№ 0 プロローグ
№ 0 プロローグ
目覚めて辺りを見渡すどうやら自分の部屋の様だ…、そう言えば昨夜は、提出予定の書類を間に合わせる為に残業して帰りが遅くなったが… いつのまにか家に帰って部屋で寝てしまったらしい、凝り固まった体を起こし軽くストレッチして洗面所へ向かう階段を下りトイレで用を済ませ洗顔して髭剃りの為、洗面台の鏡を見ると…、アレ?そこには十歳前後の俺が写っていた。
「え、な、なんだ、どうして…こんな…」少しパニックになり自分の部屋に戻ると壁には映画のパンフレットが張られている「俺の部屋だよな」部屋の内装は小学生4、5年頃の俺の部屋だった。
過去に戻っている…まさか…とは思うが机の引出しの中に入っている模型の箱の中には俺の宝物(模型用ペイント)が入っていた。小学3年の時からコツコツ集めて来た俺の宝物だ!そして机の下には沢山の模型の箱が…
壁に貼られているカレンダーの日付を確認すると197X年4月…、40年近く前の日付に戻っている ネット小説でありがちな異世界転生?少し違うか…、だって過去だもんな…、暫く茫然としたが、これからどうしたら良いのか色々考えてると誰かが部屋の扉をノックして声を掛けて来た。
「翔!起きなさい!」と扉の向こう側の母に言われ「起きてるよ」と返事をすると「珍しいわね、お寝坊さんの翔がこの時間に起きてるなんて…、朝飯出来てるから下に降りてらっしゃい」「分ったすぐ降りるから」と言ったら母は、一階へ降りて行った。
服を着替え下に降りると父と母、3つ下の妹と5つ年下の弟が食卓に着いて子供向けのTVを見ている
「おはよう」と言うと「「「おはよう」」」と返事が返ってきた。席に着くと母が「今日から5年生ね、何かクラブとか入る?」「まだ決めてないよ」
「そう5年生から部活に入れるから何でもいいから頑張りなさいよ」「分ってるよ」久しぶりの家族団らんだ、十数年後不幸の嵐が俺や家族を襲う 15年後、弟は重い病気に罹り医者からは生存率が十数%と言われたが最後まで希望を捨てずに家族で支え合ったが…早くに逝ってしまった。
17年後、父が突然発作で亡くなり、19年後、妹は結婚していたが検査で子宮の病気が見つかり手術は成功するが発見が遅かった為、手術の影響で子供を産めない体に…、俺も結婚したが妻を事故で失い小学生の子供2人を育てる事になったが母が男手1人では大変だろうと実家に呼んでくれ実家で同居していた。 それから子供達も大きくなり家を巣だっていったが母親がある日、倒れ右半身が軽い麻痺状態になって俺が介護をしてた。
朝食を済ませ部屋に戻り学校の準備をしてランドセルを背負い「行って来ます!」と言って家を出る 母が玄関先まで出て来て「いってらっしゃい!」と手を振る。
途中近所の友達の何人かと合流して学校へと向かう 学校へ着くとクラス分けの張り紙を見て其々の教室へ仲の良い友達と向った。取敢えず席に座って担任の到着を待つ…、懐かしいな、もう一度小学生をするとは思ってもみなかった。
担任の先生が現れた、あれ?40代の男性教師の筈だが…名前は似てるけど…何故か30歳前後の女性だった。
何故?教室の中自分の周りを観察する、中村さん相変わらず綺麗だな…、バレーボール頑張っていた長身でボーイッシュな島津さん、それと気づいたが生徒の6割が女子だった。
そう何故か俺の友達までも…、そんな中、クラスの役員決めが始まったが中々纏まらないので俺が進行役を買って出てサクサク決めて何とか時間内に終わった。
担任の先生から「翔君、司会進行とか上手いし随分慣れてる様だけどどこで覚えたの?」「ボーイスカウトです。」と言ったら先生に褒められた。(何だかズルした感じだな 確かにボーイスカウトには参加していたが余り積極的な方ではなかった。)
授業が終わり、近所の友人達と家に下校する 懐かしい風景だ!この時代(70年代)は街に活気が有るよな、家に着くと母に風呂へ入る様に言われ着替えとタオルを準備して先に入る。
風呂場で体を洗い湯船に浸かりこれからの事を色々考え そして決めた!前世叶えられなかった夢を全力で追いかけようと…
転生から数年この世界に転生して得た力(前世も含め瞬間的に一度見たり、聞いたり、食べたり、匂いを鮮明に思い出せる能力と相手の直ぐさを完全にトレースする事が可能だ、前世に比べ知識をどんどん吸収し理解する事が出来る、それと特殊能力【ブレイン・ネットワーク】地球上の生きている人間の脳内の知識を勝手に検索して読み取る事が出来る 調べた相手の知識をコーピーして別人の脳内に分散して記憶させる事も出来る(本人は全く記憶にない領域)能力を利用して猛烈に知識を吸収、十数ヶ国語をマスターして大学時代に会社を設立、その後憧れのアメリカへも進出する事も出来た。
それから慌ただしい日々が過ぎ去り、弟は病気には成った新薬のお蔭で奇跡的に回復した。 妹は早期に病気を発見する事が出来無事治療が済んで出来子供を産む事が出来た。 親父の病気も早期発見で治療後も順調だ
そしてこの世界だが元の世界と微妙に違う、先ず女性だが19世紀(百数十年程前)から女児の出生率が4:6と男児を上回り始め それと同じ時期女性の体にも変化が起こった。
女性の運動能力が元の世界に比べ高く力も強い、体を鍛えれば鍛える程、男性同様筋肉質になり、その為マッチョな女性も多い、同じ体重だと男性と変わらない程力が強い
それと、この世界の人間だが成人を迎えてから ある年齢(50~60歳個人差がある)までの加齢速度がとても緩やかなのだ!俺の感覚では前世の1/2~1/3ぐらいだろうか…40歳の女性が見た目20代後半から30代前半ぐらい、60歳で見た目30代中頃~40代中頃、50歳を過ぎると元の世界と同じ加齢速度になる様だ80歳で見た目60代前半~60歳中頃ぐらいだ。
それと社会的に大きな変化としてはアメリカ合衆国が二つに分裂している事だ!USA(アメリカ合衆国)とCSA(アメリカ連合国)の二つに分かれて存在している 他にも色々有るがいずれ話す機会が有るだろう
この世界へ転生して二十数年程経った。今は仕事の関係でアメリカ暮しをしていて先日大口契約が無事終わりそのまま長期休暇に入った。
自慢の愛車でドライブがてら契約した中部の都市から西海岸へのんびりドライブしながら通過する予定の都市で趣味の大会に飛び入り参加し好成績を残す事も出来たので最高の気分だ! 大会終了後、再び西海岸へ向け出発、久しぶりの愛車での長距離ドライブを楽しみながら いつもなら通り過ぎる【メイベル】と言う小さな町(人口:二千人前後)へ給油の為に立ち寄った。
給油が終わり何気に周りの景色を眺めていると二、三百メートル近く先の道路をヨタヨタと道路の中央を歩く不審者(酔っ払い?ジャンキー?)を見かけた。
そしてそれが全ての始まりだった。