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第1話 発見

 『本日は、日本がこの世界に転移してからちょうど4年が経った日となります。さて、本日はこの転移記念日ということで、この日本を取り巻く国際関係について○○大学からお越しいただいた専門家の方に説明していただきます――――。』


 とある晴れた日の日本、そのなかでも首都東京にある首相官邸の、内閣総理大臣の執務室にあるTVからは昼頃に放送される討論番組が放送されていた。


 「そういえば、今日はそんな日でしたね総理。」


 「ああ……思えばあっという間の出来事だったな。」


 その部屋では2人の人間がとある話題について談笑していた。1人はこの日本国においての政府の長である第106代内閣総理大臣 近藤 昭明だ。歴代総理の中でも2度ほど総理大臣を務めており、今年で67歳になるが生涯現役と豪語するほど非常に豪胆な人物として国民の間で人気となっている。

 また、政治面においても非常に突出した人物であり彼の支持率は驚異の70%越えでもある。また、もう1人の人間はこの総理に長年付き添ってきた秘書である。

 

 「……ええと、それでは午後の予定となりますが、このあと14:00から官邸危機管理センターにてNSC(国家安全保障会議)、19:00からはランカー連邦国からお越ししたアーベル大臣との晩餐会が予定されております。」


 「ああ、わかった。それじゃあ向かうとしようか。」



☆☆☆☆☆



 ――――日本はある日、太平洋上のとある場所で偶然ワームホールを発見した。当初は世紀の大発見として日本中を賑わせ、世界中の科学者たちにとっては驚嘆する出来事であった。


 この未知の現象に対し、日本政府は早速この現象について各大学から選抜された研究者からなる調査隊を派遣した。すると調査を始めてからわずか数日でとんでもない事件が発生してしまったのだ。


 それは調査隊が観測するために持ち込んでいた観測機がワームホールに飲み込まれてしまったという大事件だ。


 当然のことながら日本政府はこの事件は全く予想していなかった。というのもまさかワームホールがいきなり肥大化して観測機を引きずり込むなど調査隊を含め誰も予想していなかったからだ。


 だが、この事件によって予期せぬことが判明したのだ。それは飲み込まれた観測機がなぜか生きており、それが【ワームホール越しの地球と異なる世界】を観測したという事だ。


 これにはさしもの日本政府ですら驚いた。いままで地球に似た星は発見はされてきたが、そのいずれも何光年も離れた場所にあり、人類ではいまだ到達不可能であったからだ。今回の発見でもしかしたらそのどれかに繋がったかもしれなかったからだ。


 政府の中にはこの情報を世界に公表しようと息巻く人間もいたが、これを発表する事による影響を考慮した総理の一声でこの調査結果は特級機密事項として扱うことが決められ、極秘に調査を行うことになった。

 報道に関しても極力ワームホールについてはあくまでも調査中である、として報道し国民からワームホールについて意識をそらせることとなった。


 そして更なる調査を行って判明したのが、このままだとあと数年、早くて数カ月で日本全体をこのワームホールが覆い隠し、向こうの世界に【転移】してしまう、との報告が日本政府のもとにもたらされたのだ。


 この情報は日本政府をさらなる混乱に陥れるには充分であった。世紀の大発見であるワームホールを見つけた矢先、まさか日本がその世界に転移するなど性質の悪い冗談でしかなかったからだ。


 それに、もしこれが世界に露呈すれば日本の経済に多大な影響を与え、最悪の場合日本が崩壊してしまうことが予測視されるのだからそれも当然ともいえる。


 この報告を受けた政府としてもただの冗談であってほしかったのだが、2年前に本格稼働した国内最高性能を誇るスーパーコンピューターをもつ施設に極秘裏に依頼して計算した結果、それがまぎれもない事実であると判明してしまったのだ。


 この結果を受け、日本政府は即座に行動を開始した。

 まず、いままでの食糧生産率の低かった状態を打開するために日本国内で建造中だった農業用洋上プラントを数カ月以内に稼働させることを決定した。


 また、転移までに資源が発見できなかった場合を想定し戦略物資の備蓄を強化。そしてそれと並行してワームホールの向こう側は生物が生存できる環境なのかも含めた本格的な調査と探索をすることとなった。


 そして探索を初めて3週間がたったある日、事態は一気に動きだした。なんとワームホールの向こう側の世界に我々と同じような高度な文明を有する国家が存在すると分かったのだ。

(とは言え観測機器で国土を見つけたわけではなく、彼らと偶然遭遇したことによって存在が分かったのだが。)


 調査を始めてから、ようやく大気調査が終わり生物が存在していると判明していたところに高度な文明をもった国家といきなり鉢合わせてしまったのには調査隊の1人が驚きのあまり失神してしまったほど驚愕の出来事であった。

 

 そして、偶然遭遇したその国の名は「ランカー連邦国」といった、地球でいうイギリスと同規模の国力を持った先進国であるそうだ。


 最初に調査隊と出会ったのは彼らの駆逐艦であった。ちょうど我々日本海軍が保有している、第4世代銀河システム搭載艦である【高尾型】に非常に酷似した艦であり、調査隊が日本海軍の演習と勘違いしてしまうほどであった。


 ――――彼らはどうやら我々を不法入国者かなにかと勘違いして我々を捕まえようとしたらしいが、言語が全く通じない上に不法入国者のくせにあまりに恰好がおかしかったこと、そして我々のボディーランゲージによる必死の説得によってまさかの異星人と判明したときは非常に驚いた、とのちにこの艦に乗っていた乗務員によって語られた。


 この接触はかなりの想定外であったが、それからなんとか数週間かけ防疫関係の問題が解決するとその後は非常にスムーズに事態は進んだ。


 このランカー連邦国が我々と同等の倫理観や道徳心をもつ先進的な文明国であったのも幸いし、接触からわずか2カ月で日本の国家としての承認がなされ、そしてそのわずか数週間後には彼らの世界での国際連合への加入が決定したのだ。


 また、最初に接触したランカー連邦国を始めとした数ヶ国が仮のものではあるが国交を樹立、日本が今後転移してきた場合に備えて大規模な貿易を行ってくれることも決まったのだ。まさに日本にとって幸運の連続でもあった。


 だが、幸運も長く続くとは限らない。

 


 日本が転移してしまうかもしれない――――この情報がついに全世界に知られてしまったからだ。




いきなり転移なんかやらかすと100%詰んで国家滅亡待ったなしなのです。また史実日本のようなグローバル経済にどっぷりつかっている状態だと同じくらい滅亡しちゃうのでこうなりました。


これだけご都合主義にしとかないと死んじゃう日本は貧弱ですね(米帝基準)


>>第4世代銀河システム搭載艦

捕捉し忘れていましたがこれはイージスシステムのベースライン4とほぼ同じ性能を持つ国産の防空システムである……という設定です。そのうちいっぱい出てきます。



情報過多になりがちでほんと文才ないなと実感しました。

感想待ってマース

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