表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第二章からのファンタジー  作者: 生きてる涼華
1/2

<第二章>一話

 こんな結末になるのなら、やめておくべきだったんだ。


 足はちょっと前からもう動かなくなった。仰向けで横たわっているせいで、ちゃんと繋がっているのか、そもそも足の原型をとどめているのかどうかすら分からない。感覚がない。


 足音がすぐそこまで来て止まる。



「***には、期待していた。」



 それが最後に聞いた言葉だった。


 その意味を理解する間もなく、そいつの剣は俺の胸を刺した。






 __________






 <GAME OVER>






 __________






「・・・あの〜、ここはどこですか・・・・・。」


「・・・はぁ?あなた何を言ってるの。ここは私たちのギルドハウスでしょ。」


「はい?」


 僕の目の前にはひとりの少女がいた。

 中世風のロングドレスを着て青い目をしているのに前髪パッツン黒髪ストレートで洋なのか和なのかよく分からない見た目をしている。彼女が言うにはここはギルドハウスという場所らしいが、男臭い酒場のような場所だと理解した。

 なぜか呆れている彼女の話は続く。


「私たち、たった今、ククル村のゴムリン討伐から帰ってきたところじゃない!」


「あの・・・これコスプレのイベントとか?なんかそーゆう設定とかフラれてもノったりできない・・・ごめん。」


「こすぷれ?って何。もぉ、リズさーん、ちょっとこっち来てくれない?」


 バーカウンターの奥からチカチカと何かが飛んできた。


「はいはーい。リズさん呼ばれましたー。」


「え?」


 小人だ。僕の手の大きさと同じくらい小さい。


「ちがいますー。フェアリーでーすよ。って()()()くんは知ってるでしょー。」


「僕、口に出てた!?・・・ってなんで知ってるの?名前?」


「だってー、あなたは、このギルドのメンバーでしょー。」


 ギルドメンバーの名簿を見せてもらう。書かれている文字はご丁寧に日本語。

 僕の名前があった。そして、黒髪中世ドレスの彼女とは他数名のメンバーとモンスターの討伐に行っていたことが分かった。


「どうなってんだ・・・整理できない。」


 立ち上がり、ギルドハウスを出る。


「ちょっと、どこ行くの!・・・待って!」


 レンガ造りの建物、とびきりパッションな色をした見たことのない作物を売る市、街を歩く獣人、エルフ、冒険者たち。

 外に出て、確信した。


「いきなり外に出たと思ったら、急に立ち止まって、なんか変だよ?」


 ここは、異世界だ。


「あの、信じてもらえないとは思うんだけど、たぶん僕は、こことは違う世かァ***」



 感覚がない。






 右足が、とれた。






 __________






 2020年7月30日

 僕は異世界転生した。






 __________






「・・・ここはどこだ。」


「えっとー・・・あなたの所属事務所の演藤(えんどう)プロダクションよ?()()()くん。」













読んでいただきありがとうございます。


レビュー、ブックマーク、励みになります。


次回投稿は不定期です。

コメントでのご意見なんでもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ