異世界は、平和な日常があるからこそ輝くのです。
初投稿で至らない点も多々ありますが、ご容赦ください。プロローグに相当するお話です。よろしくお願いいたします。
初めまして、諸君。
突然だが、この世界には異世界という摩可不思議なものが存在すると言われているのはご存じだろうか?現代とは全く違った環境や社会で構成された世界のことだ。
いや、今のご時世知らない人を探すほうが大変か。
私はその異世界というものに興味がある。
いや、そんな生ぬるい感情ではない。
強く、求めている。恋い焦がれている。
自分のいる現実を捨てて、そこへ行きたいとすら考えていた。
だって、異世界には夢がある。ロマンがある。
めくるめく冒険、情緒溢れる景色、人情に熱い住民たち。
一緒に喜怒哀楽を分かちあえる信頼できる仲間たち。
此方を喰らわんとする見たこともないモンスター。
何より、エルフだとかケモ耳獣人だとかの、日常ではあり得ない種族。ケモ耳モグモgいや、なんでもない。
とにかく、ロマンなのだ。
まぁ、そうは言ったが、願ったところで行けるはずもなく、そもそも、行けないからこそ想像が広がるのだ。
日常にいながらにして、非日常を夢見る。
だからこそ、異世界は楽しいのだ。
矛盾が生じるが、行きたいからと言ってホイホイ異世界に行けてしまっては、それはもう異世界の非日常というアイデンティティーは損なわれてしまう。
普通ならば、簡単に行けず、行ったとしても帰ってこられないからこそ、異世界の生活を謳歌できるというものであると私は考えた。
つまり、結局何が言いたいのかというと、異世界は素晴らしいが、こんな形では行きたくなかった。
おうちかえりたい、ということである。
さて
では、改めて私の状況を説明します。
それは、なんでもないいつもとさして変わらない一日の夕暮れ時の事だった。
その日、図書館で勉強をしていたらうっかり寝落ちして、予定より学校を出るのが遅くなってしまった私は、小走りでバス停に向かっていた。
いつもは、もっと早く学校から帰るし、何よりバスでなく自転車での通学だ。しかし、自転車は2日前にパンクしてしまい止む終えなく週末まではバス通学を余儀なくされることとなった。
私のすむ家は、学校から少し離れた所にあり、自転車で通学するよりも遠回りをする為長い時間バスに乗る。そして、学生が利用するバスはどうしても込み合う。せっかく乗るなら、なるべく早くバス停について、座席に座れるように調節したかった。まだ寒い時期だとはいっても、すし詰め状態で帰るのはごめんだ。
今から行けばちょうどバス発車時刻を少し過ぎたくらいに着けるはず。そうすれば、必然的にバス待ちの学生は少なくなる。
そんなことを考えながらもう目の前に来ていたバス停を見るとちょうどバスが停車しようとしているところだった。他の生徒は一人も待って居らず、周りにも人一人見当たらなかった。あれ、時間間違えて覚えてたかな。ちょうどよい、バスの中にも人は少ないし、座れそうだからそのまま乗ってしまおう。幸いこのバス停から出るバスはすべて目的のバス停に止まるはずだ。せっかく座れそうなバスがちょうど来ているのに、日も落ちて来て寒い中、もう一本後に乗るために待つのは避けたい。しかも、小走りの私のことに気がついたのか、すぐに発車せずに待ってくれているようだ。ありがたく乗らせてもらおう。
そう思って、行き先は特に確認せずバスに乗りこんだ。
今なら言える、それが大きな間違いだったことを
主人公の名前すら出てこないありさまです。
次回は、ちゃんと出します。
閲覧ありがとうございました。