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物理実験室の日常  作者: きゃたぴらもどき
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入学編

どうも、きゃたぴらもどきです。高校で部活しながらこちゃこちゃ書いてます。ゆっくりしていってください。できるだけ早く次もあげるのでどうぞ、読んでください。

フィクションです。実際の個人、団体には一切関係ございません。ご了承を・・・



「よーし。今日もいっちょやりますかー!」そんな声が7月の物理実験室に響き渡る・・・ 


僕の名前は塚村孔太。みんなからはコウとか、ツカムーって呼ばれてる。まぁまぁごく普通の高校生・・・ではない。幼い頃からピアノ、サッカーを習っていて、共に全国へ行っている。勉強もできて、所謂才能あるけど、努力しない・・・っていう人間。見てくれは、いい・・・らしい。自分の顔は好きではないのだが・・・背は高く、少しやせている。自信があるのははコミュニケーション能力。たいていの人間とはすぐにしゃべれるようになる。ま、自己紹介はおいといて・・・


この性格のせいで、高校落ちた。僕の住んでるS県では、特色制度があり、合計2回公立高校を受けることができる。親、塾の反対を押し切り、たいした努力もせずに県随一の進学校である、某Z高校受けた結果、ものの見事に落ち、結局国宝城の敷地内にある次席の霧峰東高校に進学した。この高校は140年の伝統をもつ高校で、所謂努力する人間の集まる場所である。親、塾にはさんざんに言われた。まぁ、幼なじみの結季と凛人は、同じ学校に通えてうれしそうだったが・・・


幼なじみの紹介をしよう。

北野凛人は同い年の16歳。幼稚園から同じで、ずっと一緒にサッカーをやっていた。奴の方が若干下手だったが、比べずとも熱意はすごかった。成績はぼちぼちでよく霧峰に入れたと自分でも驚いていた。そして・・・イケメンである。僕よりずっと。結構強気な性格だが、周りをよく見る良い奴だ。年に10枚はラブレターをもらっているが、返事をしている姿を見たことがない。ちなみに僕は、4、5枚。何か少し悔しい。

小谷結季は一言で言うと頭がおかしい、クレイジーな奴だ。成績は凛人と僕の中間くらい。けど、異様に頭が切れる。普段はおっとりしていて優しいが、テンションが上がると叫ぶ、踊る、笑うetcでまぁ酷い状態になる。本人に自覚はないようだが。かわいいのになんか違う。そんなかんじだ。中学からサッカー部のマネージャーを始めた。その切れる頭を生かして実質監督に成り上がっている。


そんなこんなで3人一緒に霧峰高校へ進学した訳だが・・・


4月。何のモチベーションもなく入学式を迎えた。校舎新設ということもあり、きれいで整った教室で新入生歓迎テストとかいう訳の分からないものを受けさせられたその日の放課後・・・

「あーだるかった。この学校に来たの間違えたかもだわ。」

とつぶやいた凛人に対して

「この学校のテスト、解かせる気あるの?って問題ばっかだからねー。」

と結季。

「そーいや理数特化コースはどうなんだ?コウ」

「凛人には絶対無理な環境だとだけ言っておこう。といえばわかるか?」

「あー、ひっでーなー、コウ。そんなこと言うくらいだから、なんかあったのか?」

「異様に真面目なふんいきだったなー。疲れそうだ。あと、HR委員長をやらされるハメになった。」


閑話休題

霧峰東高校には理数特化コースが設置されている。入学前に希望をとり、40人を選抜する・・・というものだが、今年は希望者が36人しかおらず、希望者全員が理数特化コース入学という異例の結果となった。理数特化コースには基本的にクラス替えがなく、担任も異動がない限り同じだ。そのため、3年ともなれば仲良くなりすぎるらしいのだが、そんなことがあるのかと思ってしまうほど教室は静かだった。持ち前のコミュニケーション能力を発揮して、話しかけてみても、「あ、はい。」みたいな生返事しか返ってこない。困ったものだ。


「そういえば、部活は・・・って愚問だったかなー?」

「そりゃあまぁな。俺らはサッカー一択っしょ。なぁコウ?」

「そうだな。他に気になってる部活もないし・・・あってもサッカーだな。」

「1年からレギュラー絶対取ってやる!」

「そうだな。まぁぼちぼちいこうとは思うが。」

「2人とも相変わらずの温度差だねー。わたしはやっぱリンを応援するよー。いつもコウが勝っちゃうけどなねー。」

「そんなことは・・・あるか。まぁ仕方がない。よかったなーリン。結季に応援してもらえて。」

「おま、言ったなー。次は絶対勝つ!覚悟してろよ!」

「去年も言ってたねー。それ。」

「そうだっけか?ぐぬぬ・・・今年こそは!!」

3人が一緒に通い始めてから10回目の、何ら変わりない春だった。


5月、6月・・・

中間テストなどもありながら、部活をする日々が続いた。僕はHR委員長ということもあって、部活に出れない日が続いた。夜は凛人と練習していたため、体がなまることはなかった。そんな矢先に練習試合があった。監督は積極的に1、2年を使っていく人のようで、後半から、凛人と2人で3年に変わって出場し、コートを駆け回った。9年もずっと一緒の凛人とは、そりゃまぁ息は合う。交代させられるまでの25分間、2人2得点に絡む活躍をし、試合に勝った。結果的には、この活躍が3人の人生を狂わせることになる。


試合後

ミーティングで、監督が凛人と僕を正式にレギュラーとして考えることを発表した。監督が去った後、部室は異様な雰囲気に染まっていた。

「おうおう、さすが全国組の天才さんはすごいなー。」

「俺らの積み上げてきた3年間を一瞬で奪いさるんだもんなー。」

「ろくに練習も来てないくせに。良いご身分だな。」

妬まれることはよくあった。もっとひどいことを言われるのもしばしばだった。しかし、何か嫌な予感がして、どうしようかと思ったその時、後ろで話を聞いていた凛人がついに我慢できなくなってしまった。

「先輩!お言葉ですが、コウは毎晩俺と練習してました!しかも、先輩方よりずっと練習してきました。奪われて嫉妬しているくらいなら、それなりの努力をして奪い返したら良いじゃないですか!」

「お前も塚村と同じだろうが。レギュラー取っていったくせに。生意気なこと言ってんじゃねぇ。」

そういって、3年の一人が凛人を押し倒した。「黙ってりゃお前はなにも言われなかったのになぁ。」3年が下卑た笑いを漏らす。何かが自分の中で弾けた気がした。

「黙って聞いてたらなんですか。嫉妬ですか?自分が才能ないからって、才能がない上に器がちっちゃいなんて救いようがないですね。僕達が邪魔ですか?いなくなって欲しいんですか?いたらチームは強くなるけど自分達が目立たなくなりますからね。子供みたいな考え方しか出来ない自己中クズは黙ってて下さい。」

満面の笑みで言ってやった。こんな怒ったのは何年ぶりだろう・・・と思っていると、案の定3年が顔を真っ赤にしている。今まで黙っていた、キャプテンも

「塚村!それはいいすぎだ!」

と言ったのと同時に、レギュラーを奪われた3年が動いた。スパイクで、ほんとにサッカー部?と聞きたくなるほど遅い蹴りを繰り出してくる。軽く避けられるものだったが、あえて膝で受けて、盛大に痛がる。もちろん凛人にはぺろっと舌を出して、演技だと伝える。さすがは一緒に修羅場を乗り越えてきた親友だ。何が言いたいか分かったようで、

「どうするんですか!現レギュラーを傷つけてまで、レギュラーになりたいんですか?っやっぱりくずじゃないですか。」

と、一芝居打ってくれた。さすがと思いつつまだ痛がっていると、これも呆れるほどいいタイミングで結季が監督を連れて部室に入ってきた。

「これ1年のユニフォ・・・大丈夫!?コウ?」

と結季。こちらは演技でなく、おそらく素であろう。

「お前らどういうことだ!これは!何てことをしてくれたんだ・・・」

と監督が一喝。これで、普段は冷静なキャプテンを含めた3年全員が顔を青ざめさせてしまった。


その夜・・・

病院へ連れて行かれた僕はスパイクで蹴られたこともあり、全治3ヶ月と診断された。返ったらすぐに凛人に電話をかける・・・

「お疲れ、リン。」

「あーコウ!大丈夫か、膝?」

「あー問題ない。全治3ヶ月とは言われたが、あまり痛くはないし・・・それよか、さすがの対応力だったな。」

「3ヶ月!?まじかよ・・・まぁお大事に。それよかちょっとやり過ぎたかも知んないぜ?部停1年になりそうだってよ。」

「ほんとか?それは悪いことをしてしたな。これをきっかけに部活をやめようとは思っていたが、リンにまで迷惑をかけてしまうとは・・・」

「え?コウ、サッカーやめんの?」

「あぁ、他のチームにいっても同じようなことになるだろうし、そもそも3年がかわいそうに思えてきた。受験も考えないとだしな。」

「ほんと、なんつー自信だよ。そっかー残念だな。コウとインターハイ出たかったのにな・・・。」

「すまない。これも勝手な話だが、リンにはサッカーを続けてほしい。結季と一緒に3人の夢を叶えてほしい。」

「あぁ!絶対やってみせる。プロになってお前より凄いことを証明してやる。」

「期待してるぜ。クラブチームも幾つか推薦来てたから、代わりにリンを推しとくぞ。」

「おぉ、さすがだ・・・そーいや、コウは次の部活どうすんの?」

「んー。まだ考えてない。特に入る予定はないが・・・1年から帰宅部というのも少し嫌だな。」

と、笑いながら言ったところであくびが聞こえてきた。

「もう12時か。今日は色々あったから少し疲れたな。明日一緒に退部届けを出そうか。」

「え?もう?俺宿題やってなかった!!宿題やらなきゃだから、面倒な手続きは頼んだ!バイバイ。」

慌ただしい奴である。

「リンの推薦も今日中にするか・・・」とつぶやいて、深呼吸。体を一伸ばしして、作業に取りかかる。静かな夜は更けていった。



あーーー!物理班どころか、日常にすら入ってない!コウくんちょっと怖かったっすねー笑

国宝城の中に本当に高校ありますよ!是非ググってみて下さい。彦根城、高校で出てきます。春とかマジきれいです。暇でしたらリアルで遊びにきて下さい。それでは、次もどうぞよろしく

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