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4 悲しいことに

...まあ、過ぎ去ってしまった前世のことはひとまず置いておこう。大事なのは、今の―今世のことだ。


この数か月、赤ん坊としていろいろお世話されながらも、少しずつ会話や身の回りの物から情報を集めてきた。喋れないし一人では満足に動けることもできないため、かなり断片的な情報ではありるが、それでも十分な成果と言える。...悲しいことに、アンナ嬢の“クリス様”の話が一番信ぴょう性の高い情報源だった。




さて、とりあえず重要な疑問と、それへの考察と対応策をまとめてみるとしようか。




その一。何故死んだのか。



これは、あのお話とは少し違うかもしれないが、死んだ本人が語るのだからこれが正しい死因のはずだ。



あの処刑の際、私には魔力封じの首輪が付けられていた。この魔力封じの首輪は、付けた相手が魔力を使うのを禁じるものだ。だが、これには二つ抜け穴がある。



一つは、すでに発動中の魔術や精霊に頼んで既に行使されている魔法をやめさせることはできない、という点。これにより、王城の結界は首輪をつけられた後も残り続けた。



そして二つ目は、厳密にいえば、魔力の使用を禁止、ではなく、体外に放出される魔力を吸収する、ものであるという点。一度に吸収できる量以上の魔力を一瞬のうちに出せば、精霊に魔法の行使を頼むための魔力くらいは吸収されず精霊に届けることが出来る。前世の私はこれを利用して、ルーチェ―私と契約した光の精霊王のことだ―に魔物を倒してもらった。



...そして、その際かなり無理をして、体内の魔力全てを放出したのが死因だと思う。人間は誰もが生まれながらにして魔力を持っている。その質や量は人によって異なるが、人類全般に共通して言えることとして、魔力がないと生きていけない、ということが挙げられる。なんでも、体と魂を結びつけるのに魔力が必要なのだとか。



そのため、魔力を持っていないとそもそも生まれてくることが出来ず、また大掛かりな魔術を使った神官や魔術師が命を落としてしまうことがあるとのこと。実例を見たことはなかったのだが、まさか自分がそうやって死ぬとは思いもよらなかった。



まあ、大規模な結界を張ってもらうのにかなりの量の魔力をルーチェに差し出し、魔力を回復させる間もなく三日間ずっと王都中を走り回って魔物を倒し住民を避難させけが人を癒し...ずっとそれを繰り返していたのだから体内の魔力が少なかったのも当然だ。むしろよく最後にルーチェに差し出す分の魔力が残っていたと思う。




結論:魔力不足による死。




ちなみに、精霊とは、神々のような存在が魔力に宿ることでこの世に姿を現し、契約を結んだ人間が魔力を行使する際に手助けをしてくれる存在だと言われている。精霊に魔力を渡すことで、その対価として魔法を使ってもらうことが出来るのだ。もちろん強い魔法を使ってもらう時は、より多くの魔力が必要になる。結界もかなり強力な魔法の一つなので、かなりの魔力を差し出したのだ。契約した精霊の格の高さによって必要な魔力量や使える魔法が異なり、また契約した精霊とは自らと一体化させてより強い魔法でもって戦うこともできる。



あと、精霊が行うものを魔法、人間がそれを模して行うものを魔術と分けている。魔術陣がいるか要らないかの違いでしかないが、人間は魔術陣なしには絶対に魔法のような現象を起こせないのだ。何故なのかはまだ分かっていないのだが。

誤字脱字あったら教えてもらえると嬉しいです。

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