表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも理想のパーティー構成に実力以外が考慮されなかったら?  作者: 雪月 桜
プロローグ:【白木 春】の転生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/81

アインの悲運

「あれっ? ハルさん、まだ回復してなかったのですます?」


「だらしないな~。お兄さん。まぁ、ウチも体力がある方じゃないけどね」


俺がキースについて考え事をしていると、ふいに、からかうようなセリフが聞こえてきた。


そちらに顔を向けると、ミルクとアインの二人がギルドの一階からBARに降りてくるのが見える。


実はパーティーの参加者が多いため、地下のフロアだけではスペースが足りず、受付フロアにも予備の机を出して会場にしているのだ。


どうやら、二人は今まで、一階で知り合いと談笑していたらしい。


ちなみに、今回は気軽な立食形式のパーティーだな。


ギルドでの祝い事は、これが定番なのだとか。


「しょうがないだろ? あんな大量のモンスターと戦って、ゴーレムにも止めを刺して、最後はドラゴンと鬼ごっこまでしたんだから。つーか、途中参加のアインに言われたくないぞ」


「あー、それもそやね。お兄さん、痛いとこ突いてくるなぁ」


困ったように頬をかきつつ苦笑するアインを見て、俺は、あることを思い出す。


「って、そうだよ! 結局、アインが遅れた理由ってなんだったんだ?」


あの時は詳しく聞いてる余裕が無かったし、もちこの証言で不穏な疑いは晴れたけど、真実は謎のままだ。


「あのぅ、ハルさん。その話なのですが、私がアインさんの潔白を保証するので、追及は()してあげて欲しいですます」


なるほど、どうやらミルクは気付いたみたいだな。


俺がアインを疑っていた事に。


「いや、潔白とかは、もう別に良いんだけどさ。もちこも大丈夫って言ってたし。……その様子だとミルクは詳しい話を聞いたのか?」


「はい。それで、その真相を男の子に話すのは、女の子の名誉的に忍びなく……」


申し訳なさそうに頭を下げるミルクから、視線をアインに移す。


普段は、どちらかというとサバサバした雰囲気の彼女だが、今は頬を染めて俯き気味で、非常にしおらしい。


そして、恐らく無意識の反応だと思うが、下腹部に手を当てていた。


……うん、なんか、これ以上は危なそうだな。


「よし、分かった。この件に関しては、もう無かったことにしよう。それで良いな?」


「う、うん。街が大変な時にタイミング悪くて、ホンマごめんな?」


「あー、いや気にすんな。誰だって調子悪いときはあるさ」


タイミングとか言ってるし、これは多分、あれだな。


女の子限定で発生する、月に一度の恒例行事的な奴だ。


男には、その辛さが分からんし、あまり責めるのも酷だろう。


というか、それなら今日は早めに帰って休んだ方が良いんじゃないか?


そんな、俺の気遣いは——、


「あら? アインったら、まだ帰っていなかったの? スライム用の餌を味見して、お腹を壊したって言うから()てあげたのに。後は暖かくして早く寝なさいって言ったでしょ?」


唐突に現れたプリムが事情を暴露したことで遮られた。


「って、そっちかよ!?」


性に関することだと勘違いして、気まずくなった純情な俺に謝れ!


などと、恥ずかしくて口に出せるハズもなく……。


俺は赤くなった顔を隠すように、明後日の方向へ視線を逸らしたのだった。


……ちなみに、アインもアインで羞恥に耐えられなかったらしく、無言で足早にギルドを去って行ったが、まぁ、これで早めに就寝できるだろう。


ある意味、結果オーライと言えなくもない……か?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ