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星人(ほしびと)

作者: 雨空涼夏

綺麗なんて言葉じゃ言い表せない。

あれ程怖がっていた世界は光で満ちていた。

虹なんて比じゃないくらい鮮やかな光線は、僕等を何処までも深く優しく包み込んでくれている。

星は遠くにある訳じゃない、手を伸ばせば届くようなそこに何時でも輝き続けている。


僕は星の旅人だ。何処にあるかも分からない光を求めて果てない闇で藻掻き続けた。

宇宙に届く高い山も、光の届かない深い海にも、誰も届き得ない銀河の果てもにも、僕の求める星はない。

あれ程強い輝きを宿す星でさえ、時の中では砂粒のように掠れ埋もれる。


「僕の星は何処に在るのだろう」


永劫の時を歩んで星人ほしびとは、誰もが羨む星となる。

星を求め星となった人々は、自らが星になった事も忘れ自らが求めた見つかることのないゆめを追い続ける。


彼等が惑星ほしを通り過ぎる時、誰もが手を合わせ願う。

星となった彼等の想いに乗せて、願う。


「何時か、輝ける時が訪れますように」


星人ほしびとは微かにまたたいた。

今も何処かで星人ほしびとは、暗い世の果てを飛び続けている。

彼等も何時か気付く時が来るだろう。

星は何時だって、すぐ近くで輝いているのだ。


貴方の傍にも、足元にも。

少し腕を伸ばせば良い。


ゆめはそう遠くない。我等が近いと思えばそれはすぐそこにある。


我等は星人ほしびとだ。

星を追い求め、掴んだかすら解らず朽ちていく。


気付かない所に、本当の星はある。

知らない角度に、本当の夢はある。


星を求め、生きていく。星を求め、死んでいく。


「私は、僕は、旅人だ」


星を探す、夢人ゆめびとだ。


その手に星を掴むまで―――

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