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いきなり危機

日々、魔物との戦いが続く。

もう少しで街に着く。

獣人の妹(りりむ)は、ニコニコしていた。

今日は、レベルが上がったのだ。

やっとレベル50になった。

丁度、キリ番でもあった。


「お兄様、今日は街の宿屋に泊まりたいです!」

「そうだな…

 最近、野宿が続いていたしな…」

この世界では、街と街との距離が非常に遠いのだ。

しかも、魔物がたくさん出る上に、

何故だか、街道だけがずっと続いており、

民家もお店もないのがフツーなのだ。

元の世界の常識は、この世界では通用しない。

食料品も、街で買い込んでおかなければならない。


ザザザッ。

目を上げると、魔狼の群れに囲まれている。

また、このパターンか…。

毎日、このパターンなのだ。

複数の魔物にいきなり取り囲まれる。

それも、元の世界だったら、即死級の魔物だ。

「俺がやる」

戦闘態勢に入ったリリムを制する。

こういう場合、相手の魔物が素早いので、

下手に物理攻撃で行くと、ダメージを喰らう可能性がある為だ。

俺の魔法は、無詠唱で発動出来る。

どうやら、運良く、天性の才能らしい。


俺とリリムの周りに、炎が渦巻く。

円形の炎は、少しずつ、その直径を広げていく。

同時に、俺は叫ぶ。

火炎刃(ふぁいあー・ぶれーど)!!!」

すると、炎は刃と化し、解き放たれた。

魔狼の群れが一気に炎に包まれる。

強力な魔法だ。一瞬で相手を焼き尽くす。

炎が消えた時には、魔狼の姿は無くなっていた。


リリムが溜め息を吐いた。

「お兄様…早い!!!」

そして、確認するかの様に、辺りを見回す。

今は、魔狼の姿は、どこにも無かった。

安全そうだと分かったのか、リリムがほっとした顔をする。

魔狼の大群は恐ろしい。

油断すると、一気に襲い掛かってくる。

無詠唱でも、魔法の発動が間に合わない時があるのだ。


これまでの状況だけ見ると、無双に見えるかもしれない。

実際、魔法さえ、時宜を得て発動すれば、無双なのだ。

何せ、俺がこの世界に転生した時には、もう既にレベル99だったのだ。

そして、MPも999…つまり、数値上、MAXであった。

そして、魔法も既に概ね習得済みであった。

つまり…魔法さえ、きちんと発動すれば、ほぼ無敵だったのだ。

きちんと発動しさえすれば。


だが、そんなに理想通りの展開など、あるはずが無い。

この世界に来て、最初に困ったのは…

そう、魔法の使い方が分からないのである!

ここに来て、最初に知ったのは、俺は魔術師らしいという事だった。

そして…その時はやって来た。

魔術師なのに、魔法が使えない俺に、いきなり試練が来たのだ。


「ゴブリンが襲ってきたぞー!!!」

その叫ぶような声に、思わず、俺は小屋の外に出た。

そして、見たのは…この小さな村を取り囲むように立ち尽くす

ゴブリンの大群だった…!!!

見ると、ゴブリンたちは、剣や弓や槍など、

各々が武器を持っており、中には、盾や鎧を装着しているモノまでいる。

そう、村は完全包囲されていた。

村人は…縋るような視線で俺を見つめてくる。

「クルトさん…お願いいたします!!!」


しかし…俺は、その時。

魔法の発動の仕方さえ、分からなかったのである…!

思いつくままに書いてます。

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