表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目覚めし者  作者: 蒼い人
7/12

№ 6  忘却

           № 6  忘却



【3日目】

 窓からの光で目を覚ました。腕時計を確認すると時間は 06:37まだ日は登っていない、そしてクレアはソファーで寝ている

 昨夜は資料保管庫から旧い地図を引っ張り出し会議室のテーブルに広げ地図上で防衛ポイント確認をしていると気付いた事が有ったのでキャシーが出勤したら確認するつもりだ!キッチンでコーヒーを淹れる砂糖は2杯、クレアの分は更にミルクを足す 

会議室内がコーヒーの香りに包まれる 保安官事務所用としてはコーヒーのレベルは意外と高いキャシーに感謝だな…

 07:20全員が出勤したので昨夜気が付いた事を質問した。「キャシー、この旧い地図に記載されている町の南側、畑の更に南に鉄道が通っていて駅と何かの施設が在る様だが今はどうなっている」

「その駅だけど今は使われて居ないわ、鉄道は…」固まるキャシー「忘れていた!対岸と繋がっている旧い鉄橋が在るわ」俺を見つめるキャシー

「そうか早目に気が付いて良かった。(動揺を隠し冷静に答えた)この周りに人は住んで居ないのか?」「ジェイソン夫妻が住んでいるわ」とキャシー「そう言えばあの変わり者夫婦、この二三日見かけていないわね」とアン、「変わり者?どうしてそう呼ばれている?」、「夫婦揃ってミリタリー・マニアなのよ、色々コレクションしているわ」とキャシー

「そうか変わり者とは言え住民だ、安否の確認と必要なら保護しよう!それと鉄橋の状況も確認しないと不味いな、俺とアン、クレアにシェリーの班で行って来る キャシーは事務所で皆との中継、他のメンバーは封鎖した場所を巡回して俺達からの応援要請に対応出来る様にしていてくれ キャシーこれでいか?」、

「ショーの指示通りでいいわ、それとショー達は電気工事士のマイクとブレンダを連れて行って、あの変り者夫婦無線機は売れほど持ってた筈だから、連絡が出来ない理由は送電線が切れて電気や電話が使えず 発電機が故障でもして電気が使えない状況の筈だから…


 それにあの夫婦生きていたら救出する必要は無いわ、絶対に町に避難しないと思うし…」

自宅大好き?自宅が頑丈で避難の必要が無い?行けばわかるか


 ポリスカー 2台と電気工事車両 2台、合計4台で出発する森の中を抜け牧場や畑を過ぎ道路を時速40~60㎞/hで10分程進むとその例の夫婦の敷地が見えて来た。


「こ、これは…」「ビックリした?この場所1950年代に作られたアメリカ(USA)陸軍の車輛整備基地だったんだけど数年前に閉鎖されてあの夫婦が施設を買い取ったって訳」


結構広い、普通の基地と違って珍しく基地周囲に深さ3m幅2m程の堀が掘られており地面から1.5m程盛土された上にフェンスが張り巡らされている「ショー着いたわ」基地のゲート前に着くとアンが車から降りゲート前のボックスを開け受話器を取出し話しかける

暫くするとベトナム戦争時代のM706(コマンドー)装甲車がゲートに近寄り例の夫婦が降りて警備室の機械を操作してゲートを開閉した。


ゲートを開け「こっちよ」と迷彩服姿の奥さんが中に入ってと合図する、車が全部中に入るとゲートを閉め「着いて来て!」とM706が先導して住居に使用している建物まで進む、周りには大量の軍用トラックや車両が駐車している、個人で装甲車とか(日本人的に)間違ってるだろ!(本当は羨ましいだけ)


昔、管理棟として使われていた建物前の駐車場にポリスカーを駐車して降りると奥さんが建物の出入口で中に入ってと合図している 案内されてリビングに使用している40畳程の部屋に入ってソファーに腰を下した。


アンが「バード、ヘザー、連絡が無いから安否の確認に来たのよ」と言うと「通信(TEL、CATV)と電力が切れてオマケに発電機の調子も悪くてな」と夫

「済まないがマイクとブレンダは電気周りをチャックして修理を頼む時間に余裕が有るなら発電機の方も見てくれ」「わかった。」「分ったわ」

「修理部品と道具は在るけど技術が無くて修理出ないのよ」と苦笑いの奥さん

「ショーだ、2日前から臨時で保安官助手をしている」「バードだ」「ヘザーよ」と握手を交わす

「ショー、貴方、今年の全米ライフル選手権で優勝しなかった?」「あぁ、接戦だったがどうにか優勝する事が出来た。」するとアンが「初めて聞いたわ!射撃大会で優勝したって聞いてたいから地区(郡)とか州の地方大会だと思ってたけど…まさか全国大会だったなんてね」、

「ショーはスゲーかったんだぜ!シールズやデルタフォースの元特殊隊員の強豪達を押さえて優勝しちまったんだ!全く快挙だったぜ!」とバード

「そうね、民間シューターの誇りね」ヘザー、「そんなに褒めるなよ」(苦笑)

 持ち上げられ悪い木はしないが本題の為、気を引き締めて尋ねる


「すまん、バード、ヘザー、ちょっと急いでいるんだ!要件を先に言おう、2日前、不審者がこの街に現れ大勢が襲われた。 噛まれると感染する そして噛まれた奴は早ければ十数秒遅くとも数十分で頭が変になり別の人間を襲う様になる、そして街中に感染者が広まって大勢の犠牲者が出たがなんとか最悪な事態は回避する事が出来た。 そして昨日、東西の橋を通行止めにして街を完全に封鎖して安全確保をした筈だったが…。


今朝になってこの先にも鉄橋が在る事を知って鉄橋の現状を確認する為に調査に来たんだ」、「バードとヘザーの安否確認も兼ねてね」とアンが付け足す


バードとヘザーがお互い見つめ合い頷く「そう言う事なら話しても問題ないな、実は昨日、鉄橋付近で狩りをしてると大勢の人間が鉄橋を渡って此方に向かって来るのを確認して私有地だと警告する為、直ぐ橋に向かったんだが双眼鏡で確認すると数組の家族連れを追って気味が悪い不審者が大勢フラフラと橋を渡って来た。 

暫くすると”奴等”が逃げ遅れた人間を押さえ付け噛みついて食っているんだ!全く気味が悪い”奴等”だったぜ 逃げる家族連れを保護して追ってくる”奴等”に何度も警告したが止まらなかったので俺の相棒(M1ガーランド)で”奴等”を射撃したが防弾装備をしているのか薬でラリッテ痛みを感じないのか ”奴等”は中々倒れない それで標を頭部へ切り換え射撃して漸く仕留める事が出来た。

それからまた大変だった 保護した家族連れの中にも感染した人が居て周りを襲い始めたんだ!なんとか感染者は射殺して保護した数家族(十数名)は、隣りの隊舎棟に居る。」


「そうか折角逃げて来たのに感染した家族は残念だったな…、だけどバードとヘザーが無事で何よりだ」と微笑む、「それで鉄橋は今どうなってる」「軍用コンテナを橋の前に置いて封鎖している」突然建物内が一気に明るくなった。「マイクかブレンダかは知らんが修理が終わった様だな 大したもんだ。」バード


「2人は町に避難するか?」と尋ねると「ここに残る、鉄橋の見張りも必要だろう」、「分った。 範囲も広いし人手が必要だろ町の皆に相談して常時2人は補助要員を置こう」「そうして貰えると助かるよ」とバードと握手する

「水や食料、武器や弾薬は大丈夫か?」「水は水道が使えるから問題ない、いざとなれば谷底の川の水や地下から汲み上げて使う事が出来る 食糧は通常の食糧が2週間分と缶詰や軍用レーションが数千食分残ってるから当分栄養的には問題ない、ただし味はアレだけどな…、武器や弾薬だが、ショーちょっと着いて来てくれ、バードに案内された大きな格納庫の中に置かれた10ftコンテナの中には、7.62mm(NATO)、5.56mm×45(NATO)、拳銃弾の.45ACP、9mm、の弾薬が山の様に積まれていた。 

それとは別のコンテナには、12.7mm×99、7.62mm×39、12番ゲージ、40mm、37mmグレネード弾、クレイモアの弾薬が大量に積まれていた。

 武器はM14とM16A1/2、AR18S、数十丁とM240、M249、M60、M-2重機関銃が各数丁、それと乗って来たM706:コマンドーと同じ車両が他5台あった。

「武器や弾薬は全く問題無い様だな」「必要ならまだ地下の弾薬庫に沢山あるわ」とヘザー、こいつらどれだけ良い買い物したんだ!


 屋内整備場と改造施設に部品倉庫、それと屋外には放置された数百両のトラック(M35A2)と再整備されカバーで覆われた出荷待ちのM706数十輌が屋外に保管され、特殊車両のM520や各種特殊車両、フォークリフト、ホィールローダー等の補助車両以外に錆止め塗装のM706:コマンドー 数輌が修理待ちなのか屋外に放置されている…

 

この夫婦(バードとヘザー)、現状渡しで基地を入札したそうだ 入札時の資料に何もない状態の基地の写真が参考資料として何枚も貼り付けてあって、それしか情報が無い外部の人間は僻地の元軍事基地を購入しても使い道がないと余り積極的じゃなかった。 


この地域に住んで居て基地の現状を知って居た2人は全財産と親や銀行から金を工面して基地を購入したそうだ。(知っていりゃ俺も欲しかった。)

この基地を購入後、放置車両を整備して販売した資金で銀行や親からの借金は全額返済してもう一ヵ所基地を購入した。場所はこの基地の横を通る線路沿いで百数十㎞程先にあると話していた。 

そこには、この基地で再整備する為に集められてた車輌の集積基地だったらしくM35A2やその他の車両が大量に放置されていて数年前までこの基地まで機関車にトラックを満載して基地を行き来していたらしい集積所から持って来た車両をこの基地でA3仕様に改良した車両を送り出していた。

去年からM35A2を4+1人乗り4×4のL-ATV(全地形対応対地雷軽装甲機動車)に改造して軍やPMC(民間軍事会社)へ納品している 軍と契約している彼らの会社だからその車両集積基地を購入出来たと話していた。


それと町の東端にあるトラック休憩所は彼らの所有物らしい 俺が所有しているM35A4スカウト(M35A3を4×4にして防弾対地雷対策仕様のダブルキャビン・カーゴに改造した車両)を生産しているB&H株式会社は、バードとヘザーの会社だった。 俺的にはハマーなんて目じゃないぐらいクールな車両だ!














随時追加及び変更して行きます。


L-ATV(全地形対応対地雷軽装甲機動車)


M35A2/A3 6×6トラックをベースにした改造車両、車輪を4×4にして荷台を取外し新たに開発した防弾仕様のダブルキャビン(複座2列)を設置、荷台は小型の物に取換え、車体フレームを強化した地雷の爆風対策を車体下部に施した車両、実際米軍で運用されているM-ATV(全地形対応対地雷軽装甲機動車)やMRAP(耐地雷・伏撃防護車両)を参考、どちらもトラックをベースに開発された車両なので、それなら旧式のM35A2やA3を再利用(リサイクル)出来ないかと妄想した車両です




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ