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兄様知りませんか?  作者: 華音
或いは始まりの序章
3/3

プロローグ3

一年程触れませんでした

と言うのも

プロローグ2を投稿してから

掛け持ちの勤め先が撤退(閉店)するので本来の勤め先に説明やらなんやらでシフトやらを相談

半年以上かけて掛け持ち勤め先の店内の展示物や什器類(商品並べたりする棚とか)の撤去等で大忙し

並行して本来の勤め先で新しい試みがあって、ひと月程前まで休みは有ってもこうして書く暇出来ず

2日程前にゆったりとした時間が出来そう

小説やら読んでるウチに書く事を思い出し、(スマホ)を持ち出す←今ここ


とまぁ、見苦しい言い訳にすらならない顛末(ダイジェスト)でした

これからはまた投稿出来そうです

ゆっくりと、完結を目指してやっていきたいと思います


では、どうぞ


 青白い顔をした少女から放たれた紫のモヤに包まれる様子を見た少女はニヤリと笑みながら


〔クスクス…ソレはねぇ、呪いなの…死んで欲しいなぁってお願いを篭めた、凄い呪い〕


己の敵と称し放たれたモヤは完全に包み込まれる


〔……アハ…ッ〕


その様を見て満足したのか


〔お姉さんはどんな死体になるかなぁ?〕


と楽しそうに呟きながらモヤを取り払おうとする……が


『面白い手品ですねぇ』


〔…っ!?〕


モヤが勝手に霧散し、何事も無かったかの様に、いや、紫水晶の瞳を爛々と光らせて出て来る


〔…お…お姉さん、なに…っ!?〕


『…あぁ、そう言えば…名乗ってなかったですね』


紫水晶の瞳を光らせた少女は服に付いたモヤの残りを埃を払うかの様にポフポフとした後、ニッコリと笑み


『世界を旅しながら、退魔を今の生業としてます…鳴海 雪那(なるみ ゆきな)と言います』


貴族のソレと言われれば信じてしまいそうな、可憐な挨拶を青白い顔の少女にする……が、周りの状況(血塗れのドアとか)で台無しである


〔な、なんで効いてないのっ!?…今までだったら今ので死んでくれてたのにっ〕


『なんで、と言われても、雪那に取って[死]はお友達の様なモノですから♪』


〔だ…だったら、今度は直接…っ!〕


青白い顔の少女は己が腕を鋭い刃物に変化させ、雪那に高速で飛びかかってくる


『あら、危ないですよ♪』


しかし、雪那にはどこ吹く風、と言わんばかりにドコからか取り出した神聖な雰囲気を醸し出し、聖なる力が篭もった剣で受け止める


〔イギ…っ!!?〕


本物の剣に刃物に変化させただけの腕をぶつければ表面上の負傷は無くとも、聖なる力により内面を掻き回され苦悶の声をあげ、痛みに表情を歪ませる


『ふふ…質量が有っても悪霊には変わりないですから、痛いでしょう?』


〔痛い…痛いよぅ…っ〕


痛みに涙を湛えてペタリと座り込む青白い顔の少女に見かねたのか


『痛いのがイヤなら…雪那にお話、聴かせてくれません?』


〔……?〕


『貴女が、此処でこうなった理由、聴かせて欲しいんです』


〔…私が…こうなった、理由…〕


『思い出せます?』


〔…………判んない〕


『何も判らない、ですか?』


〔…うん…でも…〕


『…でも?』


落ち着いたと判断したのか、雪那は自分の服が汚れるのも気にとめず、青白い少女の傍らに座る


〔…男の人が怖くて…〕


『……』


〔…殺したい程憎いって思って死んだのは、覚えてる…〕


『…ちょっと、失礼しますね…?』


〔…え?〕


雪那が何を思ったのか、青白い少女の頭に手を乗せる


『あまり気持ちのいいモノでも、目を逸らしたいモノかも知れませんが、記憶を見せて貰いますね』


……


雪那が見ているのは、少女の記憶


ーーー幸せだった、母親と父親にコレ以上無いほどの愛情を注がれ、時には叱られ、時には喜び、幼い少女にはとても充実した日々だった


しかし、そんな充実した幸せの日々は突然壊される


父親は突如として屋敷に押し寄せて来た騎士団から母親と少女を守る為に自ら雇っている腕利きの執事達と戦い討ち死に


少女を連れた母親は隠し部屋に押し寄せて来た騎士に気丈にも立ち向かい足を潰され男に乱暴され屈辱的なまま父親の後を追う様に死に


幸せだった少女も押し寄せて来た騎士団に取り押さえられたまま母親の死を顔を固定され見せられ、とある髭面の男に衣服を破られ、首を絞められながら、一定の年齢に達している訳でも無いのに無理矢理に破瓜させられ、恐怖と狂気に晒され、しかし、表情には確固とした憎しみを乗せて男を睨みながらその生涯に幕を閉じる


『……この男は…』


雪那はその髭面の男に見覚えが有った、それもその筈


『臭いモノには蓋を、…そう言う事ですか…』


その髭面の男は雪那に屋敷の調査を依頼した男でもあった


『……………』


雪那は少女の記憶から離脱する、少女と対峙した時以上に瞳を光らせて


……


『……見せてもらいました』


〔……あの男だ…お母様とお父様を殺したの〕


『……』


〔…お姉さん…?〕


『雪那は貴女に謝らないといけませんね』


〔え…?〕


『あの男には見覚えがあるんですよ』


雪那は少女に告白する、とある町に立ち寄った時に依頼を見て此処に来たのだと

そして、髭面の男にはその時に依頼の説明をうける為に会ったのだと


〔……お姉さんは〕


『…はい?』


〔私を…殺しに来たの?〕


『…ただの、悪意に満ちた呪詛をまき散らすだけの存在なら、そうしたかも知れませんが…雪那には貴女が悪霊には見えません、だから雪那は何も知りませんね~?』


雪那がウィンクしながら、聖なる力で傷ついた少女の内面を癒す、しかし次には


『後ですね』


〔…?〕


『どんな理由が有っても、唯一つの例外を除いて』


瞳を光らせ口元を歪ませ


〔……っ〕


『嫌いなんですよねぇ…、利用されるの』


少女の殺意が児戯の様に感じる殺意を言葉に乗せて呟く


〔お…お姉さん…?〕


『あぁ、そうです…貴女も、一緒に来ますか?』


〔え…?〕


『雪那は利用された報いを、貴女は積年の恨みを晴らしに』


〔…あの男を、殺せるの?〕


『えぇ、雪那がお手伝いしてあげます♪』


〔…私…〕


『…うん?』


俯いていた少女は決意に満ちた青白い顔を雪那に向けて


〔お姉さんと行く…っ!〕


『…そうですか、歓迎しますよ♪』


雪那は少女の宣言に立ち上がってニッコリと微笑み、少女に手を差し伸べる


〔…あの…ね?〕


『はい…?』


少女は雪那の手を取り立ち上がり


〔言ってなかったから言うね……、私、アリスって言うの〕


『そうですか、アリスちゃんですか…じゃあ、行きましょう?』


〔うん…っ〕


雪那と、アリスと名乗った少女は手を繋いで屋敷の扉に向かって歩き出した






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