表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空木空観察日記  作者: 環田 諷
第一話
3/56

その2

主人公のナルシストっぷり、解放の回です。

 なんという内容もなく、あっさりとホームルームは終わった。

 吉野に続きを聞こうと振り返るのとほぼ同時に、女の子たちが集まってきた。

紫合(ゆうだ)君っ!昨日通学路で『リセ』ってカフェテリアを見つけてね…」

「紫合君って今度の週末は暇?」

「あ、このシャーペン使いやすいよね、あたしも持ってるよ!」

 あっという間に周囲に輪を作った彼女たちは、思い思いに話し出す。輪に巻き込まれる形になった吉野が、女の子たちの顔と俺の顔を交互に見た。そして思わずつぶやく。

「ほんと、女子ってイケメンに目がないよな」

 自覚はないけど、と言いたいところだが、残念ながら俺には自分が「イケメン」と呼ばれる類に入る人種だという自覚がある。自覚を持たなきゃ、本当に残念な人たちに申し訳ないからな。

「悪いな」

 俺は嘘が嫌いだ。だから、謙遜もあまり好きじゃない。正直に生きるまでだ。

 でも、正直に生きていれば、これで嫌な奴だとはなかなか実際思われないようで。

「そのキャラがいいんだって」

「そうだよ、紫合君は性格だって素敵だもん」

「どんなにカッコよくたって、性格悪くちゃダメだもんね」

 先ほどまでばらばらに話していた女の子たちが、結託して「ねー」と声を合わせる。女の子の結束力ってすごい。

 同性の吉野も、

「ほんと、『ただしイケメンに限る』だよな」とケタケタと笑った。怒ってる様子も、嫌がる様子もない。世渡り力もなかなかだな、俺。

 しかし、なにはともあれ美少女の話題が気になる。女の子たちが俺をほめてくれているすきに、こっそりと聞いた。

「なぁ吉野、隣のクラスの…」

「ゆーうだー!」

 ドアのほうでクラスメートの男子が呼んできた。

「悪ぃ、今取り込み中だから!」

「俺じゃない!客、客!」

 …客?俺に?

 前に言った通り、まだ他のクラスとの交流はない。でも、クラスメートなら、わざわざ入り口で呼んでもらう必要もないわけで…

 つまり、誰?

「え~、いっちゃうの?」と残念がる声を出す女の子たちに、可愛いなと思いながら、ドアのところに向かった。



次回、やっと題名にもある「空」登場です。言うほど美少女じゃなかったらどうしようか…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ