その3
俺の個人的な美少女観があふれてる回です。失敬。
ドアのところにいたのは、たぶん俺の短い人生で出会った中でも一番の美少女だ。
基本的に、「可愛くない女の子はいない」が俺の信条だ。だから、ブスはいないと思ってる。でも、美人は美人でいるというのが、俺の感性だとご理解いただきたい。
どうせならみんなにも分かってほしいから、ちょっと容姿を説明しよう。
まず肌が白い。陶磁のような白さとか言うけど、本当にその通りだ。それなのに、チークを付けたみたいに頬だけがほんのりと赤いってのがまた何とも。大きな瞳は真っ黒で、黒目がちだ。髪の毛はこう、緑の黒髪ってやつだな。艶やかなロングを、ポニーテールにしてるってのも、個人的にかなりポイントが高い。口も小さすぎず大きすぎず、鼻は眉からすっと通っている。
素晴らしいのは顔だけじゃない。身長はもう少しほしい百五十センチ台みたいだけど、スタイルが良い。スカートが珍しく規定の長さなので、ちょっと物足りないけど、見える範囲の足は太すぎず細すぎずだ。見えない腿にも、少し期待が膨らむ。胸もあってヒップもあるみたいなのに、腰が細いってのもすごいな。
とにかく、萌え系漫画から出てきたみたいな美少女だったんだ。
呼んでくれた彼に礼を言うと、ガシッと肩を組んで耳打ちされる。
「ちょ、ユウ、お前何したの?」
うらやましいだろう。
「何もしてないけど?強いて言うなら、顔が良いくらいだな」
「…お前に聞いた俺がバカだったよ」
彼は美少女を一瞥し、ぎこちなく笑ってその場を去った。緊張でもしてたのか?でも共感するよ。
こほんと咳払いしてから、彼女のほうに向き直った。第一印象は大切だ。そう思って、全力の笑顔を向けた。
「君みたいな可愛い子ちゃんが、俺に何の用かな?」
すると恥じらう様子もなく、面と向かって、真正面から言ってきた。
「あの!ずっと気になってたんです!」
キター!やっぱり?やっぱり告白されちゃう感じなのか?
彼女の声が大きかったので、クラス中から視線が集まる。が、なんだろう。うらやましいとかそういう視線がない気がする。まあ、仕方ないか。美少女はみんなの物だって暗黙の協定があるもんな。ま、イケメンがみんなの物だって協定もあるのかもしれないけど。破って申し訳ないね。
それにしても、こんな公衆の面前で告白されたのは初めてだ。俺のほうが少し気恥ずかしくなって、首に手を当てて視線をそらした。すると、
「紫合さん!」
注意されてしまった。そうだよね、返事はしないと。
気持ちは嬉しいけど、奥にいる女の子たちの好意もむげにできない。
そう伝える前に、彼女が制服のネクタイを両手でグイと引っ張った。鼻先が触れそうになるまでに近づく。え?こういう暴走行為に入っちゃうタイプの子なの?付き合う前にチューとか平気な子なの?!
まだ空は普通ですかね…?