№ 3 封鎖
№ 3 封鎖
【1日目】
町外れのトラック集積所へと到着すると数台のトレーラーやトラック、バンや乗用車と案の定と言うか数体の”奴等”が車やトラック、建物の扉や窓を叩いていた。
パトカーを止め降りて近寄って来る“奴等”の頭部を撃ちぬいて敷地の安全を確保すると建物の中からトラックの運転手やドライブでこの街を通過する予定だった旅行者や業者が説明を求めたて出て来た。
「いったいこの街はどうなっているんだ!」と突っかかってくる者も居るが このままこの街に暫く留まるか出て行くか?彼/彼女らに早急に決断を迫ると殆どの人間が街を出て行く決断をするが十数名(二家族と女性一組(数名))がこの街へ残る事を決めた
理由を尋ねると住民と協力してこの街の安全は確保されつつあると聞いたからだと言うのだ。
「それに貴方達は敵の事をキチンと把握しているし装備も充実しているから、それに衛星放送の話だと感染者の暴動は、この町以外にも周辺の町や都市でも確認されているから暫くこの街に残って様子を見るわ!今は安全が確保された場所で助けを待つのが一番だと思うの、それに世界規模で今回の事件は発生していないから… 遅かれ早かれ軍が動く筈よ」と状況判断がしっかり出来ていて冷静だ
避難するトラックと乗用車が橋を越えた後20ftコンテナをフォークリフトとリーチスタッカで橋の向こう側と此方側に置いて道路を封鎖した。 その後、橋の向こう側コンテナの数十㍍先に回転灯と通行止めの柵を設置した。
「ここはこれで良いが、キャシー他から侵入出来ないか?」、「ここ以外は谷も深いし流れも速い例えロッククライミングが出来ても川から這い上がるのはとても難しいし、数か所、川へ降りる階段はあるけど普段は鋼鉄製の扉で封鎖さて施錠されている エミリーとスティーブに確認しても貰うわ」
「そうか後はライフラインだな、どうなっている?」、「電気は北に在るダムの発電所から 供給されていて、発電所も序でにエミリーとスティーブが確認してくる筈よ、ガスの供給はバード基地の更に南に一昨年前に掘り当てたシェールガスの井戸が在ってそこで精製してパイプラインで街まで運んでるから大丈夫、灯油は給油所の裏に冬場用の大きなタンクが有るから冬場でも一月位は大丈夫、ガソリンは一~二週間分ぐらい、あとトラックの休憩所の地下にディーゼル燃料の巨大タンクが数基あるから軽油なら一月ぐらいは全然問題ないわ、それとダムの近くには製材所に製紙工場、牧場もあるから電力さえ止まらなければ自給出来る筈よ まぁ~食糧だけど贅沢は出来ないけど この地域では牧場や農場で町で消費するミルクやチーズ、肉やソーセージ、ベーコンも作ってるし 小麦にトウモロコシ、大豆、最近では温室で野菜も色々育てているの、塩は南にある谷間には岩塩の採掘場があるから問題ないわね それに二十年程前から葡萄の栽培も始めたから自前のワインやブランデー、ウィスキーや地ビールも有るからアルコールも問題ないわ、無いのは砂糖と調味料、流行の食べ物やスナック菓子ぐらいじゃないかしら」打ち合わせの途中で「グゥ」と俺の腹が鳴った。
そう言えば昨夜隣町で食べたきり何も食べて無かった…「腹減ったな」とお腹を摩る、するとキャシーが食事が出来る近くのダイナー【ルイストン】へ誘ってくれたのでポリスカーで向かう事にした。
街の中へ乗り入れると道路に放置されていた車両は綺麗に路肩へ並べられ思っていた程被害は大きくない様だ、パトカーを降り歩いてると住人に「ショー、良くやってくれた!」と色々な人から声を掛けられたり肩や背中を叩かれた。
キャシーが店に入って食事を注文して席に着く前に皆に話しかける「皆聞いて!街の安全を確保する為に東側、町の外へ出る道路を一時的に封鎖したわ」客達が少し動揺する
「どうして封鎖する必要があった」と住民の1人が訊ねてきた。
「衛星放送のニュースで知ったんだけど、どうやら周辺の町でも同じ病気が蔓延してる様なの、それでショーに外部の脅威から町の安全を守る為に道路を封鎖する事を進言されて検討した結果、町の安全を確保する為に橋を封鎖する事に決めたわ、ショー代わって」
「ショーだ!町の安全は大よそ確保された!大勢の被害者が出たが住民皆の協力もあり何とか最悪の事態は回避する事が出来た。 だが他所の町はそうとは限らない!隣町やその周辺では十倍から数十倍倍の規模で感染が広まってるそうだ! そうなるともう軍が出動する事でしか解決出来ないだろう、あの橋の向こう側は危険地帯だ!今は守りを固め危険に備え応援が来るのを待つ時だと思う、大丈夫!自分達なら乗り越えられる!今回だって大きな試練を乗り越える事が出来たのだから…」客の1人から質問が出た「それで封鎖はいつまで行う?」「軍か州警察が到着するまで行うつもりだ!皆もその方が安心出来るだろ」するとカウボーイハットの50代の男性が「わかった応援が来るまでって事だな」すると俺の腹が「グゥー」体は正直な様だ、キャシーが会話に割って入る「皆さん、ショーは昨夜から何も食べないで働いて居たの そろそろ食事させてね」
「おぉ、すまねーな、それじゃ俺が奢ってやるから何でも好きなの注文しろ!」、「それじゃ俺は飲み物を奢ってやるからジャンジャン飲め」と奢り大会?ってぐらい申し出が出て数日先まで食費が住民の善意で無料になってしまった。
いや色々食べたいのは山々だが、このボリュームでお代わり無理だから…食事が済んだ後「皆さん、ごちそうさま明日また来ます」と挨拶して店を出た。
保安官事務所に着くと皆は既に戻っていた。「「お疲れ様キャシー、ショー」」「皆お疲れ様、汗臭いからシャワー使うぞ」と俺「私は、ショーの匂い嫌いじゃないわよ」とキャシー、「おぉ~キャシーにも遂に春が来たか!」なんだか何年も前からの知合いみたいな感じだな…シャワーを済ませた後、皆でこれからの事について打ち合わせをした。
町の封鎖は、これで良いが明日は合同の葬式があり街の北側に在る墓地に住民の埋葬を行う事になっている 住民以外は街の西側にある住民以外が利用する共同墓地に仮に埋葬される
今夜の見張りをどうするかだが…東は俺が担当する事になり西はアンが担当する事と成った。
それとパトカーから離れる時は保安官事務所へ連絡する様注意された。エミリーとスティーブは明日の朝(07:30)見張りを交代する アンには簡単なレーザー・センサーと違反車取締用の赤外線カメラをアンに持たせた。
明日、部外者の埋葬が終われば西側の橋もコンテナで封鎖する事になるので安全性は更に高まる 休憩所の彼女達に西も封鎖するから街から出るなら明日の午前中だと今夜伝えておくか…
トラックの休憩所に居る彼女達(女性4人組)が気に成る 政府の人間(FBIかNSA)?黒の4WD(Jeep Cherokee XJ)の屋根には衛星放送や無線のアンテナ等が取り付けられていたが一体何者だろう?まぁコンテナで橋を封鎖する時フォークリフトの運転をして封鎖を手伝ってくれたから悪い人じゃないと思うけど… 彼女達には橋に”奴等”が押し寄せて来たら戦力になって貰おう
保安官事務所から出てパトカーに乗りトラック休憩所へ向かい数分程で現地へ到着する、宿泊施設のある2階建ての建物の扉をノックして中へ入れて貰い全員に集まる様に伝えた。
「明日の午後には町の安全確保の為、西側の橋も閉鎖することに成った。街から脱出するなら明日の午前中には出発した方がいい、その時間なら明るい内に隣町に到着出来る筈だ!」と説明した。
「それと封鎖の解除は郡警察か州警察又は軍の到着を持って解除となるが、いつ到着するか分らないので封鎖の解除は、数日後か最悪、一週間先に成る事も考えられる」
説明を終えると女性の1人が手を上げた(女性4人組の一人だ)
「安全の為にこの街を出たくないけど、今のままじゃ生活が出来ないわ!何とか成らないかしら?」、「分った明日、街の空部屋や空家が使えないか確認してみる 今夜はここで宿泊してくれ、それと簡単な仕事を紹介しよう 町は今人手不足だから問題無いだろう」
トラック休憩所を出て橋に向かいコンテナに設置したカメラを操作しながらパトカーの中でお気に入りの音楽を聴きながら水筒の中からホットコーヒーをコップに注ぎモニターを見ながら音楽を聴き時間を潰す。