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空木空観察日記  作者: 環田 諷
第四話
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その7

 向かいの席に座ったクロウをじっと見る。

 ソラちゃんは文句も言わずに、注文しにカウンターまで行ってくれた。「俺が行くよ」と申し出ても、さっさと断られてしまい、むすっとして座っている。

 ソラちゃんが座っていた席の奥に、クロウが腰をかける。そこは、俺の真正面の席にあたる席だ。

「で?何の用かな?」

「…何の用でもない」

「いやん、呼び出しておいて冷たい」

 気持ち悪い。こんな変な男に何を頼もうと思ったのだろうか。

 目の下に自然に力が入った。眉の力が強まる。俗に言う、怪訝な顔ってやつだろうな。

 すると、クロウが自分のサングラスを押さえながらにやりと笑った。やっぱりこの男は、予想通りニヒルに笑うようだ。

「ソラに聞かれたくない話なんでしょう?」

「……」

 事情が解ると、彼がサングラスをかけているというだけで、能力を使っていないとわかる。神鷹に入るだけあって、頭が良いようだ。

 悔しくて黙っていると、クロウが時計を確認する。常連のようだから、ソラちゃんが帰ってくる時間を推測しているのだろう。

「じゃあ、好きな質問してみなよ。今日はお面じゃないからさ、嘘発見器君?」

 確かに、今日なら嘘をつくことはできないだろう。俺はその提案に乗ることにした。彼がどれだけ嘘つきなのか探ってやる。

「失神したら、病院連れてけよ」

「了解。でも誓うよ」

 そういうと、両腕を体に沿ってぴんと張った。長さ的に、手は椅子の端を抑えているのだろう。

「失神はしないね」

 根拠はわからないが、いやに自信満々だ。俺の能力をなめてるのか?情けない話だけど。

 唐突な話の流れだったけど、幸い聞きたいことはたくさんあった。

「質問には全部『いいえ』で答えろ」

「ヒャハハッ、はぐらかせないねぇ」

 嘘発見器とか言うからだ。

「じゃあ、こっちからも。同じ内容の質問は一回までね」

 当然、すぐに了承した。同じ質問を、どうして何度も繰り返さなきゃいけないんだか。

 彼が言うにはタイムリミットはあと三分。無いようで、意外とある時間だ。

 俺はすぐに、クロウへ質問を開始した。

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