうとつぐみ達があれやこれやしたりするお話です。


『冬野つぐみのオコシカタ』

https://ncode.syosetu.com/n9862gp/


今まで読んでくださった皆様。

本当にありがとうございました。


そしてもしよろしければですが、その後のつぐみ達も見て頂ければと思っております。


勢いだけて書いてきたこの作品。

感想、メッセージ、ブックマーク等でとはを元気づけてやっていいよという優しいお方。

お待ちしております。

もちろん「ここって分かりづらいけど」とか、「あれはなんだったの?」というご指摘、ご指導も是非、頂きたいです。

頂いた質問、ご意見には必ず精一杯お返事いたします!


それでは改めて、

お読みいただき本当に、本当にありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最終話まで読ませていただきました。 結局、友達……沙十美を救い出すことはできなかったけど、落月を退けることには成功しましたね。 またシヤやヒイラギの想いを強くするシーンは王道で良かったと思…
[一言] 面白かったので、一気に読みました。 次回からようやくオコシカタを読めます。 というか品子の料理スキル酷すぎっwww カレーにクリ〇プは駄目だろ!! というかチョコアイスかよ、しかも自分は味見…
[良い点] 全話読み終えました! 時折グロいシーンがあって薄目で読んでいましたが、全体的にさらっとしてるのに読み応えがあって面白かったです(*^▽^*) つぐみちゃんは普通の女の子という設定ですが……
2021/05/20 14:28 退会済み
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