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冬野つぐみのオモイカタ ―女子大生二人。トコロニヨリ、ヒトリ。行方不明―  作者: とは


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冬野つぐみは思う

 ここから。

 この人物から逃げ出す方法。


 それを考えながらつぐみは奥戸へと笑顔を向ける。


 隙をついて逃げるのは難しい。

 今は自分の意志で体は動くようだ。

 だがこの店にいる間は、急に体の自由がきかなくなる可能性が高い。


 つぐみの頭に浮かぶ対策は二つ。

 一つ目はどうにかして店の扉に近づいて、そこから一気に逃げ出す。

 二つ目はなるべく時間を引き延ばして、品子達が助けに来てくれるのを待つこと。

 さらに言えばシヤの聴く力がまだ繋がっていると信じて、なるべく相手から話をさせる。

 少しでも情報を品子達に聞いてもらうことも続けていくのだ。


 正直、どれも厳しい条件だ。

 でもやらなければ結局、このままつぐみも行方不明者になるだけだ。


 やるしかない。

 そのためには、相手が自分をどれだけ把握しているかを知ること。

 そして相手の油断を見つけて、そこから相手に情報を話させることが大切だろう。


 つぐみは考える。

 どうしたら自分が生き残れるか。

 どうしたら相手の情報を引き出すことが出来るか。

 今、頼れるのは自分だけなのだ。


 ――はじめよう。

 自分は必ず皆の所に帰るのだから。

お読みいただきありがとうございます。

そろそろ終盤に向かいつつあります。

つぐみたちと一緒にドキドキして頂けるように頑張っていきます!


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― 新着の感想 ―
[一言] こう言う心理戦をピンチの中で展開する辺りが主人公してるわー、と私はつぐみちゃんに感心しっぱなしです。私ならきっと奥戸に、トイレ貸してくださいと言いつつ個室に引きこもってしまう展開です。 品…
[良い点] >「良かったですよ、この店の『さいごのお客様』があなたで」 この最後の台詞が少しぞわっと来ました。 いいですねえ、こういう演出好きです♪ というかつぐみの行動は奥戸にバレバレなのかぁ~。…
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