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008.ダンジョンの誕生と初めての魔物





試行錯誤、とまではいかないぐらいに考えて、ダンジョンの名前を「シュテイル」に決めた。理由を齧ると、静かに平和に過ごしたいという意味を込めた。



そして、ダンジョンの名前を決め、青白い光を放つ核の前に行き「シュテイル」と呟く。



––––––––––––––ゴゴゴゴゴゴゴッ



突然地割れのような音と振動がダンジョン内に響き渡り、少しすると落ち着いてきた。



「な、なんだったんだ?」


転ばないようにしゃがみこみ、シオンに確認を求める。


「少し様子を伺ってまいります」


そう言ってシオンが書斎から出て5分後、



「ダンジョンの入り口が出来上がりました。確認しに行きましょう。」


と言ったので、スライム達の部屋を通りまっすぐに繋がってる光の方向へ歩いて行った。





–––––––



外へ出ると、辺りは一面の草木に囲まれ大きな木に埋め尽くされていた。しかし、鬱蒼としているわけではなく、太陽の日差しも程よく入っており、小川もそばにあって一言で表すならば、平和と言える場所であった。



それにしても、転生してからおよそ25日、

久しぶりの日差しにテンションが上がる。


ハヤトはちょうど陽の当たる芝生に大の字になって寝転んだ。



「あーーーーーー、外最っ高!!」



その様子を見ていたシオンはクスクスと笑いながら、頭の中で悶えていることには誰も気がつかない。



その時、シオンがハヤト以外の気配を感じ、辺りを見回す。



「ん?シオン、どうした?」


気が緩みまくってしまっていて、緊張感の欠片もないハヤトは大の字のままだ。


「ハヤト様、近くに魔物がいます。ダンジョンにお戻りください。」


「あー、まじか。」



事実、今のハヤトの戦闘力は皆無だ。ダンジョンマスターの能力は、ダンジョンのためのスキルしか覚えられない。ましてや、今まで敵らしい敵にもあったことがないので戦闘経験は無し。レベルも1のままだ。


素直にシオンの陰に隠れるよう、ダンジョンに戻る。




すると目の前の木陰から、青色の眼をした小さいウサギが2匹出てきた。



「あれは、ブルーラビットですね。レベルは1〜5レベルの低位魔物です。退治しますか?」



見た目がすごく可愛らしいので、殺すことにものすごい抵抗感がある。しかし、ウサギはウサギでも、一応魔物だ。理性の欠片もない野蛮な魔物。



「ああ、任せた。」


「かしこまりました」



そこで、初めての魔物退治が行われた。

忘れてはならないのが、シオンは5000ptもかけて召喚した魔人であること。


召喚してから彼女の戦闘姿は初めて見るが、不安はあまりない。黙って観戦していよう。



「 吸 技 」


そう言うと、シオンは高く跳び上がりブルーウサギの目の前に一瞬でたどり着き蹴り上げた。


一撃でブルーウサギは絶命した。その瞬間、頭の中で音声が流れた。



–––––––––ダンジョン外討伐 50pt獲得




ダンジョン外討伐…?


ダンジョン外で倒した際にポイントが入るとは思っていなかったが、思わぬ収穫だ。



「シオン!残りの1匹をダンジョンの中で倒してみてくれ!」


「かしこまりました」



シオンは残りのブルーウサギの目の前に立ち、うまくダンジョンの方へ誘導していた。


「よし、今だ!」


声をかけた瞬間に、再度蹴り上げる。ダンジョンの壁に思い切りぶつかり、一瞬ダンジョンが崩れるんじゃないかってぐらいの衝撃が走った。



その時、また頭の中に音声が流れる。



––––––––ダンジョン内討伐 100pt獲得




ポイントが2倍だと…

むしろ、外で倒すとポイントが半減すると言った方がわかりやすいか。これは考えて倒していかないと結構損することになる気がする。



「ありがとう、シオン。今日はもう戻ろうか」


「いえ、お役に立てて光栄です。かしこまりました」



いつも通り、優しげな笑顔を浮かべて一緒に書斎まで戻った。







––––––––––––––––––––––––––––––––



✳︎ハヤトサイド



今は夜。良い子は寝る時間だ。


俺のこの体は、元の世界と比べると同じなわけではないが、見た目はほぼ同じだ。


死ぬ前と同じ見た目であり、歳も死んだ時から変わらない。ヒゲも生えないし、髪も抜けない。食事もとらない。


だけど、睡眠だけは必要みたいだ。夜になるといつも睡魔に襲われる。何故睡眠は必要なのだろうか。疑問だ。



疑問といえば、ふと思ったことがある。


シオンの見た目は凄く優しげでおしとやかな可愛い印象を受ける。しかし、話し方が凄く堅く、一言で言えばクールな印象を受ける。それが見た目と反していて少し違和感を受けていた。



「俺が創造主だから、そうしてるのか?それとも、本当にそのままの性格なんだろうか…?」



まだシオンが召還されてからひと月も経っていない。これからたくさん話していけばきっとわかってくるだろう。


頼りっきりで情けない創造主なので、それまでに呆れられなければいいが…




とりあえず寝よう。睡魔のレベルが高すぎて、俺には勝てない。睡魔はこの世で一番強い魔物ではないだろうか。睡魔、だしな。



うん、おやすみなさい。



少しずつ誤字を訂正していこうかな。

文字数を増やしたくて頑張ってるけどいつも想像してるより少なくなってしまう…

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