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002.神様降臨





「そろそろ目を覚ましてくれんかね?」



ふと声が聞こえた気がして、意識をたぐりよせ目を開ける。



「あ、れ?ここはどこだ?」


周りを見渡すと真っ白な空間がずっと続いていて、一周見渡してみるとそこには白ひげを長く伸ばした70過ぎぐらいの老人がいた。



「やっと目を覚ましおったわい。お主、今どういう状態かわかるか?」



呆れたように声をかけて質問をしてくる。



「え、いや・・、俺、道路にはみ出して動かなくなってた鳥を道のはじによけてあげようと思って気づいたら」


「そうじゃの。お主は鳥を助けようと道路を横断する時に居眠りしていた車に跳ねられ、死んだ」


「し、死んだっ!?」


嘘だ。たった今さっきまで、いつも通り坦々と仕事して、疲れ切って自転車漕いで、独り言喋って...って、思い返すと生きてた楽しい実感がないな。情けない。



「本当じゃよ。そこでな、お主があまりにも平凡すぎる生活を過ごし、なにか楽しめるものも無く死んでしまったことが少し可哀想に思えてな、ほれ見てみろ」



可哀想って、余計なお世話だ!

そう思いながら、老人が差し出してきた手のひらを見る。



「なんだこれ、サイコロ?」


そこにあったのは、サイコロのような形の正方形のブロック。数字の点の代わりに書いてあるのは、「人族」が2つ「獣族」も2つ、あとは「魔物」「ダンジョン」がひとつずつだった。


人族はともかく・・・獣族と魔物ってなんだ?トータルでみてみると、ゲームや本なんかでよくあるファンタジーみたいな組み合わせだよな。しかも、最後にダンジョンって...



「なあに、難しく考えるでない。お主はまだ若い。充実してたやつならこんなことはせんが、もう少し人生楽しむことも大事じゃよ。そこで、お主に提案じゃ」


「提案?」


「そうじゃ、お主の魂のエネルギーから『平凡な毎日から抜け出したい』という思いが伝わってきたのじゃ。だから、提案じゃ。お主、もう一度転生して人生をやり直してみないか?」


そう言って、持っていたサイコロを渡してきた。


「これを振れば、出た目の種族として新たな世界で生き返ることができる。まあ、お主がいた世界ではないがな」


「ちょっとまて、そうなると人族、獣族、魔族はなんとなくわかるが、ダンジョンって・・・なんだ?」


人族などは、本や小説で見たことある通りだろう。しかし、ダンジョンとは一体どういうことなのだろうか・・・。



「ふぉふぉふぉ、それはなってみてからのお楽しみじゃ。色々わかりきって人生を始めるなんてもったいなかろう。さあ、振るんじゃ」



なんだその適当さ。絶対にダンジョンにだけはなりたくないな、わけがわからなさすぎる。



そう考えながら隼人はサイコロを振った。




ーーーーコロンッ、コロコロコロ



「ふぉふぉふぉ、お主の来世は『ダンジョン』に決定じゃ。これは楽しみじゃの。じゃあの」



文句を言う前に思考が遮断され、目の前が真っ暗になった。





ダンジョンに転生します。

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