プロローグ
『…此処ですか』
とある世界、とある場所に建っている赤い洋館の前に立つ一人の少女
何処からかとある街にやってきた彼女は
派手すぎず、かと言え地味すぎないゴシックな黒と赤を基調としたフリルワンピース
膝上まで有る白色の清潔感の有るニーソックスと黒のブーツ
膝裏まである薄い青色の入った銀色の緩くウェーブのかかったさらさらの髪
観る者を魅了する紫水晶の柔らかい雰囲気の瞳
白磁の様な肌は日焼けを知らない
そんな美しいを通り越した芸術品の様な彼女は道行く男達を無意識に魅了しながら、そのとある街にある冒険者の集うギルドと呼ばれる場所にて依頼を受けてここに居る
『お話によると…此処に悪霊が棲んでいると、取り壊そうとして来た人達、退治に来ていた人達、それも男性ばかりが無惨な死に方をしていた、らしいですね…女性は帰るなり震えながら自宅に閉じこもるとか』
誰に言うでも無く、受けた依頼を思い出すかの様にそう独り言を洩らす少女
『誰も攻略できない意味でのランク外依頼、それをぽっと出の人間に頼むのもどうかと思いますが、此処でもたついていても仕方がないですね…入っちゃいましょう♪』
少女は拒否感を禍々しく放つ洋館に入る、その様はさながら、ピクニックに行く気分で
8/12 改稿と一部増筆