あなたに話す物語
ええ、ありがとう。いただくわ。
砂糖は自分で入れるので結構。
同じスプーン2杯でも人によって微妙に違うのよ。私の采配で入れさせて。
……じゃあ、そろそろ話してもいいかしら?
その……あなたなら、この在り来たりで突飛でファンタジックでハーレークインチックで馬鹿馬鹿しい……。
ううん、えっとつまり、この驚くべき我が身の上話にもついてこれると思ってるの。
そう。改めて説明すると、私はシャーリィ。
ロスヴァル公国の公女、シャーリィ・デ・ラ・ロンズデーライトだったの。
ずっとこの話を誰かにしたかったわ…。
私はずっとお城で暮らしてたいたかったの。
そう、そうそのお城。
石垣の立派な日本のお城じゃなくて、ドイツとか、フランスとかに建ってるお城ね。
え? ……細かい部分は、わからないなら聞き飛ばしていいわ。
どうしてこうしたかって言われれば、すごく話が長くなるのだけれど……。
私がシャーリィ・デ・ラ・ロンズデーライトであると自覚した頃から話す事になるんだけど、いいかしら?
かなりファンタジーな話になっちゃうんだけど、 構わない?
……そうね、そうよね。
そりゃあ、聞いてくれるわよね。
なら、仔細漏らさず説明させて貰うわ。遠慮なく。
ことの始まりは、私が6歳になったお誕生日の日だった……。